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中国・ミャンマー国境の街で、ミッキーマウスに出会った【シーサンパンナ前編】

はじめに

国境の町が好きだ。
どちらの国とも言えない融合した街並み、看板、食文化。歩いているだけで「旅をしている」感が押し寄せてくる。

日本列島に住んでいるわれわれ日本人からすると、国境=海の向こうであって、目視でなかなか認識できない。
川や陸路の国境を“観に行く”のは楽しい。一歩超えるだけで違う国に行ける、その非日常感が好きだ。
実は、中国・ロシア国境(黒河)や、中国•北朝鮮国境(集安)はすでに訪れたことがあった。👇

「今度は南の国境を見たい!」
武漢留学中の2018年、そう思って向かった先は、中国・ミャンマー国境を擁する雲南省シーサンパンナ自治州だった。

赤丸がシーサンパンナ。中国の南端の南端。

溢れ出る東南アジア感

景洪市街

雲南省の省都・昆明から飛行機で1時間。
シーサンパンナ•タイ族自治州の中心都市・景洪(ジンホン)に到着した。飛行機を降りた瞬間から、10月なのにムアッと熱気が来る。

ここ景洪にはたくさんの種類の少数民族が住むが、なかでも一番多いのがタイ族
東南アジアのタイ民族と近しい文化とルーツを持つ、雲南省の少数民族だ。

串焼き屋さん
乗り物は車よりバイクが主流

街並み、植物、建物全てに東南アジア感がある。
漢民族の文明圏から離れた、ゆるくて鮮やかな空気。
タイ族、ジノー族、ハニ族などさまざまな少数民族が暮らすこの街は、“ごちゃ混ぜ感”が魅力的だ。
シーサンパンナは「少数民族」が七割以上を占めるため、ここでは漢民族がもはや少数派のようだ。


これは絵馬みたいなものかな?

これぞシーサンパンナ飯!

麺はもちろん米麺

到着してすぐ食べたのは、「耶得納」というレストランのレモンライスヌードル(約140円)
大量のパクチー、フライドガーリック、レモン、スパイス、肉団子。
完璧な組み合わせで、普段食べている中国料理では絶対に味わえないパンチに大満足だ。

女性が豪快に焼いてくれる

お次は路面にある、中国の他の地域では見たことないタイプの串焼き屋。混雑していて、良い店の予感がする。
豚肉の串を一つ頼んでみる。

味付けをした後に、何かの葉っぱに包んで焼いたのだろうか? 

カリカリに焼かれてる

スパイシーで甘酸っぱくて、豚の脂と相性が合う! シーサンパンナ飯、素晴らしい!

あの“メコン川”と「米騒動」の関係

穏やかな川

東南アジア最長の河川•メコン川。メコン川はこの街からタイ・ベトナムまでずっと続いている。メコン川流域といえば、稲作。
大陸から日本へ伝来した稲作だが、ジャポニカ米の起源は、実はメコン川流域の東南アジア付近であり、そこから中国へと伝わりジャポニカ米となったと可能性も研究で浮上しているという。(出典

遥かなるメコン川。おコメを伝えてくれてありがとう。
令和の日本では、そのコメを巡って毎日ヤフコメが紛糾しています。

コメの始祖?


社会主義核心価値観タイ語バージョン

タイ語でも

少数民族地域によくある「少数民族言語による社会主義核心価値観」もしっかりある。
これはタイ族の文字で書かれている。 
中国政府の、こういう“少数民族に気を遣ってます”アピールの抜かりなさは、感嘆に値する。

宿での男子高校生との出会い

宿泊したドミトリー

このとき泊まった宿は、国慶節(大型連休)にもかかわらず、なんと一泊200円の激安ドミトリー!

宿ロビーは大変開放的

ここで出会ったのが、とある中国人の男子高校生
昆明から一人旅で来ているという彼と、流れで一緒に夜の屋台を散歩することになった。

開放的な耳掃除屋さん
見たことないフルーツもたくさん!

彼が「せっかくだし、屋台で何かプレゼントしてあげるよ」という。
そんな、、、未成年に奢ってもらうだなんていいんだろうか……? 
そもそも、保護者の承諾無く未成年と歩いていて、未成年誘拐とかにならないのか……?(当時私も22歳とかだけど)

プレゼント

彼が買ってくれたのは、謎のキーホルダーだった。
「このひと、有名人なの?」
と聞いたが、
「僕も誰だか知らない」と言う。
なぜこれにした。ありがとう、いまも大事に取っておいている。

翌日、彼とは一緒に「バスで3時間の、少数民族族の村」に行くことになった。

少数民族•ジノー族の村

村へのマイクロバス
切符

ジノー族はシーサンパンナの山岳地帯に住んでい少数民族。独自言語があり、文字文化はないが、代わりに簡単な記号を用いてきた。
ジノー族の村へは、10人乗りくらいのマイクロバスで片道3時間弱。

車窓

舗装の甘い山道をマイクロバスで揺られながら村に着くと、そこは“ザ・中国の少数民族テーマパーク”だった。

ジノー族

民族衣装の人々が踊りで、われわれ観光客を出迎える。溢れ出るテーマパーク感。
いつもの赤い弾幕とスローガンはお約束。なんか法律でもあるのか?

口から火炎放射

本当にこんな伝統はあるのかは謎。

ジノー族とノアの箱舟

女神

ジノー族には、独自の神話がある。
その昔、大洪水が起き、女神に選ばれた一組の兄妹だけが太鼓に乗って生き延びて、この山に辿り着いたのだという。
あれ、それってノアの箱舟なのでは……。世界中にあるという洪水神話は、ここジノー村にもあったのか。
調べてみると、このような洪水で兄妹が生き延びて……という話は、洪水型兄妹始祖神話といって、中国西南部、東南アジア、沖縄やポリネシアンにも伝わるものらしい。

伝統的な生活を再現する人々

当たり前だが、彼らはあくまで観光地のスタッフであり、いまはもう伝統的な生活は基本的にしてないようだ。スマホでゲームをする人たちもちらほら。

トイレ……?!

驚いたのが、案内板にまさかの日本語表記があったこと。ここ、いままでに何人くらいの日本人が来たんだろう?

強制ダンスとプロパガンダ

ダンスタイム

食堂で昼食を取っていると、突然ダンスパフォーマンスが始まり、「観客も踊れ!」と煽り出す。
一緒にいた高校生にも「絶対踊ったほうがいい!」と強く勧められ(なんでだよ)、謎の踊りに参加する私。

プロパガンダから少し距離を置いてみる

最後は「民族大団結、祖国は一家族、私はジノー山にいます!」という力強い弾幕と一緒に写真撮影した。

ヤツと出会ってしまった

ジノー族の村のお土産屋を見ていたときだった。

ん?

おい……これは……

ジノー族の村には、確かにミッキーマウスがいた。


【シーサンパンナ後編】
「私は脱北者じゃない!」
中国・ミャンマー国境を見に行ったら、脱北者に疑われた話 へ続く
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タカイワ マサ | ライター・イラストレーター 面白いと思ったら応援のほどよろしくおねがいいたします! いただいたチップは執筆活動に使わせていただきます。

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