記憶の中の風景をアートに重ねながら
美術館を訪れる楽しみは
未知なるアートに出会うことと、かつての記憶を
たどること。新たな視点と振り返る視点。美術館で
出会うアートを記憶の中でたどり、風景をつなぎ
合わせていく。アートは風景を結ぶ媒介となり、
どこかの作品は、いつかの旅につながっていく。

その存在自体がアートのようでもある女性の

描く大らかな曲線で

いつかの旅では、訪れる人を包み込むような
作品を手掛けるニキ・ド・サンファル

美術館に設置される優しげな作品の先の

空間を切り取る緊張感

手掛けるのは、海の風景の時間を記録する作品を展開する
杉本博司氏。湯布院でふれた海景にひかれている

見覚えのあるにぎやかなリトグラフの作品は

小豆島にもゆかりのある猪熊弦一郎によるもの

色とりどりの作品をたどるようにして、並ぶ菅井汲の

ヴァリアシオンの赤と青の白の構成に

菅井汲といえばのS字に、いつかの風景を重ねて
赤と青と白のモチーフは、意識すれば様々な場所に

転じて、モノトーンの繊細な線で表現された作品は

いつかの美術館で出会った猫の作者でもある
藤田嗣治。その淡くやわらかな表現にひかれている

展示される作品は多様で、松谷武判によるパリの風景や

1994年に世田谷美術館で開催された混沌を手掛けた

蔡國強の作品。氏の作品との出会いの大地の芸術祭で
風景を生み出すようなアートに圧倒された記憶

小豆島を愛した芸術家の一人で

石の彫刻とともに、小豆島や日本各地に設置される遊具を
手掛けたイサム・ノグチの作品も

醤の郷現代美術館は、リニューアルされた建物でもあり

展示室に設けられた窓から差し込む光や

緑を背景に、宙を歩くSkywalker

小豆島といえば海の風景。船をモチーフとした作品に

今回の旅で出会った船の作品を
小豆島の旅の記憶を

小豆島ゆかりの作品に重ねていく

またアートは日常にあることを提示し

アートは非日常であることを再認識する

中には馴染のある作品も。村上隆氏の花が背景の女性像は

福岡市美術館の大きな壁画を思い出す

アートは様々な視点で世界を切り取り

家の形はアートの中でも、風景の中にも目に留まる

世界の見え方に変化をもたらすアートは

その素材や質感、表現方法など多種多様で

また色彩で表現される風景や、感情にもふれながら

展示室をぐるりとめぐり

アートのような手摺をたどって
盛り沢山の醤の郷現代美術館を後にする
旅をするほどに、出会う様々なアートは記憶の中
で溶け合い、混ざり合い、それぞれの持つ視点は、
重なり合いながら、新たな気づき与えてくれる。
そして美術館でのアートとの出会いは一期一会。
時期によって出会える作品は異なり、アートの持つ
物語やいつかの記憶とのつながりを楽しんでいる。
