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小学生の息子が祖父母に正座して言った「お父さんをよろしくお願いします」|うつ病の父を、子どもはどう見ていたか

実家で1週間ほど療養することになった日のことです。

小学生の息子が、祖父と祖母の前に正座して、頭を下げました。
「お父さんを、よろしくお願いします」

それを聞いた私は、胸が締め付けられました。
あの年齢の子に、こんなことを言わせてしまった。
同時に、気づかされました。この子は、全部分かっていたのだ、と。

この記事は、うつ病で働けなくなった父親を、子どもたちがどう見ていたかの記録です。
「子どもに何と伝えればいいのか」と悩んでいる方に向けて書きます。

当時の我が家

私は39歳で適応障害からうつ病になり、退職しました。
家には妻と、小学生の息子と、未就学の娘。
毎朝仕事に出ていた父親が、ある日から布団から出てこなくなった家庭です。

隠しきれる状況ではありませんでした。
子どもは毎日、寝ているお父さんを見ているのですから。

伝えたのは妻。病名は伏せて、事実だけ

子どもたちに話してくれたのは、妻でした。伝えた言葉は、こうだったと記憶しています。

「お父さん、病気で働けなくなっちゃったから、お家でお休みが必要になった」

今振り返ると、この伝え方には3つのポイントがありました。

1. 病名を言わなかった
「うつ病」という言葉は使いませんでした。
小学生と未就学児に病名を正確に理解させる必要はなく、
むしろ検索したり、外で話したりする心配が減りました。

2. 「病気」と「お休みが必要」の2つだけにした
原因の説明も、いつ治るかの約束もしない。
子どもが受け止めるべき事実だけに絞られていました。
「いつ治るの?」に答えられないのは、大人相手でも同じです。

3. 本人ではなく、母親から伝えた
当時の私は、まともに話せる状態ではありませんでした。
弱り切った父親本人の口から聞くより、
いつも通りの母親から聞くほうが、子どもは安心して受け止められたと思います。

これが正解だったのかは、今も分かりません。
ただ、我が家ではこの伝え方で、子どもたちが混乱することはありませんでした。

子どもたちは、心配そうに見に来た

伝えられた後、子どもたちは寝室まで、寝ている私の様子を見に来るようになりました。

騒ぐでもなく、質問攻めにするでもなく、
心配そうに顔を見て、戻っていく。

当時の私は「情けない姿を見せている」と自分を責めていました。
でも今思えば、あれは子どもたちなりの「看病」でした。
子どもは、親が思っているよりずっと、状況を見ています。

冒頭の息子の正座が、その証拠です。
誰かに教えられたわけでもないのに、
息子は「お父さんは今、守られる側なのだ」と理解していました。

守っていたつもりが、支えられていた

私は昼夜逆転を意志の力で直そうとして、何度も失敗しました。
最終的に立て直せたのは、「子どもと一緒に寝て、子どもと一緒に起きる」ようにしたからです。

養う立場として、守っているつもりだった子どもたち。
実際には、彼らの生活リズムと存在に、私のほうが支えられていました。

回復した今、あの頃の話はしない

今、私は週5日・8時間働けるまで回復しました。

では家族で当時を振り返って総括したかというと、していません。
あの頃の話はあえてせず、子どもが今、習い事や学校で頑張っていることを中心に話しています。

謝罪も、感謝の儀式も、たぶん子どもは求めていない。
父親が普通にご飯を食べて、普通に話を聞いてくれる日常が戻ること。
それが一番の答えだと思っています。

同じ立場のお父さん、お母さんへ

伝え方の正解は、子どもの年齢や性格、家庭によって違います。
我が家の形がそのまま使えるとは限りません。

ただ、一つだけ言えることがあります。
隠しきることは、たぶんできません。 子どもは見ています。
だったら、子どもが受け止められるサイズの事実を、安心できる人の口から渡してあげてほしい。
我が家の場合、それが「病気だから、お休みが必要」という一言でした。

寝たきりから社会復帰までの全記録は、こちらに書いています。

※この記事は一人の当事者の体験談です。お子さんへの伝え方は年齢や状況によって異なります。迷うときは主治医や専門機関にも相談してください。

#うつ病 #メンタルヘルス #家族 #子育て #休職 #うつ病体験

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