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旅をするほどに形は厚みを増すように

旅先の風景をつなぎながら

様々な形をたどり歩いている。昔ながらの街並には、
形が全体を表す部分として定型化され、微妙に形を
変えながら連続する。それはその土地の個性でもあり、
いつかどこかの旅の風景と緩やかにつながっていく。


城東地区の街並みは流れを作り、時にはリズムを変えるように
街角の開けた広場に、折り重なるように配置された建物群
蔵の屋根の立体的な鉢巻もリズムよく
ここは1998年に建てられた作州東屋敷で、当時の町家が
再現された建物で、寅さんの最後の作のロケ地にも
建物が織りなす立体的な構成を感じながら
通りの生み出す連続した意匠もたどれば
出格子窓の間に割り付けられたナマコ壁も目に留まる
作州東屋敷の奥行き感にも驚きつつ、その先の
路地をぶらりと横手に曲がると、映画祭のロケ地マップ

津山を舞台とする映画の、津山を広めたいという思い

静かな路地を、街の雰囲気に身をまかせながら
路地の先には、堂々たる山門が建つ
ここは蓮光寺で、この辺りは津山に於ける日蓮宗発祥の地に
日本建築のモチーフは少しずつ形を変え
石灯籠には鹿の姿
鹿といえば春日大社への旅も楽しんだ

形をつないでいけば、そこに新たな旅が立ち上がる

日本建築の形は奥深く、裾が広がる火灯窓があれば
京都の鈴虫寺では色も形も格子も異なる

日本建築のモチーフをたどるほどに旅が好きになる

屋根を支える梁の下に木の彫刻も
柱の根巻きには獅子の姿
こちらの柱の根巻きは井波の瑞泉寺のもの

旅をするほどに形はゆるやかにつながって

また山門の向こうに広がる風景へと、門をくぐり
風景や建物に見える意匠と、それらが作る
目に見えないやわらかな雰囲気を感じながら
おたふく窓にこめられた遊び心に
引き寄せられるように街をたどる
おたふく窓や袖壁、縱格子にいつかの旅を重ねては

風景の持つつながりを楽しみながら

虫籠窓になまこ壁。言葉ひとつとっても、その姿は様々で
街を歩けば、心も踊るように
風景や街を形づくるかけらをたどり
意匠がおりなす街のリズムを感じながら
見えがくれする日本建築のおもしろさの中
出雲街道に面した城東地区をさらに東へ

ここには懐かしくて、心穏やかにする風景がある。
旅を続けている、その風景の気配を感じる。街並みを
つなぐ形をたどり記録することで、記憶の中の風景を、
また旅をするように振り返る。旅を続けるほどに形は
厚みを増して、風景の輪郭を浮かび上がるようにして。


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