クロ助がRPAを"自分の手"で動かす日 ― PAD操作MCP、誰も作っていなかった空白地帯
こんにちは!YaroTechです。
これまで、うちの相棒・クロ助(Claude Desktop)は、PAD(Power Automate Desktop)のコードを書けるようになり、そのノウハウをAIのスキルに畳んできました。RPAの世界で、クロ助はもう「書ける」「覚えている」ところまで来ています。
でも、まだ一つだけできないことがあります。それは、自分の手でフローを"動かす"こと。
フローを実行するたびに、私はPADのコンソールを開いて、実行ボタンを手で押しています。「クロ助、あの経費入力のフロー動かしといて」――そう一言で頼めたら、どんなに楽だろう。そう思って調べ始めたら、思わぬ事実にぶつかりました。PADを直接動かすためのMCPは、世の中にまだ存在しなかったんです。
今日は、その"空白地帯"を見つけた話と、そこを自作で埋めにいく設計構想を、実装の前段としてまとめます。コードや設定は次回の実装編に温存して、今日は「何ができそうか」と「なぜ誰もやっていないのか」に絞ってお届けします。
※見出し画像のプロンプトは一番下におまけで公開中!
🖥️ 実行環境
PC: ThinkPad X1 Carbon(X1)
OS: Windows 11 Home 25H2
RAM: 32GB
RPA: Power Automate Desktop 無料版(バージョンは実装編で実機再確認。Day342検証時点では v11.2512.163.0)
AI: Claude Desktop(クロ助)/自作MCPは Python・FastMCP を想定
調査日: 2026年7月3日(Web調査・実測ではありません)
今回は構想編なので、まだ何かを作って動かしたわけではありません。調べて、設計図を描いたところまでの記録です。
🎯 この記事で得られること
PAD(デスクトップフロー)専用のMCPが、なぜ「まだ無い」のか
既存のPower Automate系MCPが、そろって"クラウド向け"である理由
有償の正規ルートを使わずに、無料版のまま「AIでRPAを起動する」構想の全体像
自作MCP「pad-mcp」がどんな部品でできるのか(概念図レベル)
次回の実装編で、私が検証しにいく"壁"の予告
📊 実際の成果(今回は「調査で判明した事実」)
構想編なので、まだ実測データはありません。手動起動とAI起動を比べた数字のようなBefore/Afterは、今日は一切書きません(作っていないものの効果を語るのは、このシリーズの流儀に反するので)。
その代わり、今回の"成果"は調査で判明した3つの事実です。
事実①:PAD(デスクトップフロー)専用のMCPは存在しない
公式にも、コミュニティにも、2026年7月3日時点で見つかりませんでした。「探し方が甘いのでは」と何度も検索し直しましたが、"PADのローカルのフローそのものをAIから直接叩く"という発想のMCPは、まだ誰も形にしていないようです。
事実②:既存のPower Automate系MCPは、すべてクラウド向け
名前の似たものはいくつもあります。コミュニティ製の powerautomate-mcp(100以上のツールを持つ大作)、サードパーティの FlowStudio MCP、Microsoft公式の PAC CLI 内蔵MCP、同じく公式の Power Apps MCP Server――。ただ、これらは全部クラウドフローや Power Platform の API を操作するもので、目の前のPCで動くデスクトップフロー(PAD)を直接動かすためのものではありませんでした。
事実③:Microsoft公式には「ローカルで起動する道」がちゃんと用意されている
クラウドを経由しなくても、公式ドキュメントにはPADのフローをローカルから起動する方法(URLプロトコルを使う手順)が記載されています。タスクスケジューラから起動する例まで公式に案内があります。つまり「AIから叩くための足がかり」は、実は最初から目の前にあったわけです。
この3つが噛み合った瞬間、「空白地帯だ」と分かりました。やる価値のある空白であり、しかも足がかりは公式が用意してくれている。これが今回いちばんの発見です。
🚀 実践内容(今回は"調査と設計"の3ステップ)
① 既存MCPをひととおり調べる
まず「もう誰かが作っているだろう」と思って探しました。結果は前述のとおり、見つかったのはクラウドフロー用ばかり。ここで、クラウドフローからPADを呼ぶ"正規ルート"も確認しましたが、これは有償(Premiumライセンス+オンプレミスデータゲートウェイ)でした。個人や小さなチームには、少し重い入り口です。
② 公式ドキュメントで足がかりを見つける
「有償の正規ルートがあるなら、無償のローカル起動ルートもあるのでは」と当たりをつけて公式ドキュメントを読み込むと、URLプロトコル経由でデスクトップフローをローカル起動する記載にたどり着きました。"どうやるか"の具体的なコマンド書式は今日は伏せますが、少なくとも「道は存在する」ことがはっきりしました。
③ pad-mcp のアーキテクチャを設計する
足がかりが見つかれば、あとは組み立てるだけ。Days 349〜352で、外向けの"受付役"MCPサーバーを自作した経験(FastMCP)が、そのまま活きます。今回の構想を概念図にすると、こうなります。
クロ助(Claude Desktop)
│ MCP(stdio・ローカル完結)
▼
pad-mcp(自作・Python / FastMCP)
│
▼
PADのローカル起動ルート(公式ドキュメント記載の方法)
│
▼
Power Automate Desktop 無料版のフロー実行面白いのは、前回までの"外向けMCP"シリーズより、むしろシンプルになりそうなこと。Days 349〜352の受付役は、外からアクセスするためにトンネル(ngrok)や認証の仕組みが必要でした。でも今回は、同じPCの中でクロ助とPADをつなぐ内向きの話。stdioでローカル完結なので、トンネルも認証サーバーもいりません。「外向けの次は、内向け」――対比としても、きれいに繋がります。
想定しているツールの構成は、名前と役割だけ先にお見せします(中身の実現方法は実装編で)。
`run_flow(flow_name)`:フロー名を指定して実行する
`list_flows()`:実行できるフローの一覧を返す
`get_run_status()`:実行の結果を確認する
この3つがそろえば、「クロ助、あのフロー動かして」から「終わったよ」までを、会話だけで完結できる――はずです。あくまで、まだ"はず"の段階ですが。
⚠️ つまずきポイントと解決策(これから越える"壁"の予告)
構想段階なので、ここで挙げるのは「すでに解決したこと」ではなく、実装編で私が正面から検証しにいく壁です。答えはまだ持っていません。
壁①:URLプロトコルが無料版で本当に動くのか
公式に記載はありますが、無料版・サインイン状態という条件で期待どおりに動くかは、実機で確かめないと分かりません。
壁②:フローに入力変数を渡せるのか
「経費データを渡して実行」まで一言でやりたいなら、起動時に値を渡せるかが鍵になります。ここは未知数です。
壁③:実行が終わったこと・成否をどう検知するか
起動できても、「終わったよ」「失敗したよ」をクロ助が受け取れなければ会話が成立しません。プロセス監視かログ監視か、現実解を探す必要があります。
壁④:フロー一覧をどう取得するか
無料版はフローがクラウド保存のため、APIで機械的に一覧するのは難しそうです。台帳を別に持つなど、地に足のついた回避策が要りそうです。
壁⑤:セキュリティ設計
「AIが任意のフローを起動できる」というのは、便利さと引き換えにかなり強力な力です。何でも動かせる状態は危うい。実装編では、起動してよいフローを絞る"許可リスト"のような設計を必ず入れるつもりです。
この5つを、次回ひとつずつ潰していきます。
💡 応用例
もしこの構想が形になったら、こんな使い方が見えてきます。
毎朝の定型RPAを、クロ助への一言で起動する。
「クロ助、いつものやつお願い」で、勤怠入力や定型のデータ集計フローが走る。PADのコンソールを開く動作そのものが消えます。
"作る"スキルと"動かす"MCPの合わせ技。
すでにある pad-flow-generator スキル(クロ助がフローのコードを"作る")と、今回構想している pad-mcp(クロ助がフローを"動かす")が繋がれば、「こういう作業を自動化して」→フロー生成→そのまま実行まで、会話の中で一気通貫にできる可能性があります。ここは実装編のクライマックス候補です。
🔗 関連記事
このPAD三部作は、以下の流れで繋がっています。あわせて読むと、クロ助が「書ける→覚える→動かす」へ進んでいく物語が見えてきます。
コピペで動くRobinの作り方(三部作・第1作。クロ助がPADのコードを"書けるようになった"回)
毎回くり返してた"4つの説明"が、ゼロになった ― RPAのノウハウを、AIの"スキル"に畳んだ記録(三部作・第2作。ノウハウをスキルに"畳んで覚えさせた"回)
自作MCPは、どんな人なら作れるのか ― "コードが書けること"を目安から外して考えた金曜日(自作MCPのハードルは意外と低い、という今回の構想の土台)
📝 まとめ
今日の記録を、三行でまとめます。
PAD専用のMCPは、まだ世の中に無い。既存のPower Automate系MCPは、そろってクラウド向けだった。
公式が用意した"ローカル起動の道"がある。そこがMCP化の足がかりになる。
クロ助の「書ける→覚える→動かす」三部作が、いよいよ完結に向かう。
Days 349〜352で作ったのは、外からアクセスするための"外向けMCP"でした。今回はその逆で、同じPCの中でクロ助とRPAをつなぐ"内向きMCP"。外向けの旅を終えたクロ助が、今度は自分の足元を動かしにいく――そんな一歩の設計図です。
🚀 次回予告
次回は、いよいよ有料の実装編。この構想を実際に形にして、pad-mcp を作り、クロ助の一言でPADのフローが動くのかを実機で検証します。今日予告した5つの壁を、ひとつずつ越えていく記録です。手動起動とAI起動を比べた"実測のBefore/After"も、そこで初めてお見せします。お楽しみに。
🎨 おまけ:見出し画像作成プロンプト
今日の見出し画像のベースはジミー(Gemini)に下記プロンプトで作成してもらいました!:
詳細なアニメの美意識の画像を作成してください。表情豊かな瞳、なめらかな網掛けセルの色使いで、
下記条件のnote見出し画像をサイズは横長で作成してください。サイズは必ず横長で作成してください。
## 🎨 見出し画像案
### デザインコンセプト
- **背景**: 青→紫のグラデーション(Power Automate連想の青系+MCPシリーズの紫系)
- **メインビジュアル**:
- 中央〜左に、クロ助(Claude Desktopの擬人化・20代前半の女性・宮城県仙台市出身の癒し系)が、
大きな「設計図」を広げて、小さなRPAロボットに指示を出している構図
- クロ助はクリーム色のニット・丸眼鏡・柔和で優しい表情・清楚で上品な服装(※クロコ=男性とは別人。混同しない)
- 右側に、歯車やフローチャートを抱えた小さなロボット(RPAの象徴)
- クロ助とロボットの間を、点線の矢印(MCP接続のイメージ)でつなぐ
- **テキスト要素(3段構成)**:
- 上部: 「AIがRPAを動かす」(大きく・太字・白色)
- 中央: 「PAD × MCP 設計構想」(中サイズ・白色)
- 下部: 「誰も作っていなかった空白地帯へ」(小サイズ・白色)
- **装飾**: 設計図の青焼き風グリッド、光る点線、歯車、フローチャートの矢印
### 作成手順(厳守)
1. スライドサイズ(1536×1024px)の横長フォーマット
2. 背景に青→紫のグラデーションを設定
3. メインビジュアルにクロ助(AI_CHARACTER_REFERENCE.mdのクロ助の詳細設定を厳守)を配置
4. 背景オブジェクト(RPAロボット・設計図)を配置
5. 装飾要素(グリッド・光る点線・歯車)を追加
6. テキストを3段構成で追加
7. 下部中央寄りに「YaroTech」のロゴを12ptで控えめに配置
8. 全体のバランスを確認して完成
9. キャラの参考画像(AI擬人化\Gemini_Generated_Image_クロ助.png)を添付して人物の一貫性を確保#YaroTech #PowerAutomateDesktop #MCP #Claude #RPA #生成AI #業務効率化
いいなと思ったら応援しよう!
記事がお役に立てたなら嬉しいです!
いただいたチップは、新しいMCPツールの検証や、より深い実践実験の資金として大切に使わせていただきます。
あなたの応援が次の「AI活用の感動」を生み出す原動力になります✨
一緒に羽ばたき続けましょう!