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私は脱北者じゃない! 中国•ミャンマー国境で疑われた話【シーサンパンナ後編】

シーサンパンナ前編はこちら👇

ベルギー人と国境へ

ジノー族で“ミッキー”に出会った翌日、私は宿で出会ったベルギー人女性と一緒に、「中国•ミャンマー国境を見に行こう」という話になった。

行動力の塊

彼女の名前はリン。
大学を休学し、ヨーロッパ中を旅していたが、アジアも旅することを決意。そして、その初めての旅行先が中国・シーサンパンナだというのだから、すごいというか無謀というか……。もちろん中国語は全く話せない。シーサンパンナの街で英語が全く通じず、困惑していた。

ミャンマー国境を目指す

中国とミャンマーの国境の町・打洛へはバスで片道3時間。
道中、リンとは英語で会話する。
私は本来旅行程度の英語はできるはずなのだが、留学中の中国語学習のせいで脳が混乱し、「He说~~」「那Let’s go吧」みたいなクレオール英語しか喋れなくなってしまっていた。
それでもリンとは、ベルギーの大学のこと、旅行のこと、中国のプロパガンダが面白いという話をしながら国境へ向かった。

出入国審査所

到着。北朝鮮国境のような物々しさはゼロで、中国人向けのミャンマー旅行会社やお土産屋が立ち並ぶ。

バナナチップス
市場
いろいろな香辛料を入れて……
炒め麺

お昼は市場のなかの店で、炒麺を頼んでみた。麺はもちろん米粉麺。味はパッタイに近く、とても美味しい!

店員さんお昼寝タイム

ただ、あくまでこの審査所から先が国境なので、出国しない我々はここで国境自体を「眺める」ことはできない。
そこで、近くのタイ族観光村にある“国境”を目指すことにした。

ヤツの洗礼

※以下、汚い写真があります。ご注意。

その前に立ち寄った打洛バスターミナルのトイレで、出会ってしまった。

なかなかの年代物

ニーハオトイレだ。
壁もドアもない。
ニーハオトイレ自体は、他の地域でも何回か使ったことがある。ただ、もう少し管理されている雰囲気だったので、抵抗はあまりなかったのだが……。正直、外で野ションしたほうがまだ清潔感があるレベルだった。リンは絶句して使用していなかった。

ちなみに、打洛周辺は公共交通機関はほぼなく、タクシーもいないし、もちろんdidi(配車アプリ)は使えない。バスターミナルにたむろしている、ミニバスの運転手と価格交渉して、いろいろ連れてってもらうのがいいだろう。

タイ族の村で国境を“見る”

金の仏塔

国境沿いにあるタイ族の観光村・勐景来景区に来た。ここはもともとあったタイ族の村をそのま
ま囲って観光地としたようで、ゆったり暮らすタイ族の方々の様子は穏やかだ。

ココナッツを割って吸う

村の雰囲気はゆるく、どこかタイの田舎のような雰囲気。

自家製酒飲み比べ
やはりお昼タイム

この観光村のなかを、国境に向けて歩く。

10月だけど真夏感


着いた!

229界碑

これが中国とミャンマーの国境を示す、国境石である。

ミャンマーが間近

この川の向こうがミャンマーだという。
中朝国境のように見張りも兵士もいない。ただ川が流れ、鳥が鳴き、子どもが遊んでいる。
国境の空気感が、あまりにもゆるくて心地良かった。

ここ、中国・ミャンマー国境というのは実際にかなり「ゆるく」、地元民がコッソリ行き交う秘密の入国ルートがいくつかあるようだ。

さすがに私は行かなかったが、調べると密入国してみた日本人のブログも出てくる。

ミャンマー側はモンラーという町であり、ミャンマー領のはずなのに北京時間や人民元を使用しているという。
実は、このモンラー付近は、中国人が合法的にカジノを楽しむためのカジノタウンになっているようなのだ。

帰りのバスで事件は起きた

無事目的を果たせた我々、シーサンパンナの中心地・景洪にバスで戻る。

打洛の街並み

これは行きのバスでも同じなのだが、国境が近い地域だからか、バスは1〜2時間ごとに検問で止められる。
そして毎回武装警察が乗り込んできて、乗客全員の身分証チェックもある。

ベルギー人のリンは、パスポートを見せると「あ、外国人ね」でスルー。
しかし私がパスポートを出すと、
「いや、お前も外国人?!」
と驚かれる。

たぶん、顔があまりにも漢族(モンゴロイド)だからだ。
帰りのバスでは、ついに私だけ降りるように言われ、簡易検問所に連れてかれてしまった。

私は脱北者じゃない!

検問所では、私のパスポートの入念なチェックが始まる。

「これ、偽物じゃないの? あんた本当は何人?」

「我是日本人!(私は日本人です!)」
と伝えるが、武警は
「いやあ、パスポートは偽造できるしなあ……」と言う始末。

武警「日本人が何しに来たの?」
私「国境を見ようと思って……」
武警「国境を見てどうするの?」
私「見ると楽しくなる…」

訳がわからない、という顔をされる。
ただ、中国が統制されたデジタルディストピア国家だったおかげで、10分ほどで私の移動履歴や渡航歴と無事照合ができたようで、解放された。
ありがとう、監視社会・中国。

後で知った衝撃の理由

中朝情勢に詳しい人物によると、
どうやらこの地域は、脱北者の御用達ルートになっているというのだ。
鴨緑江を渡り中国に密入国し、協力者が高鉄(新幹線)に乗せて、一気に雲南のミャンマー国境に抜けるらしい。

そもそも、シーサンパンナから片道3時間かけた国境に、ベルギー人女性と、中国語下手くそな日本人がいたら、そりゃ怪しまれるか。
しかも、脱北の手伝いをするのはキリスト教関係者であることも多いようで、ベルギー人のリンと一緒だったことも怪しさに拍車をかけていたのかもしれない。

まだまだすごいシーサンパンナ飯!

屋台の串焼き屋

シーサンパンナで食べたものは、本当に何でも美味しかった。こちらは宿の近くに夜になると現れる、衛生観念ゼロの串焼き屋(こんな暑いのに具材は野晒し)。でもおいしくて2回行ってしまった。

米線

特にハマったのが米線(ライスヌードル)で、このようなシンプルな味付けの米線に、各自で好きなようにトッピングをして楽しむのがシーサンパンナ流。

もやし、漬物、唐辛子、にんにくなどさまざま
私流トッピングはこちら

この米線、麺の太さからスープの味まで選べるのだ。

米線(ピーナッツスープ)

こちらはピーナッツ味。まろやかで優しい味がする。
これらは尊敬する酒徒さんがブログで紹介されていて、まさにその通り絶品だった。

「勐海烤鸡店」の小鳥の丸焼き

文化や民族が交差する国境の街。食文化も混じり合うため、その分美味しい料理が生まれるのかもしれない。

おわりに

リンとのツーショット

シーサンパンナから帰ってから、リンとは連絡が取れなくなってしまった。彼女は、中国を無事に旅できただろうか。
しかし前編に出てきた中国人男子高校生とは、その後も縁があり、ひょんなことから彼の実家に遊びに行くことになり、熱烈歓迎を受けた。
そのときの様子はこちら👇


やはり国境の街は楽しい。いろいろな人との出会いに、グルメに、ハプニングに……。シーサンパンナは、私にとって忘れ難い旅となった。
しかし、そのなかでも一番強烈に焼き付いているのは、

公園にあった「蒋介石のそっくりさんと写真が撮れるサービス」だった。

(終わり)

今後も、内モンゴルの砂漠でキャンプした話や、ベトナム旅行記など書く予定です。
過去記事も良かったらご覧ください👇

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タカイワ マサ | ライター・イラストレーター 面白いと思ったら応援のほどよろしくおねがいいたします! いただいたチップは執筆活動に使わせていただきます。

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