【2026年4月】広島県の宿泊税、楽天oyado(Rakuten Oyado)の予約CSVをどう読むか
2026年4月、広島県で宿泊税がスタートしました。
楽天oyado(Rakuten Oyado)で民泊やゲストハウスを運営しているホストにとって、最初に引っかかるのはCSVの読み方ではないでしょうか。
CSVの「宿泊料金」と「合計金額」、課税判定にはどっちを使う?
手配手数料は課税ベースに含めるの?
クーポンや楽天ポイントで値引きした予約は、値引き前?値引き後?
同じ予約番号が複数行に出てくるのはなぜ?
楽天oyadoのCSVはAirbnbやBooking.comと比べて列が多く、宿泊料金と手配手数料が別建てになっています。見る列を間違えると、非課税のはずの予約を課税扱いにしてしまったり、逆に徴収漏れを起こすことになります。
広島県内で宿泊税の計算システムを稼働させている立場から、楽天oyadoのCSVで何をどう見ればいいかをまとめました。
広島県の宿泊税の基本(30秒で確認)
ざっくりおさらいしておきます。
対象: 旅館・ホテル・簡易宿所・住宅宿泊事業(民泊)
課税ライン: 1人1泊の宿泊料金(税抜き)が6,000円以上
税額: 1人1泊あたり200円
徴収: 宿泊事業者が宿泊者から徴収し、翌月末日までに県に申告納入
楽天トラベルのFAQにも広島県の記載があり、「予約金額には宿泊税は含まれていないので、別途現地で精算」と明記されています。AirbnbやBooking.comと同じく、ホスト側で徴収・申告する構造です。
📎 公式:宿泊税制度の概要
📎 過去記事:広島県宿泊税の計算方法を完全解説
楽天oyado(Rakuten Oyado)とは
楽天oyado は、楽天ステイ株式会社が運営する宿泊・民泊予約プラットフォームです。2024年12月に「Vacation STAY」から「Rakuten Oyado」に名称変更されました。
1棟貸しやマンション・アパートなどの民泊施設が中心で、楽天oyadoに登録した客室は楽天トラベルをはじめとする提携予約サイトにも配信されます。つまり、楽天トラベル経由の予約も楽天oyadoのCSVに含まれてきます。
楽天トラベルと楽天oyadoは別のサービスです。楽天トラベルはOTA(予約サイト)、楽天oyadoは施設管理・在庫配信のプラットフォーム。CSVをダウンロードするのは楽天oyadoの管理画面からです。ここを混同しているホストを見かけるので注意してください。
楽天oyadoのCSV構造
楽天oyadoのCSVは「1予約1行」形式ですが、金額の列が3系統に分かれているのが特徴です。AirbnbやBooking.comのCSVよりも列が多く、最初は面食らいます。
主な列を系統別に整理するとこうなります。
【宿泊料金系】
宿泊料金
宿泊料金 クーポン金額
宿泊料金 小計
宿泊料金 小計 消費税10%対象
【手配手数料系】
手配手数料
手配手数料 クーポン金額
手配手数料 小計
【合計・支払系】
合計金額
楽天ポイント・楽天キャッシュ利用金額
支払金額
【予約メタ情報】
予約番号 / 伝票番号 / 発行回数
チェックイン日 / チェックアウト日
予約者名 / 宿泊施設名列名を見ると「宿泊料金」「合計金額」「支払金額」と、どれを使えばいいか迷います。
課税判定に使う列はどれか
結論から書きます。「宿泊料金」列を使います。
「合計金額」や「支払金額」ではありません。「合計金額」には手配手数料が上乗せされているので、この数字で判定すると金額が膨らみ、本来非課税の予約まで課税扱いになるリスクがあります。
「宿泊料金」列の金額は消費税込みなので、まず税抜きに換算します(÷1.1、端数切り捨て)。その税抜き額を「宿泊人数 × 泊数」で割って、1人1泊あたりが6,000円以上かどうかを判定します。
実例で見てみます。
[例1] 宿泊料金25,200円 / 1泊 / 1名
税抜き: 25,200 ÷ 1.1 ≒ 22,909円
1人1泊あたり: 22,909円 → 6,000円以上 → 課税(200円)
[例2] 宿泊料金67,500円 / 2泊 / 1名
税抜き: 67,500 ÷ 1.1 ≒ 61,363円
1泊あたり: 61,363 ÷ 2 ≒ 30,681円 → 課税(200円 × 2泊 = 400円)
[例3] 宿泊料金25,200円 / 1泊 / 5名
税抜き: 25,200 ÷ 1.1 ≒ 22,909円
1人1泊あたり: 22,909 ÷ 5 ≒ 4,581円 → 6,000円未満 → 非課税例3がポイントです。宿泊料金の額面だけ見ると2万円超で課税に見えますが、5名で泊まっていれば1人あたりは6,000円を下回り、非課税になります。人数の把握が判定に直結します(人数の問題は後述)。
広島県の手引き(P5)では、宿泊予約サイトを介した予約について「宿泊予約サイトと宿泊施設との契約により定められている1人当たりの宿泊料金による」と定められています。
📎 公式:宿泊税に関する手続
手配手数料は課税ベースに含めない
楽天oyadoのCSVには「手配手数料」という列があります。これは楽天ステイ株式会社(楽天oyadoの運営法人)がゲストから受け取るサービス手数料であり、施設側に入る宿泊料金ではありません。
CSV上でも宿泊料金と手配手数料は明確に別の列として管理されています。
[例] ある予約のCSV抜粋
宿泊料金: 25,200円
手配手数料: 4,032円
合計金額: 29,232円この予約で課税判定に使うのは25,200円です。29,232円(合計金額)で判定してはいけません。
広島県の手引き(P5、例2「手配旅行における宿泊料金」)にも、旅行業者が受けるべき取扱手数料が宿泊料金から除かれている場合は「除外する前の金額」とする旨が記載されています。楽天oyadoのCSVは最初から「宿泊料金」と「手配手数料」を分離しているので、宿泊料金列をそのまま使えば手配手数料は自然に除外されます。
判断に迷う場合は、広島県西部県税事務所 宿泊税課(TEL: 082-207-3103)に確認してください。
クーポン・楽天ポイント利用時の扱い
楽天oyadoのCSVには「宿泊料金 クーポン金額」と「楽天ポイント・楽天キャッシュ利用金額」の列があります。ゲストがクーポンやポイントを使った予約で、課税判定のベースはどうなるか。
広島県の手引き(P6、例5)にはっきり書かれています。
旅行会社やカード会社が旅行者にポイントを付与して、これによる割引を行う場合は、割引前の金額を宿泊料金とする。
楽天ポイントは楽天グループ(旅行会社側)が旅行者に付与するポイント。楽天のクーポンも楽天側が発行する値引き。どちらも「旅行会社が旅行者に割引を行う」ケースです。
クーポンやポイントで値引きされていても、課税判定は値引き前の「宿泊料金」列で行います。
なお、手引きには逆のパターンも書かれています。宿泊施設自身が会員割引や株主優待で値引きする場合は、値引き後の金額が宿泊料金になります。
[整理]
楽天ポイント・楽天クーポンによる値引き → 値引き前の金額で判定
施設自身の会員割引・株主優待など → 値引き後の金額で判定楽天oyadoのCSVでは「宿泊料金」列と「宿泊料金 クーポン金額」列が別になっている構造から、「宿泊料金」列は値引き前の定価が入っていると読み取れます。この列をそのまま使えば、条例の趣旨に沿った判定になります。
同じ予約が複数行に分かれている場合(発行回数の罠)
楽天oyadoのCSVには「発行回数」列があります。同じ予約番号が発行回数1、2…と複数行に出てくることがあり、ここに気付かないと集計がずれます。
発行回数2以降は宿泊料金が0円になっているケースがほとんどです。予約変更などで伝票が再発行された記録が残っているだけで、実際の宿泊料金ではありません。
全行をそのまま合算すると、同じ予約を二重計上することになります。
対処はシンプルで、予約番号ごとに1件として扱い、宿泊料金が0円の行は除外してください。Excelで集計するなら、予約番号でフィルタして最新の有効行だけ残す運用です。
やどぜいでは、CSVを取り込む際に予約番号をキーにして最新の有効データだけを残す処理をしています。
人数情報がCSVにない問題
楽天oyadoのCSVで一番厄介なのは、ここかもしれません。宿泊人数の列がありません。
AirbnbのCSVには「大人の人数」「子どもの人数」が入っています。Booking.comにも「人数」列があります。楽天oyadoにはどちらもありません。
広島県の宿泊税は「1人1泊6,000円以上」が課税ラインなので、宿泊料金を人数で割る計算が必要です。人数がわからないと判定ができません。
現実的な対処法は2つあります。
楽天oyadoの管理画面で予約詳細を開き、宿泊人数を確認する。CSVには入っていなくても、予約画面側には表示されています。月末の集計時に1件ずつ確認するか、予約確定時にメモしておく運用です
やどぜいを使う場合は、CSV取り込み後に管理画面で人数を手入力する。取り込み時点ではデフォルト1名として登録されるので、実際の人数に修正すると課税判定が自動で再計算されます
やどぜいのインポート画面の注意書きより:「楽天oyadoのCSVは宿泊人数・泊数がデフォルトで1人1泊として取り込まれます。インポート後、必ず宿泊データ管理画面で実際の宿泊人数と泊数に修正してください。」
1棟貸しの民泊で5名が泊まっている予約を1名で計算してしまうと、本来非課税のはずが課税になります(例3を参照)。逆に、1名の予約をそのまま放置していれば計算上は問題ありませんが、実態と合わないデータが蓄積されていく。
面倒でも、人数だけは手を抜かないでください。ここを間違えると判定がまるごとひっくり返ります。
楽天oyado予約の課税判定フロー(まとめ)
ここまでの内容を手順にまとめます。
楽天oyado管理画面からCSVをダウンロードする
予約番号ごとに1件にまとめる(発行回数2以降の0円行を除外する)
「宿泊料金」列を税抜き換算する(÷1.1、端数切り捨て)
宿泊人数と泊数で割って、1人1泊あたりの金額を算出する
6,000円以上なら課税(200円/人/泊)、6,000円未満なら非課税
クーポン・楽天ポイントが使われている予約は、「宿泊料金」列(値引き前)で判定する
判断に迷う項目があれば、広島県西部県税事務所 宿泊税課(TEL: 082-207-3103)に確認してください。手引きのP5-6に宿泊料金の考え方が詳しく載っています。
📎 公式:宿泊税制度の概要
📎 公式:宿泊税に関する手続
📎 過去記事:広島県宿泊税の計算方法を完全解説
📎 過去記事:Airbnb民泊の宿泊税対応ガイド
📎 過去記事:Booking.comの宿泊税対応ガイド
※この記事は広島県が公開している条例・手引き等の一次情報、および楽天トラベル公式FAQ・楽天oyado管理画面の仕様をもとに作成していますが、内容の正確性を保証するものではありません。クーポン・楽天ポイント等の値引きがある予約については、楽天oyado管理画面でCSV各列の挙動を実機で確認してください。本記事の解釈は公開時点の列名と広島県手引きの記載に基づくものであり、個別の状況では異なる場合があります。実際の手続きや判断については、西部県税事務所 宿泊税課(TEL: 082-207-3103)にご確認ください。
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