ゆるやかに続く線に導かれるように
らせんを描いたパビリオンの先に
風景の中には、まるで生命体のようなシルエットが
浮かぶ。ふわりと膜を広げるような形は微細な均衡
の上に建つ。それは生命が形を変え、うつろうよう
にゆるやかに続く曲線に導かれて、内部へと進む。

全体が鏡面のパビリオンは、周囲の風景をおぼろげに

時にはっきりと映し出す。ふわりと広がる膜のような

生命体のようなやわらかな曲線を持つパビリオンは

波打つように立体的な地形の上に

寄り添うように建つ、いのち動的平衡館

こちらの動きに呼応して変化を見せながら

パビリオンを構成するゆるやかな曲線は

閉じては開くようにして、内部へと人を導き入れる

そこでは、いのちが漂う流れの中にあることを

うつろいゆく光の粒子により表現される

光はそれぞれに明滅を繰り返し、形は表れては消え
38億年の生命の歴史のつながりが凝縮される

動的平衡という考えを提唱する福岡伸一氏による
パビリオン。そこでは、いのちはうつろい、消えゆく

はかないものであることが示され、すべては関係性の
中で、干渉し合うことでバランスを保っていると

感じさせる空間や展示にふれる
建物の動き出しそうな形に、感じる始まりのけはい
それは仮設であることで、壊される前提として

建物自体も生命へと近づくように、やわらかな
線を描く。それはぐるり周囲をめぐり、全体を支え
柱のない内部空間を生み出し、生命へと近づく

ゆるやかな線に感じる連続性と、時間の流れ
そこに変化のきざしや、動的な力を感じながら

曲線に沿うように、のけぞるように、覗き込むように
立体的なスロープと屋根を持つぐりんぐりん

旅先の建物を楽しみながら、曲線の先で
用をただすませることなく、風景を構成する線を

空を切り取る曲線を、建築家の思いをまとう形を
旅先の風景に重ねながら、過去から未来へと続く

関係性にひかれている。線は旅を描くように
円を描き、風景をやわらかくつないでゆく
あらゆる部分につながりがあり、始まりもなければ
終わりもないとすれば、今この瞬間が、過去から
未来へと連続を帯びて輝きだす。すべてものに関係
があるならば、風景は立体的となる。ゆるやかに
続く線に沿うように、旅を続け風景を重ねている。
そこには断続的な丸や三角、四角や幾何学の形が
時と場所により重なりあい共鳴しあう。モノや人も
何かに関係を与えるという点において、利他的な
一面があり、そこから得られる価値を受け止める
ことで旅は奥行きを持ち、人生は深まるのではと、
ぼんやりと続くゆるやかな線をたどり旅を続けて。
