視点は構成され反転されて
作品の間をくぐり抜けるほどに
知覚の幅は揺れ動き、部分から全体へ、また部分を
往復する。穿たれた穴。回転する線。伸ばされた手。
群像。交差する視線。構成される平面。内包される
空間。裏返る表面に、視点は構築され反転されて。

円は描かれ、開けられて

視点を奥に手前に
隔てるものとつなぐもの

空間に動きをもたらす彫刻の

伸ばした手が宙を掴む
視線は重なり合い

空間は動きを帯びていく

彫刻は風に晒される音楽家の

エネルギーを湛えながら

彫刻家は、自らの情熱を投影させるように
力強い像を刻む

外へと放たれる荒々しさに対し

静けさは内へと向いて

表面はしなやかな質感を帯びる

穏やかさに秘められた彫刻家の思いは

コウベのディナとしてこの地で紡がれる

空間に広がる光に

形の輪郭は曖昧に

また影を生じて明確となる

分割された平面が

組み立てられて

像を結び

構成された要素が意味をまとう

頭部から放たれる視線を

受け止める

足されるものと引かれるもの

異なる空気をまとう彫刻が

群像となり

空間に動きを与える

彫刻は列をなしては

寄り集まる

ガラスの向こうに感じた気配は

やわらかな影を

輪郭に沿ってまとうもの

触れることのできる彫刻に

その不確かさを確かめる

奥に刻まれた像は

海を渡る旅を
導く存在となったもの

凹んだ表面

突出しているものとの認識は

足元でも裏返る

確かなものと
不確かなものに目を向けて
見えるものと見えないもの。ポジとネガ。凹んだ
部分が、突出しては立体を帯びる。認識できるもの
とその裏側にあるもの。視点は揺れ、焦点を失う。
注意を向けるほどに揺れる像と、確かに開いた空洞
にふれて、存在と不在の間を確かめるようにして。
