現実といつかの空の間で
ゆらめく空間と風景に
地に足をつけながらも、旅は浮遊するように、
遠い日の記憶をたぐりよせながら、島の質感を
手に収める。雲は流れ、空は表情を変えていく。
かつてめぐった島の思い出にふれるようにして。

張りめぐらされた立体的な路地を

島の手触りを感じて進む

海と空の下の風景に

人の手の温度を感じながら

次なる作品の前で立ち止まり

いつかの旅をのぞき込む

家屋の中で展開される色や形が

鮮やかにもおぼろげにもつながり合う

空間に浮遊する色とりどりの断片が

平面から離れるように立体となり

動きを持つレイヤを作る

ゆらりと揺れるやわらかな

青を背景としたもこもことした形に
いつかの空を重ねてみる

色は溢れ、混ざり、踊るように

相似形が群をなし、少しずつずれながら

前後する鮮やかさに心も揺れる

色は垂直に、傾き、ときにぐにゃりと

目まぐるしく混ざりあい

躍動する作者の心が形となる

円の中に、向こうに、浮かぶ色は

角度を変えるほどに交差する

ドリームランドという未来への夢が託された作品に
めぐる色や形は連なり
記憶の中で混ざり合う
混然一体となる色の記憶が
空間の中に繰り広げられ

床におかれた色の欠片を

寄せ集めては遊ぶ人の姿に

あの日の思い出が重なりあう

壁面をうねる曲線は

旅の記憶に沿うようにして

瀬戸内をめぐる旅の途中で出会った

楽しげな色や形の連続も

同じく川島猛氏が手がけたもので
瀬戸内の空気が形作られる
芸術祭の始まりの年に訪れた

白く塗られた空間に並べられた

球の連続に目をまるくしながら

色彩の隙間を抜けて

視線は空へと伸びるように
芸術祭の始まりの年に訪れた男木島。小さな長男
との二人旅を思い出す。めまぐるしく展開される
アートに二人、目を回しながら島をめぐる。同じ
家屋で展開される川島猛氏の作品をまた訪れる。
思い出が集まる家からドリームランドへ。散り
ばめられた色や形が混じり合い、思考が回転し
動き出し、いつかの思い出に手を伸ばすように。
