見出し画像

織りなす関係性の間を抜けて

色や形が立ち現れる


美術館へのアプローチを抜け、空間を構成する線を
たどる。物質は互いに関係性を保ち、全体から部分
へ近づくほどに質感を増し迫ってくる。ひかれた線
と線が境界を分け、重なる素材が奥行きを帯びる。



黒地に赤や


白の円



その内側と外側と



上下の色がせめぎあう



白地に黒の



線が揺れ



侵食されては抗うように



境界の上で混じり合う



不確かなものと



確かなもの


線の断続に立ち上がる形や



疾走する色彩


色や形が主題となり


キャンバスの上に視点を立ち上げる


抽象から具体へ、また抽象へと



色は溶け合うように



形を構成する



線が光を帯びて



境界を溶かし浮き上がらせる



芸術家は要素を削り


象徴させては、また付加する



入り混じる色や形の


境界の上で、静かな場所で



運動する円と線を



風景に重ね


視点を日々へと展開する



色や形は、密度を変え



配置やつながりは複雑さを増す


意味は浮遊し



おぼろげに定着されては



塗り込められ



タールのように黒々と



重なる記憶を閉じ込める


芸術家が残した足跡に


言葉を重ね、意味を思う



色は浮き上がり



境界を隔て



重力を帯びる



深まる質感は


鮮やかな色をまとい



痕跡を刻む



意味をなさないもの



与えられたもの



揺れ動く抽象と具体の中で


色や形、そのものが表現される。意味から離れ、また
意味をまとう。図と地。内側と外側。ぶつかり合う
色。拡大された対比を、対象への視点へ重ねる。日々
に溢れる色や形が、織りなす関係性の間を抜けて。


いいなと思ったら応援しよう!