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北海道の旅#44|厚岸グルメパークでノマドワーク。牡蠣の誘惑と知床へ向かう決断

納沙布岬で日本本土最東端の朝日を見たあと、旅はまだ続く。

この日の朝は、根室の明治公園を出発して、納沙布岬へ。

そして次に向かったのが、厚岸だった。

厚岸といえば牡蠣。

北海道の東側を旅していて、厚岸の名前を見ると、どうしても頭に浮かぶのは牡蠣である。

しかし、この日の厚岸でまずやることは、牡蠣を食べることではなかった。

ノマドワークである。

厚岸グルメパークまで来て、朝からパソコンを開く。

海と牡蠣の気配を感じながら、エクセル作業をする。

これが、自分らしい北海道ワーケーションなのかもしれない。

少し地味だが、かなり現実的である。

前回の話はこちらです。

このシリーズのまとめ記事はこちらになります。
関西から北海道へ通い、車中泊で北海道ワーケーションを実践中の記録。
北海道の旅日記2024



納沙布岬から道の駅スワン44ねむろへ

2024年10月9日

納沙布岬で朝日を見たあと、5時40分ごろに出発した。

朝日を見た満足感はある。

ただ、この日はまだまだ長い。

北海道の旅は、朝から一つ大きな目的を果たしても、そこから普通に何百キロと走ることがある。

関西の感覚でいうと、もう一日分終わったような気分なのに、北海道ではまだ朝である。

6時41分ごろ、道の駅スワン44ねむろに到着。

風蓮湖を望む道の駅で、根室らしい景色が広がる場所だ。

早朝なので、まだ人は少ない。

この時間の道の駅は静かでいい。

車中泊旅をしていると、道の駅は単なる休憩場所ではなく、旅のリズムを整える場所になる。

トイレに寄る。少し車を停める。外の空気を吸う。

それだけで、長距離運転の区切りになる。

風蓮湖のあたりには、東北海道らしい空気が漂っていた。

茶内酪農展望台で、北海道らしい風景に出会う

その後、根室十景の白鳥の風蓮湖周辺でも少し停車し、さらに浜中町方面へ進む。

7時22分ごろ、茶内酪農展望台で休憩した。

ここは、浜中町らしい酪農風景が見える場所だ。

なだらかな牧草地。広い空。

遠くまで見渡せる景色。

北海道の東側を走っていると、観光名所に着く前からすでに北海道らしい。

道の途中に、普通にいい景色が現れる。

これがなかなか困る。

先を急ぎたいのに、つい車を停めたくなる。

旅の予定表には書いていない場所ほど、意外と印象に残ることがある。

茶内酪農展望台も、そんな場所だった。

派手な看板や大きな施設があるわけではない。

でも、目の前に広がる酪農地帯を見ていると、北海道の広さを素直に感じる。

こういう景色を見ると、ただ移動しているだけでも旅になる。

厚岸グルメパーク、コンキリエに到着

8時ごろ、厚岸グルメパークに到着した。

正式には、厚岸味覚ターミナル・コンキリエ。

厚岸の海や市街地を見渡せる高台にある施設で、牡蠣をはじめとした厚岸の味覚を楽しめる場所である。

名前に「グルメ」と入っている時点で、期待値が上がる。

しかも厚岸である。

牡蠣である。

これはもう、胃袋が勝手に前のめりになる。

しかし、この時点ではまだ朝。

そして、自分にはやるべき仕事があった。

ECサイトの送料に関するエクセル作業である。

旅先で厚岸の牡蠣を前にして、送料の計算。

なかなか渋い組み合わせである。

観光パンフレットには載らない北海道ワーケーションだと思う。

「海を見ながらノマドワーク」と言えば聞こえはいい。

実際には、車の中か施設の片隅で、エクセルの数字とにらめっこしている。

でも、それが現実のノマドワークである。

厚岸でエクセル作業をする朝

パソコンを開き、ECサイトの送料に関する作業を進める。

配送個数や条件を確認しながら、表を整理する。

北海道の旅中でも、仕事は普通にやってくる。

むしろ、旅先だからこそ、できる時に進めておく必要がある。

ワーケーションという言葉には、少し優雅な響きがある。

しかし、実際にはかなり段取りが大事だ。

移動する時間。仕事する時間。食べる時間。温泉に入る時間。

そして、寝る場所を確保する時間。

全部を考えながら動く。

この日は、厚岸グルメパークが仕事場になった。

ThinkPadを開き、エクセルを触り、必要なデータをまとめる。

目の前には厚岸。頭の中には送料。

このギャップが、少しおもしろい。

旅先で仕事をしていると、「今、自分は何をしているんやろう」と思う瞬間がある。

でも、その少し変な感じが、ノマドワークの楽しさでもある。

9時23分、仕事完了

9時23分。

ひとまず、この日の仕事は一区切り。

旅先で仕事を終えた瞬間は、ちょっとした達成感がある。

普通に事務所で送るメールとは違う。

厚岸で送った。それだけで、少し特別になる。

もちろん、送られた側には関係ない。

相手から見れば、ただのエクセルファイルである。

「これ、厚岸から送ってます」という旅情は、ファイルには添付されない。

でも、こちらの中には残る。

北海道の旅先で仕事をした記憶。

あとから振り返ると、こういう時間も旅の一部になっている。

ノマドワークは、観光と仕事の境目が少し曖昧になる。

その曖昧さが、自分には合っているのかもしれない。

厚岸の牡蠣が呼んでいる

仕事が終わると、急に周囲が気になり始める。

厚岸グルメパーク。コンキリエ。牡蠣。

ここまで条件が揃っている。

食べない理由が見当たらない。

いや、正確には食べない理由はある。

このあと知床へ向かう予定がある。

移動距離も長い。天気も気になる。

でも、ここは厚岸である。

厚岸に来て牡蠣を食べずに通過していいのか。

心の中で会議が始まる。

議題はひとつ。

「牡蠣を食べるか、知床へ向かうか」

かなり重要な会議である。

参加者は自分一人。

しかし、胃袋の発言力が強い。

元祖バケツ牡蠣への未練


特に気になったのが、元祖バケツ牡蠣。

厚岸産の牡蠣をバケツで蒸して食べるという、名前だけで強いメニューである。

バケツ。牡蠣。蒸す。

この3つの単語が並んだ時点で、かなり魅力的だ。

食べたい。かなり食べたい。

ただ、開店は11時。

この時点では、まだ1時間半ほど待つ必要があった。

1時間半待てば牡蠣が食べられる。

でも、1時間半待つと、このあとの知床五湖や温泉、網走までの移動に影響が出る。

北海道の旅では、こういう判断がよくある。

「今ここで楽しむか」

「次の目的地へ進むか」

どちらも正解で、どちらも少し後悔する。

牡蠣を食べれば、知床の時間が短くなる。

知床へ向かえば、牡蠣への未練が残る。

旅の選択とは、だいたいそういうものだ。

牡蠣は逃げない、という言い訳

しばらく悩んだ。

しかし、この日は知床へ向かうことにした。

自分に言い聞かせた言葉はこれである。

「牡蠣は逃げない」

便利な言葉だ。

ただし、よく考えると知床も逃げない。

どちらにも使える。

つまり、あまり強い理屈ではない。

それでも、旅人には自分を納得させる言葉が必要である。

この日は、牡蠣を見送り、知床へ向かう決断をした。

元祖バケツ牡蠣は次回の宿題。

北海道の旅には、こういう宿題があったほうがいい。

全部を食べて、全部を見て、全部を回ることはできない。

だからまた来る理由ができる。

そう考えると、食べなかった牡蠣も旅の一部になる。

ただ、正直に言うと未練はある。

かなりある。

厚岸から知床へ向けて出発

9時50分ごろ、ハイゼットカーゴのシロに乗り込み、厚岸グルメパークを出発した。

ここから知床五湖を目指す。

厚岸から知床。

地図で見ると、同じ北海道東部の移動に見える。

しかし実際には、なかなかの距離がある。

北海道の地図は、距離感を油断させてくる。

「このくらいなら行けそう」と思って走り出すと、思ったより長い。

でも、その長さが北海道の魅力でもある。

広い道。大きな空。変わっていく景色。途中の町や道の駅。給油のタイミング。それらが全部、移動の記憶になる。

この日は、厚岸でノマドワークをして、牡蠣を見送り、知床へ向かった。

観光だけではない。仕事だけでもない。食いしん坊の未練もある。

それらが混ざって、北海道の旅が続いていく。

厚岸グルメパークは、また来る理由ができる場所

今回、厚岸グルメパークでは牡蠣を食べなかった。

でも、立ち寄ってよかったと思う。

朝の時間に仕事を片付けられた。

厚岸の景色を見られた。

そして、次回への強烈な宿題ができた。

元祖バケツ牡蠣。

これはいつか必ず食べたい。

厚岸は、通過するだけではもったいない場所だと思う。

牡蠣を食べるなら、時間に余裕を持って来たほうがいい。

コンキリエでゆっくり過ごし、厚岸の味覚を楽しみ、できれば周辺も少し歩いてみたい。

今回は知床へ向かうために先を急いだが、次は厚岸を目的地にしてもいい。

旅をしていると、行った場所より、やり残したことのほうが記憶に残る時がある。

厚岸の牡蠣は、まさにそれだった。

食べていないのに、こんなに印象に残っている。

ある意味、かなり強い牡蠣である。

北海道ワーケーションらしい朝

振り返ると、この日の厚岸は、自分の北海道ワーケーションらしい時間だった。

朝に納沙布岬で朝日を見る。

道の駅で休憩する。

茶内酪農展望台で北海道らしい景色を見る。

厚岸グルメパークでパソコンを開く。

エクセルを送る。

牡蠣に心を揺さぶられる。

そして、知床へ向かう。

北海道を車で走りながら、必要な仕事をして、土地の食べ物に惹かれ、次の景色を目指す。

車中泊とノマドワークと旅日記が、ひとつの朝に混ざっていた。

厚岸グルメパークは、ただの立ち寄り場所ではなく、この日の分岐点だった。

牡蠣を食べるか。

知床へ進むか。

今回は知床を選んだ。

次に来た時は、きっと牡蠣を選ぶ。

たぶん。

いや、かなりの確率で。

次回は、厚岸から知床へ。

知床峠を越えて、知床五湖を歩きます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

次回の話はこちらです。

書いている人はこちらです。
関西から北海道へ通いながら、車中泊で北海道ワーケーションを実践しています。


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