【2026年4月】Booking.com民泊の宿泊税、広島県ではどうなる?ホスト向け対応ガイド
2026年4月、広島県で宿泊税がスタートしました。
Booking.comで民泊やゲストハウスを運営しているホストにとって、最初の疑問はだいたいこのあたりではないでしょうか。
Booking.comが宿泊税を自動で徴収してくれるの?
海外ではBooking.comが税金を代わりに集めてる気がするけど、日本も同じ?
管理画面のどの数字を使って計算すればいい?
AirbnbとBooking.comを両方使ってるんだけど、集計はどうする?
先に結論を書くと、広島県の宿泊税は、Booking.comではなくホスト本人が徴収・申告・納入します。ただし、Airbnbと比べると計算はかなりシンプルです。
広島県内で宿泊税の計算システムを稼働させている立場から、Booking.comホスト向けに管理画面の見方から月計表への落とし込みまでをまとめました。
Booking.comは広島の宿泊税を代理徴収してくれない
海外では、Booking.comがゲストから宿泊税や観光税を代理徴収して、自治体に納付してくれる地域があります。イタリアやフランスなどが代表的です。
ただし、日本はこの代理徴収の対象地域に入っていません。Booking.comの公式ヘルプには、こう書かれています。
すべての予約は、宿泊施設とゲスト間の直接取引とみなされます。そのため、これらの取引に適用される現地税および法律などについては、宿泊施設が適宜確認・理解することが重要となります。
つまり、宿泊税の徴収も申告もホスト側の義務です。Booking.comは関与しません。
Airbnbも同じ構造ですが、Booking.comは「施設とゲストの直接取引」という立場がより明確で、税の代理徴収を行っている地域自体がAirbnbより少ない印象です。
「Booking.comがやってくれるはず」と思い込んだまま4月を走ると、5月末日(4月分の申告期限)の直前に慌てることになります。
📎 Booking.com公式:VAT(付加価値税)および現地税について
Booking.comの予約画面から、宿泊税の判定に使う数字
宿泊税の判定に必要な数字は3つだけです。宿泊料金、ゲスト人数、泊数。
Booking.comエクストラネット(管理画面)の「予約」タブを開くと、これらが一目で確認できます。
ゲスト数(「大人2名」「大人2名+子供1名」のように内訳まで表示)
チェックイン日・チェックアウト日(ここから泊数)
料金(ゲスト支払総額)
コミッション&手数料(Booking.comに支払う手数料。参考情報)

ここでAirbnbとの大きな違いがあります。Booking.comの「料金」欄は、ゲストが支払った総額がそのまま表示されます。Airbnbの場合はサービス料を差し引いた後のホスト受取額が表示されるため、課税判定に使う「宿泊料金合計」を逆算する手間がありました。Booking.comではその作業が不要です。料金欄の数字をそのまま使えます。
Booking.comでの「宿泊料金」の考え方
広島県の手引きでは、宿泊税の判定に使う「宿泊料金」の範囲が決められています。おさらいしておきます。
食事代 → 含めない
消費税 → 含めない
入湯税 → 含めない
清掃料 → 含める
サービス料・奉仕料 → 含める
Booking.comの場合、清掃料を部屋料金に含めて設定しているケースが多いです。Airbnbのように「清掃料金」が別表記されている構造ではないので、「料金」欄の金額がそのまま判定対象になることがほとんどです。
コミッション(12%前後)は「料金」欄の金額に含まれたうえで、Booking.com側から別途請求される仕組みです。ホストの手取りは「料金 − コミッション」ですが、宿泊税の判定は手取りではなくゲストが支払った総額で行います。
📎 広島県:宿泊税の手引き(PDF、P5-6)
手引きP5の「宿泊予約サイトにおける宿泊料金」の扱いでは、手数料を含めた総額で判定するのが原則です。Booking.comの「料金」欄は、この「総額」にあたります。
実例で計算してみる
Booking.comの予約データで3パターン計算してみます。
[例1] 大人2名+子供1名・2泊
料金合計: 38,880円
ゲスト: 大人2名 + 子供1名 = 3名
泊数: 2泊
1人1泊あたり: 38,880 ÷ 3 ÷ 2 = 6,480円 → 課税対象
宿泊税: 3名 × 2泊 × 200円 = 1,200円
[例2] 大人2名・1泊
料金合計: 23,200円
1人1泊あたり: 23,200 ÷ 2 ÷ 1 = 11,600円 → 課税対象
宿泊税: 2名 × 1泊 × 200円 = 400円
[例3] 大人5名・2泊
料金合計: 79,830円
1人1泊あたり: 79,830 ÷ 5 ÷ 2 = 7,983円 → 課税対象
宿泊税: 5名 × 2泊 × 200円 = 2,000円Booking.comは計算がシンプルです。料金欄の金額をそのまま使って、ゲスト数と泊数で割るだけ。Airbnbで必要だった「ホスト受取額から総収入を逆算する」ような手間がありません。
1人1泊あたりが6,000円以上なら課税対象(200円/人/泊)、6,000円未満なら非課税。判定ルールはAirbnbと同じです。
宿泊税200円、ゲストからどう集める?
Booking.comの予約画面には宿泊税の入力欄も自動計算機能もありません。ホスト側で徴収方法を決めるしかないところは、Airbnbと同じです。
現実的な選択肢は3つに分かれます。
A. チェックイン時に現金で受け取る
「200円 × 課税対象の人数分」を対面で現金徴収する方式です。料金設計を変えなくていいのが利点。セルフチェックインの場合は事前メッセージや室内掲示で案内する運用とセットになります。
B. 料金にあらかじめ上乗せする
想定ゲスト人数 × 200円分を部屋料金に組み込んで設定する方式です。徴収漏れはゼロになりますが、検索結果で競合と比較されたときに割高に見えるリスクがあります。
C. ホストが自腹で負担する
1〜2件の小規模民泊だとよくあるパターン。料金設計を変えずに済みますが、収益が薄い物件だと無視できない出費になります。
Booking.com特有の論点がひとつあります。「Booking.comペイメント」(Booking.comがゲストからの決済を代行するモデル)を使っている場合でも、宿泊税はホスト側で別途徴収する必要があります。Booking.comペイメントは部屋料金のオンライン決済であって、宿泊税の代理徴収ではありません。ここを混同しているホストを見かけるので注意してください。
どの方式を選んでも、県への申告・納入義務はホスト本人にあります。ゲストから集めなかったとしても、納付の義務だけは消えません。
ゲストへの事前案内は、Booking.comの予約確認メッセージに1段落入れておくのが現実的です。
キャンセル予約の扱い
ここはAirbnbにはない、Booking.com特有の注意点です。
Booking.comの予約一覧には「OK(確定済み)」と「キャンセル済み」のステータスが混在して表示されます。
ステータスが「OK」の予約 → 宿泊が成立した予約。月計表・申告書の対象
ステータスが「キャンセル済み」の予約 → 料金欄は「¥0」。月計表・申告書の対象外
月末の集計時に「キャンセル済み」を誤って含めると、申告書の宿泊数が実態より多くなります。提出前にステータスでフィルタしてください。
Airbnbではキャンセルされた予約は一覧から消えるか別表示になるので、この問題はあまり起きません。Booking.comは確定もキャンセルも同じリストに並ぶため、集計時にひと手間かかります。
複数OTA併用時の注意点
AirbnbとBooking.comを両方使っているホストは少なくないはずです。
月計表を作るときのポイントは3つ。
各OTAごとに予約を集計する(Booking.comの「料金」とAirbnbの「ホスト受取額」は意味が違うので、混ぜて計算しない)
日付ごとに両方の宿泊数を合算して月計表に記入する
同じ日・同じ部屋でAirbnbとBooking.comの予約が重複していないか確認する(オーバーブッキング防止の観点でも大事)
複数プラットフォーム併用時の集計方法については、別の記事でもう少し詳しく書く予定です。
📎 制度の全体像:宿泊税制度の概要
📎 手続き・様式:宿泊税に関する手続
📎 過去記事:広島県の宿泊税、計算方法のガイド
📎 過去記事:申告書の書き方を記入例つきで解説
📎 過去記事:月計表の書き方を記入例つきで解説
📎 過去記事:Airbnb民泊の宿泊税、広島県ではどうなる?
※この記事は広島県が公開している条例・手引き等の一次情報、およびBooking.com公式ヘルプセンターの記載をもとに作成していますが、内容の正確性を保証するものではありません。Booking.comの徴収対象地域や仕様は将来変更される可能性があります。実際の手続きや判断については、西部県税事務所 宿泊税課(TEL: 082-207-3103)およびBooking.com for Partnersにご確認ください。
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