SoFi「2026年EPS予想(前編)」— 下限でも驚きの成長シナリオ
SoFiは2026年のAdjusted EPS(1株あたり利益)を0.55~0.80ドルとするガイダンスを提示している。これは、2025年第2四半期決算発表時に上方修正された2025年EPSガイダンス0.31ドルを大幅に上回る水準だ。
以前、2026年のEPS予想を以下のとおり記載したが、変更する必要性があるかを検証した。
・SoFi「2026年EPSガイダンスの達成が見えた!?」-前編-
・SoFi「2026年EPSガイダンスの達成が見えた!?」-後編-
結論は、2026年はより力強い増収増益が見込めそうだ。※多くの前提条件が重なるため、あくまで一つのシミュレーションに過ぎない点はご了承ください。
まずは下限シナリオから。
<業績予測の算出方法>
1. 2023年第2四半期から2025年第2四半期までの売上のCAGR(年平均成長率)をセグメント別に算出
2. 1で求めたCAGRが足元の成長率と乖離がないかチェック
3. セグメント別の売上を合算、2026年通期売上を予想
4. Adjusted EBITDA Margin(日本の営業利益率に近い指標)を過去のトレンドから想定し、2026年のAdjusted EBITDA(営業利益)を予想
5. 各営業経費見込みからAdjusted Net Income(最終利益)を予想
6. 2026年の発行済株式数見込みから、Adjusted EPS(1株あたり利益)を予想
<2026年業績予測>
1. 2023年第2四半期から2025年第2四半期の売上のCAGRはローン事業17.8%、金融サービス事業92.3%、技術プラットフォーム事業12.0%となる。
2. 2025年第2四半期における事業別の対前年比伸び率は、ローン事業31.8%、金融サービス事業105.8%、技術プラットフォーム事業15.1%のため、2023年第2四半期から2025年第2四半期のCAGRはそれなりに妥当と判断し、この数字をそのまま採用する。

3. 上記で求めたCAGRが2026年末まで継続すると、2026年通期の売上予測は、ローン事業21.5億ドル、金融サービス事業30.8億ドル、技術プラットフォーム事業5.0億ドルとなる。これら数字の合計に事業部間の内部取引などを5%と想定して差し引くと、売上は54.4億ドルとなる。
4. 営業利益率は足元で29%となっている。2026年通期の営業利益率も29%とすると、Adjusted EBITDAは15.8億ドルとなる。

5. 2025年第2四半期時点で、各営業費用項目の推移を改めてチェックをしたが、前回予測時点から想定外の費用の増減は特にないことから、2026年の各営業経費見込みは前回のまま据え置くと、Adjusted Net Incomeは7.5億ドルとなる。
6. 発行済株式数は2025年7月末発表の増資ならびに最近の株式希薄化傾向を加味すると、2025年が12.2億株前後、2026年は13億株前後ではないだろうか。仮に13億株とすると、Adjusted EPSは0.58ドルとなる。
<2026年業績予想(下限シナリオ)※2025年8月版>

<補足>
・ローン事業の売上は上振れの可能性あり。※2023年第2四半期から2025年第2四半期のCAGR 17.8%と比較し、足元の数字は31.8%とより高く推移しているため。
・急成長が続く金融サービス事業のCAGR 92.3%は鈍化していく可能性がある。ただし、足元の対前年比は100%台、またローンプラットフォームビジネスはさらに拡大する見込みであり、妥当とも言える。
・技術プラットフォーム事業の売上は上振れの可能性あり。※「2026年第1四半期に新たに収益を生む顧客が約10社ある」という経営陣のコメントに加えて、コロナ禍に立てた長期取引が可能な大手企業に注力するという戦略から収益規模も期待できるため。
・最近のトレンドより、営業利益率は30%を超えて上昇する可能性あり。ただし、暗号資産関連など新規事業への先行投資などを要因として下がる可能性もある。よって、下限シナリオとしては保守的に見た方が無難。
・SoFiも2025年の実効税率を26%と見込んでいることから、2026年の実効税率も26%で計算している。しかし、2025年の実効税率(実績値)は、第1四半期10.9%、2025年第2四半期13.3%となっている。仮に2026年の実効税率が13%となる場合、Adjusted EPSは0.68ドルとなり、このインパクトは大きい。ただし、現時点では26%と見積もる方が無難である。
・2026年の予想にあたり、発行済株式数は、最大10,791,367株のオプションが行使されることを前提としている。増資に伴う最終的な発行済株式数は8月末に決定されるが、オプションの行使に伴う株式数への増加は発行済株式数の1%にも満たないため、オプション行使の有無が業績予想に与える影響は軽微である。
次回は、「SoFi「2026年EPS(後編)」— 上振れ余地はどこまである?」をお届けしたい。
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