八重山諸島の旅#5|石垣島観光 川平湾と荒川の滝、空港グルメで締める午後
2025年5月13日最終日
小浜島から石垣島へ戻ってきたのは、14時45分であった。
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八重山諸島の2025年の旅も、いよいよ終盤である。とはいえ、このまま空港へ向かって終わるには少し惜しい。
そこで、空港乗り捨て込みで3時間だけレンタカーを借りることにした。短い時間のための小さな贅沢である。

どうしても晴れた日の川平湾を見ておきたかった。旅の最後には、ときどきそういう「ひと押し」が必要になる。
もう十分見たから終わろうではなく、最後にもうひとつだけ景色を取りにいく。その執念のようなものが、旅の印象を決めることもある。
車を走らせ、15時55分に川平湾の駐車場へ着いた。

移動中、空は少し曇りに傾きかけていた。大丈夫かと思ったが、着いてみると晴れ間が見えてきた。光が差すたびに、海の色が変わる。青だけではない。
緑が混ざり、白が光り、場所によって濃淡がまるで違う。ガイドブックや観光サイトで何度も見てきた川平湾である。
だが、実際にその場で見ると、やはり違う。写真で知っている景色なのに、現地ではちゃんと驚ける。
そのことが少し嬉しい。旅先で有名な景色を見る意味は、まさにそこにあるのだと思う。知っているはずのものを、自分の身体で初めて見ることである。


川平湾の海は、まさしく石垣島を代表する景色であった。
「石垣の奇跡」という言い方をしたくなるのも分かる。晴れ間が差した瞬間、海面がきらきらと輝き、旅の最後にこういう光景を見られたことが素直にうれしかった。八重山の旅は、雨で始まった。
だからこそ最後にこの光を見ると、旅全体がうまく閉じていく感じがする。最初から最後まで晴れていた旅より、少し揺れた天気の旅のほうが、最後の晴れ間が効くのかもしれない。
川平湾をあとにして、次は荒川の滝へ向かった。
16時40分ごろ、荒川橋の下にある滝へ到着した。こちらは川平湾のような華やかな名所とは少し違う。だが、むしろその地味さがよかった。滝の音、流れる空気、少し湿った緑の匂い。

こういう場所に立つと、マイナスイオンという言葉をつい使いたくなる。言葉としては少し古い気もするが、あの場に立つとやはり「しみる」としか言いようがない。
旅の最後にこういう静かな場所を挟むと、気持ちが少しずつ帰り支度に入っていく。川平湾でテンションを上げ、そのあと滝で少し落ち着く。この順番がよかった。
本当なら、もっとあちこち回りたかった。
だが、時間には限りがある。旅の最後というのは、いつも少し足りないくらいで終わる。その「もう少し見たかった」があるから、また次に来る理由ができるのだろう。
全部やり切った旅より、少しだけ名残が残る旅のほうが、あとまで心に引っかかる。石垣島の最後の午後も、まさにそんな感じであった。
17時すぎ、空港近くのガソリンスタンドで給油した。
たった3リットルで600円。リッター200円である。さすが離島価格と言いたくなるが、旅の終盤ではこういうことも含めて少しおもしろい。普段なら「高いな」で終わるところも、旅先だとひとつの話になる。そうやって細かいことまで記憶の中に引っかかってくるのが、旅の不思議なところである。
17時17分、石垣空港に到着した。
軽く何か食べようと思って入ったのが「やいま村」である。ここでソーキそばと天ぷらを食べ、1700円分の「旅のしめ食」とした。軽く、のつもりで入ったのだが、結局それなりに食べてしまう。空港という場所は不思議なもので、旅の終わりが近づくと、なぜか食べておきたくなる。名残惜しさを胃袋で処理しているのかもしれない。最後に何を食べたかという記憶は、旅の締まり具合に意外と関わってくる。そういう意味でも、ソーキそばと天ぷらという着地は悪くなかった。

こうして、八重山諸島の旅は終わりへ向かった。
雨の石垣空港に降り立った初日から、石垣の街歩き、西表島のマングローブと鍾乳洞、小浜島の電動自転車、そして最後の川平湾と荒川の滝まで。
振り返れば、短い旅のなかにかなり多くの景色と出来事が詰まっていた。
それでも記憶に残るのは、有名な景勝地だけではない。店の人の言葉、島の空気、ちょっとした親切、少しの失敗、そういう細部のほうである。
旅とは、結局そういうものなのだと思う。大きな景色のあいだに挟まっている、小さな手触りの集まりである。
最後の午後に川平湾の光を見て、荒川の滝で湿った空気を吸い、空港でしめ食をして終わる。
この流れは、八重山諸島の旅の締めくくりとして、じつにちょうどよかった。すべてを見切ったわけではない。
むしろ、まだ少し足りない。その余白ごと持ち帰るのが、旅なのだろう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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