海への旅の余韻の中で
海を渡る旅を繰り返し
鮮やかな朝日に包まれて、電車は西へとひた走る。
海に沿っては田園を過ぎて、山と川を越えていく。
ガタンゴトンと揺られては乗り継いで、海への旅
の余韻に浸りながら、また新たな旅へと舵を切る。

じんわりと空を染める光

朝日は海に浮かび

水平線を滲ませる。電車は、海岸沿いから

緑が連なる田園を過ぎ

川面に映る山々の間を抜けていく

ゆっくりと電車に揺られては

幾度も駅を通り越し

乗り継いではその先へと
電車の旅を繰り返す

風景に立ち上がる記号を探す

旅と旅は連鎖するように
次なる景色は広がっていく

映し出された形をなぞり

焦点を奥に手前に切り替えながら

ふとした瞬間の

連なりに目を留める

旅の始まりに

交差する形を拾い集め

駅に着いては自転車を広げる

円を描く駅前広場を過ぎ

まだ街が動きだす前

風景に引かれた線上を
ひた走っては、ふと緩める

光が境界に収束する

空と水面が混ざり合う
川の景色を思い返し

傾斜のついた坂を上る

山道を越え、街を通過し

田園風景が過ぎてゆく

ペダルに力を伝えるほどに

風は後ろに流れてゆく
一直線の道の先に浮かぶ雲

積み藁が並ぶ田園を
広い空の下での旅を繰り返す

また坂道を上り

木々の隙間に広がる海への
坂を下っていく
風を切る。遠くの水面に揺れる光。海へ続く坂道を
下る。自転車で繰り返した海への旅がふと浮かぶ。
腕に力を込めて、車輪は回転速度を上げる。潮の
香りが流れていく。瀬戸内の島への旅をもう一度。
