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SoFi「2026年EPS予想(後編)」— 上振れ余地はどこまである?

前編では「下限シナリオ」として2026年EPS予想を提示した。今回は上振れ余地がどの程度あるのかを探っていきたい。

今回着目したいのは、前編で29%としたAdjusted EBITDA Margin(日本の営業利益率に近い指標)である。これがより上振れするシナリオを考えたい。※前編同様、多くの前提条件が重なるため、あくまで一つのシミュレーションに過ぎない点はご了承ください。

業績予測の算出方法は、以下のとおりとする。

<業績予測の算出方法>
1. 2023年第2四半期から2025年第2四半期までの売上のCAGR(年平均成長率)をセグメント別に算出
2. 1で求めたCAGRが足元の成長率と乖離がないかチェック
3. セグメント別の売上を合算、2026年通期売上を予想
4. 足元の各営業経費の推移から、2026年のAdjusted EBITDAを予想
5. 4で見直しをした各営業経費見込みからAdjusted Net Incomeを予想
6. 2026年の発行済株式数見込みから、Adjusted EPSを予想

前編との違いは上記太字の部分のみとなるため、売上の算出方法は割愛する。(詳細は前編にてご確認ください。)

<営業利益率が上振れする理由とは?>
2023年第1四半期以降の各営業費用の推移は、大別すると以下にわかれる。

・明確な上昇:販売及びマーケティング費
・上昇:技術・製品開発費、一般管理費、運営費
・横ばい:そのほか費用

※細かな説明は割愛をするが、SoFiの場合、売上から以下各項目をプラスマイナスすると実際のAdjusted EBITDAとほぼイコールとなる(FY24Q1以降の誤差率平均0.6%)。
・減算:技術・製品開発費、販売及びマーケティング費、運営費、一般管理費、貸倒引当金
・加算:株式報酬費用、減価償却費、支払利息

しかし、これら営業費用を売上対比(=売上に対する割合)にすると以下となる。
・横ばい:販売及びマーケティング費
・低下:そのほか費用

すなわち、売上の伸び率が各営業費用の伸び率を上回る営業レバレッジが働く状況のため、売上対比でみた場合、各営業費用は低下している。(販売及びマーケティング費を除く)

※参考:
SoFiの“売上以上に利益が伸びる”理由──2025年第1四半期決算を読み解く
SoFi 2025年第2四半期決算に死角なし ― 営業レバレッジと新戦略が描く成長曲線

ところが、前編で示したAdjusted EBITDA Margin(営業利益率)を29%にするため、各費用の売上に対する割合を固定化し、それをグラフ化すると各営業費用の推移は以下となる。

これは不自然に映る。各費用項目のすべてが上振れに転じるのはやはりおかしい

そのため、修正する方法として、「売上予想を下げ、売上に対する営業費用も下げる」という方法が考えられる。たしかに前編で示した売上は、金融サービス事業を筆頭に強気とも言え、下振れする可能性はある。しかし一方で、大きな下振れも考えづらい。

そこで、売上予想は変えず、営業費用を現状の推移に合わせる(=営業利益率は上がる)と以下となる。

やはりこちらの方がより妥当と考えられる。

<2026年業績予想(上振れシナリオ)※2025年8月版> 
よって、この数字を採用し、各項目を計算していくと、2026年のAdjusted EBITDAは20.0億ドルAdjusted Net Incomeは10.9億ドル、発行済株式数は前回と同じ13億株を前提に、Adjusted EPSは0.84ドル(実効税率26%)となった。

このシナリオに対する大きな懸念は、営業利益率が2026年通年で37%、2026年第4四半期で40%近くにもなるということである(おそらくここまで高くなることはない)。

しかし、営業利益率が上昇傾向にあるのも事実だ。

※FY25Q2までは実績、FY25Q3以降は予測

また、AIの活用を通じた利益率の向上という側面も期待できる。

先日、PalantirのCEO Alex Karpが述べた「今後売上10倍を目指す一方で、従業員を10%以上削減する」というのは、個人的には衝撃だった。

当然、SoFiもAIの活用には積極的で、顧客接点の強化、リスク管理の高度化、バックオフィスの効率化まで、AI を幅広く活用し、サービス品質の向上と同時に運営コストの削減も図っている。

よって、営業レバレッジが働いている環境下において、さらなるAIの活用やWinner Takes Allの条件に近づいていくに従い、上記のような高い営業利益率もあり得るのかもしれない。

現時点では、このシナリオを2026年EPS予想の上限値としておく。

なお、個人的には、前編よりも、こちらの上限により近いEPSを見込んでいる。(EPS 0.7ドル台後半かな?という感じである。)

補足:上記と同じ前提条件の下、実効税率13%の場合はEPS 0.99ドル、実効税率20%の場合はEPS 0.91ドルとなる。ただし、SoFi自身も2025年の実効税率を外しているように(見通し26%、2025年第1四半期10.9%、第2四半期13.3%)、各種税制や優遇措置が絡むため、実効税率の見通しは難しい。保守的には実効税率26%で見ておき、下がればラッキーという感じが良いように思う。

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