見出し画像

旅先の白い猫に誘われるように

北加賀屋の造船所の跡に現れた

銀色の輝く車体の上に立つ白い猫。それはつかの
間の期間だけのもの。その場所に長く留まるもの
あれば、旅するように場所を変えてしまうものも
ある。艶やかな白い猫に誘われるように旅をして。



かつて海をつないだ造船所は、今では人をつなぐ場所



街がアートの気配を増す頃に



猫の看板が差し示す



ひとときのイベントへとやってきた



明るい文字が踊る輝く車体は



ヤシの木が連なるリゾートのような風景を映す



銀色の車両の上に立つ



シップスキャットサウナと名付けられた



青い空に浮かぶ白い猫


その光を帯びる姿を追いかけるように



誘われるようして、旅の風景をつないできた


初めての出会いは博多にて



そこにはいないとは知りながらも


海沿いにかつての面影をたどる



街を見返る白い猫にも


海を渡り会いに行く



つややかな白に、きらりと光るスーツをまとい



旅を見守る猫を訪ね



見学だけのチケットを手にし



サウナが並ぶ空間をそろりと進めば


蒸気に包まれた記憶もふわりと浮かぶ



シップス・キャットを乗せた銀色のキャンピングカーは



内気浴を兼ねたアート作品



ひんやりとした淡い光の中に



影をまとう猫と



頭の上に乗るネズミ



シップス・キャットの物語は



終わることなく先へと続き



船乗り猫に導かれるように



私の旅も続いていく



宇宙へと広がる猫の旅と



ささやかな旅で出会う猫



人と人をつなぐ北加賀屋の地の


アートとサウナのひとときの間に



ほてる体を冷ますようにして


また振り返っては熱くなる


旅で触れたものが、振り返るほどつながっていく。
旅では始まる前に楽しさをならべ、旅を終えて、
振り返りの深みへと足を踏み入れる。ひとときに
浮かぶ旅もあれば、じわりと噛みしめる旅もある。
その繰り返す運動が次なる旅へとつながっていく。
 

いいなと思ったら応援しよう!