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RADWIMPSの『命題』は、バンドの集大成のような曲だった

RADWIMPSの新曲『命題』がリリースされたので、早速聴いた。

最初に聴いた印象は、懐かしさと新しさが共存しているというものだった。RADWIMPSはメジャーデビューしてから20年間も活動している。これだけ長い期間活動していれば、時期によって制作する音楽の雰囲気が変わるのは当然だ。昔からのファンが「昔の曲の方が好きだった」と語るのは、どのアーティストも同様ではないだろうか。

RADWIMPSも例に漏れず、長い活動期間を経て、段々と楽曲の曲調が変化している。特に『君の名は』は一つの大きなターニングポイントだった。どの時期も楽曲の雰囲気に特徴はあるものの、『君の名は』の前後では楽曲の雰囲気が大きく変化している。洋次郎が作品で扱うテーマはそう変わらないけど、表現の仕方が変わった。雑な言い方をすると、尖りが丸くなった。

私は高校生の頃にRADWIMPSを知り、かれこれ10年はRADWIMPSの音楽を聴いている。ただ、この10年間ずっとRADWIMPSにハマっていたわけではない。2019年~2022年くらいにリリースされた楽曲が、何だかイマイチ刺さらなかった。私生活もバタバタしていたこともあり、この時期はRADWIMPSから離れていた。

RADWIMPSの20周年企画として、過去のライブ映像作品を毎週YouTubeで配信するという大盤振る舞いな企画が行われた。全10回の配信を全て観た。やっぱり、RADWIMPSは最高だと感じた。


『命題』のイントロを聴いたとき、一瞬で懐かしい感じがした。音をかき鳴らすバンドサウンド。『ギミギミック』を思い出した。

そして始まるAメロ。曲調も懐かしい。矢継ぎ早に社会に対する言葉を投げかける様は、『シュプレヒコール』を思い出す

しかし、懐かしさを感じる部分ばかりではない。『命題』の歌詞は、社会に対する失望を叫んでいるようだ。昔の洋次郎とは表現が違う。この20年間で、数々の出来事があった。さらに、社会問題は解決するばかりか、むしろ混迷を極めているよう。洋次郎も色々なことを考えたのだろう。その思考が凝縮された歌詞のように感じる。

曲を聴き進めると、この曲は昔の曲は好きなファンのために制作した曲ではないことが分かる。最後の歌詞の言葉遊びは、近年のRADWIMPSの楽曲を思い出させる。あくまで、今の洋次郎が作りたいと思って、この世に生まれた曲なのだ。

「君じゃないと」が聞きたいの 君と僕の(くすぐったいよ)希望ごっこ

RADWIMPS『命題』より

『賜物』を聴いたときも、似たような感想を抱いた。昔の楽曲も、今の楽曲も、良い所を詰め込んで、新しい、魅力的な楽曲を作り出している。

RADWIMPSは今年メジャーデビュー20周年を迎える。『賜物』に引き続き、『命題』も、バンド活動の集大成のような曲だ。洋次郎は凄まじい進化を遂げたのだろうか?10月にリリースされるアルバムが非常に楽しみだ。


RADWIMPSのノンフィクション本がある。デビューからアルバム『人間開花』リリースまでの時期において、RADWIMPSで何が起こっていたのかを詳細に綴っている。

この本が発売された時期は、前述した通りRADWIMPSから離れていた。本を買いはしたものの、忙しくて積読と化していた。20周年のライブ映像配信企画でRADWIMPSへの熱を取り戻した私は、この本をやっと読んだ。そこには、私の知らないRADWIMPSが描かれていた。

この本の続きが読みたい。コロナ禍、そして桑原の脱退。何が起きていたのか知りたい。ただ、その本が出ることは無いのだろうと思う。桑原が脱退を発表した時の、洋次郎のあまりにもそっけない言葉。二人の間に深い溝が生まれていたことは想像に容易い。そんな軋轢の詳細を世に出したいと思うだろうか?むしろ、ファンは知らない方が幸せかもしれない。桑原が在籍していた頃のRADWIMPSを思い出に留めておくことで、十分だろう。


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