あした転校生が来ますってなんのはなしですか?
三條凛花さんの最高のお話が誕生しました。
早速スピンオフを✍
「マイトン!マイトーン!!」
小西先生が呼んでいる。
このひとはいつも担任の仕事を、平気で学級委員のぼくに丸投げしてくる。
「なんのはなしですか?」
「おー、マイトン。実はさ、今度転校生がくるんだよ。必要な手続きがさぁ、なんて書いてあるか分からないからやっといてくれる?」
「ちょっとー、それは担任の仕事でしょ」
「頼むよマイトン。おれ、こういうの苦手なんだよ。あ、やってくれる?さすがマイトン」
調子よく笑うと小西先生は去っていった。
残されたプリントの束を見る。
「三條 凛花さん……か」
今度はどんな物語を紡ぐ人だろうか。
ずり落ちるメガネをくいっと上げると、いつの間にかプリントを覗き込んで、にかっと笑う少年がいた。ディエムくんだ。
「え?転校生くるん?やったなぁ、マイトン」
やったなぁ、と喜んでいるのは君だろう、と思う。でも、確かに新しい女の子が来るのは嬉しい。ぼくは学級委員だから、これくらいで喜ぶ顔は見せないけども。
満面の笑みのドMことディエムくんがこっちを見ている。
「りんかちゃんかぁ。どんなこだろうなぁ?マイトン!……あ!!まぁた、ゆにやってんなぁ!!」
ディエムくんの視線の先では、ゆにさんがはるちゃん相手に「おかあさん、きょうねぇ」と声をかけている。
はるちゃんは、下を向いて真っ赤な顔をして、笑いをこらえているようだ。
「お笑い係って、ゆに、自分でつくったんだよなぁ。ほんとに最高だー!!」
ディエムくんは、おもしろいひとが大好きだ。凛花さんはおもしろいひとだろうか??
再び視線をプリントに戻す。
「あっちぃーー!!!あばばばば」
突然の声に振り向くと、クラスで飼っているザリガニに唇をはさまれた、Rことアルロンくんが悶絶しているのが目に入った。
ひとはあまりに痛いと、あついと感じるらしい。
Rの横では生きもの係のちくわちゃんと、ゆずゆちゃんがケタケタ笑っている。
「ちょっとR!なんで水槽に顔近づけたの!?」
「だっへ、めばねばよぼへてびて、びぶばよぼべてひるぼば、ばぶびんしばばっばば (だって、メガネが汚れていて、水が汚れてるのか確認したかったから)」
「ばばば、言いすぎて何言ってるか、もう!うふふふ」
今日も不憫男子は絶好調のようだ。
さてと、気を取り直してプリントを見る。
そこには、凛花さんのお母さんからのメモが書かれていた。
『凛花は親の私たちが言うのもなんですが、とても頑張り屋さんな子です。前の学校では、頑張りすぎてとても辛い思いをさせました。乃音小学校は、とてものびのびと子供の才能を伸ばしてくれると聞いています。小西先生、どうぞよろしくお願いいたします』
なんて、なんていい子なんだ!凛花さん!
でも、ぜったい、小西先生これ読んでないな😂
ぼくはいそいそと帰る準備を始めた。
登場人物はこちら。
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