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残るものと残らぬものの間で

確かな質感とおぼろげな記憶と

残るものと残らぬものの間を歩く。石垣のような
基壇の上に立ち上がる、織物のようなコンクリート
ブロックのカーテンウォール。軽やかさは質実さと
混じり合い、時代とともに移り変わる街に浮かぶ。



街の風景はつながり合う


 
過去から現在へ、また未来へ



建物が描く線をたどり



つながりを街に重ねては



重厚さから軽やかさへと



デザインは層を帯びる



荒々しくも繊細に



壁を通り抜ける光と風



60年もの時を刻む建物が



今に軽やかに浮かんでいる



連続する縦横の線に



動きを与える彫刻は


瀬戸内の旅の始まりに置かれたものと連続する



風景に点在する形の



連続にリズムを感じとる



空へと伸びる線と



動きをもたらす幾何学が



時を重ね、建物は光をまとう
 

自然と工業の線が入り組む建物に


旅の記憶が積み重なる


建物は時を経て



新たな役割が見出され


街の記憶を後世に伝える



芸術祭のひとときの風景に



出会いは別れとなることも受け止めて


建築家が重ねた形に思いをはせる



すっと伸びる丸みを帯びた手摺の先に



広がる空白



有限でもある建物は



時代とともに幕を降ろし


その上に、また新たな物語が綴られる



遠い記憶に手を伸ばし


いつか訪れた時の姿を振り返る


人々の心に留まる建物は


記録に残る建物ともなる



いつかの旅でなぞった線を



写真のなかでまたなぞる



線は重なり、形となり



リズムを帯びて色をまとい


記憶に残る建物となる



建築家が描いた線は


時と場所を超えて響きあい



岡山の街に二つ合わせて


風景を形作った建築家の


足跡に思いをよせながら



その間をまた歩いていく


隣り合う建物を手掛けた一人の建築家。残るものと
残らぬもの。時代は進み街は変化する。形は残され、
また見えぬ形で後世へと引き継がれる。残された
建物は記憶をつなぎ、また次の世代へ伝えていく。


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