いつかの旅へとつながるらせんの記憶
2025年の万博で、チェコパビリオンを訪れて
描かれたらせんの形をなぞるようにして
いつかの旅への記憶をたどる。それは20年前の
旅のことで懐かしい風景がよみがえる。その頃
からの変わらぬ視点を確かめながら、日々変化し
続けていきたいと感じている。繰り返した20年
の月日の上に現在がある。そして旅はその先へ。

旅の中の形の記憶。螺旋を描く建物といえば

プラハに建つダンシングハウス
その斬新な形との出会いは

20年前の旅のこと。宿泊したホテルは

赤と白のモダンなデザインのアンデルス プラハ

ロビーには印象的な光。当時から今につながる視点で

街の風景を切り取りながら

建築家の思いが重ねられた建物にも合わせた焦点
ジャン•ヌーベルによる現代建築もプラハの街に

その旅でも路面電車は見送って、街を歩けば

街の表情や細部が見えてくる

楽しいデザインが、散りばめられた街

道の先の風景に期待を馳せながら

当時も今も変わらぬ視点で

街を感じた旅を振り返る

もちろん、当時に見えていなかったものもあるけれど

その視点の変化が、旅の原動力にもなる

坂の上のプラハ城。ステンドグラスの柔らかな光

プラハの街を肌で感じながら、また俯瞰すれば

モルダウ川と連なる赤い屋根の美しい風景が広がる

空間をうねるように連なる曲線を

たどるようにして、歴史の流れを感じていく

人面を持つ鳥の彫刻の下をくぐった先の

チェコといえばガラス工芸。輝く鳥のオブジェから

選んだ小ぶりの白の鳥は
今も我が家で、当時の記憶を伝えてくれる

太陽の光にのびる影。ゆったりとした

川の流れと時間の流れの中の、ほんのつかのまの

せわしない旅。写真撮りすぎとたしなめられつつも

おぼろげな記憶を、写真は今に鮮やかに伝えてくれる

当時は意識していなかった斜めの線に
今はとてもひかれていて、傾けられた
線や形に、建築家の意図を重ねている

その時も、きっとなんとなく惹かれていて

何気ない視点の写真に、当時の心を振り返り

圧倒的なアングルは昔も今も同じで
あらためてキュビズム建築に憧れる

訪れていたキュビズム美術館。当時は何気なく
訪れていたけど、今なら半日はすごせそう

チェコへの、プラハへの旅は今でも心に

ずっとあり、歴史と現代性の間の風景を

ほんのひとときでも味わえたことは

心の中の宝物の一つで、後ろ髪をひかれつつ

プラハ駅から次なる街へ

今でも心の中にある
チェコのデザインにあこがれている。今から100年
以上も前に、プラハにあらわれたキュビズム建築。
建築デザインに用いられる幾何学。斜線や斜面が
生み出す鋭利な線。分割される水平と垂直な面。
無機質な空間に動きを付加する様々な角度の線。
ヨセフ・ゴチャールの第一作でもあるキュビズム
建築に訪れた記憶。斜線で構成された手摺。変則的
な螺旋階段。キュビズムの家具。今、訪れたなら、
意図された線に沿う旅になるだろう。またいつか、
今はその思いを、これからの旅の形に重ねていく。
