響く音色に誘われるように
おぼろげな記憶を手繰り寄せる
カラカラと竹の車が回る。ひらひらと影が軽やかに
コンコンと弾けるリズムが、心の琴線を叩いては、
遠くの光景が蘇る。音は時間。生まれては消えゆく
音の連なりは、優しく細やかに空間に響きわたる。

ゆらゆらと影が小刻みに震え

風車はくるくると回り

影は賑やかに揺れ動く

竹のこもった優しい響き

民家の中に、漂う音の連なりと

揺れ動く竹細工

静かな空間に包み込まれた音色

土に揺れる影

竹の羽根はひらひらと舞うように

音色を奏で揺れ動く

カラカラとコンコンと

連なる響きに誘われるように

小屋裏に浮かぶ竹の調べ

それは2010年から続く音の風景で

またこうして出会えたことに

喜びを感じながら

くるくると回る竹の車が

奏でる音が過去と今をつないでいる
心地よく刻まれるリズムが
旅のリズムと同調して

音の風景がふと浮かぶ
時の間を、音の隙間を

たどるように縫うように
旅したいつかの音の風景へと

記憶を運ぶ。回転する竹の動き

羽根の動きに光が揺れる

静けさに響く音に息をのむ

おぼろげに映る音の記憶
音は時間を示すもの。遠くでぼうっと汽笛が響く。
寄せては揺れる細波と防波堤に当たっては砕ける
波の音。道の影からにゃおと猫の声がする。波打つ
ような島の風景に、音は静かに響きを重ねていく。
