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もしSoFiUSDが金融インフラになったら ─ SoFiUSDの未来 最終章🚀

これまで、ステーブルコイン市場の将来性、SoFiUSDの強み、金融インフラ革命、そしてBank of Banks構想について見てきた。

では最後に「SoFiUSDは、どこまで大きくなれるのか」について考えてみたい。

市場規模や競争環境、SoFiのポジションを整理することで、ある程度の可能性を考察することはできる。

<市場そのものが巨大化する>
まず前提として、市場規模が急拡大する可能性が極めて高い。

Part1でも紹介したように、Citiは2030年のステーブルコイン発行残高を標準ケースで1.9兆ドル、強気ケースで4兆ドルと予測している。Standard Charteredも2028年までに約2兆ドル規模へ拡大する可能性を示している。

現在の発行残高は約3,000億ドル規模である。
仮に2兆ドルへ拡大するとすれば、約7倍である。

つまり、これから起きようとしているのは、巨大な新しい市場の誕生である。だからこそ、今後も数多くの企業がステーブルコイン市場へ参入してくるだろう。

しかし、その全てが生き残るわけではない。

<最終的には上位へ集約される>
ステーブルコイン事業には莫大な固定費がかかる。

規制対応、AML(資金洗浄防止)/KYC(本人確認)、監査、システム運用、コンプライアンス、人材確保、さらに十分な流動性を維持するためには、取引所、決済事業者、金融機関との提携も必要になる。つまり、発行することはできても、継続的に運営することは別問題なのである。

そのため短期的には数百のステーブルコインが乱立するかもしれない。しかし長期的には、利用者、流動性、規制対応能力を持つ少数の発行体へ集約されていく可能性が高い。

これは銀行、クレジットカード、検索エンジン、SNSなど、多くのネットワーク産業で繰り返されてきた歴史でもある。

勝つのは最高の技術ではない。最も多く利用されるネットワークである。

<SoFiUSDは何%取れるのか>
「SoFiUSDが市場全体の何%を獲得できるのか」。当然ながら、現時点で答えは存在しない。

しかし今までで見てきた強み、
✅商業銀行免許
✅FRB口座へのアクセス権
✅約1,500万人の会員基盤
✅GalileoとTechnisys
✅Mastercardとの提携
Big Business Banking など

これらが有機的に機能することで、「トップ10どころか、トップ5に残る可能性も十分にある」と思っている。

SoFiは単なるステーブルコイン発行体ではなく、
・「使う場所」「使わせる場所」の両方を持ち、
・さらに「FRB口座へのアクセス権」など、唯一無二の強みも持つ。

これらを同時に持ち合わせるステーブルコイン発行体はSoFiUSD以外には存在しない。

<収益モデルは極めてシンプル>
ではSoFiUSDが普及した場合、どのような収益が生まれるのだろうか。現在SoFiが示している構想では、発行されたSoFiUSDの裏付け資産はFRB口座へ保管される。

仮にFRB金利が4%で、利用者へ2%を還元し、SoFiが2%を受け取ると、以下の収益ポテンシャルが生まれる計算になる。

・100億ドル流通→年間約2億ドル
・500億ドル流通→年間約10億ドル
・1,000億ドル流通→年間約20億ドル
※参考:2026年5月末時点の発行残高は、USDT約1,900億ドル、USDC約800億ドル

もちろんこれは極めて単純化した試算である。
・金利も変動する。
・還元率も変わる。
・運営コストも発生する。

しかし重要なのは、「発行残高が増えるほど収益も増える」という構造そのものだ。

※CEOのアンソニー・ノトは複数の場面で異なる還元率に言及しているため、上記では収益構造を説明するための単純化した試算として記載している。

発行残高1,000億ドルと聞くと過大に思えるかもしれない。しかし、CitiやStandard Charteredの市場予測からも、決して大げさな数値ではない。

むしろ、市場が想定どおり拡大し、SoFiUSDの強みを活かし、「トップ5」に入るのであれば、1,000億ドルを大きく上回ってもおかしくはない。

<本当の価値はそこではない>
もっとも、本当の価値は別の場所にある。それはSoFiUSD単体の収益ではなく、金融インフラとして機能し始めることである。

例えば、
・国際送金
・企業間決済
・暗号資産取引の決済
ローンのトークン化
Big Business Banking
・Galileo経由の外部提供

こうした領域へ広がっていけば、SoFiUSDは単なる商品ではなく、金融ネットワークそのものになる。

Visa/ Mastercardが価値を持つのはカードを発行しているからではない。決済ネットワークを持っているからである。

もしSoFiUSDが金融インフラとして利用されるようになれば、価値の源泉は発行残高だけではなくなる。ネットワーク全体から収益を生み出せるようになっていく。

仮に長期的に発行残高が1,000億ドルに到達し、1つのステーブルコインが年間で何回使われるかを表す回転率(Velocity)をCiti Stablecoins 2030に基づき「50倍」とすると、年間取扱高は5兆ドルに達する。

よって、将来的には、この巨大な年間取扱高から決済手数料、各種インフラ利用料、フロート収益(送金・決済の過程で一時的に滞留する資金から生まれる運用収益)などが発生し得る。

収益源は多角化され、極めて魅力的なビジネスモデルとなっていく。

実際、現在のVisaとMastercardは、決済ネットワークという金融インフラを握ることで、2025年度の売上高はVisa約400億ドル、Mastercard約328億ドル、最終利益はそれぞれ約200億ドル、約150億ドルに達し、純利益率は約50%、約46%という極めて高い水準を誇る。

Part1で紹介したように、Chainalysisは2032年頃には「ステーブルコインを活用した加盟店向け決済ネットワークがVisa級の規模へ到達する可能性がある」と予測している。そのため、ステーブルコイン市場が今後拡大していけば、新たなVisaやMastercard級の金融インフラ企業が生まれても不思議ではない。

Chainalysis「The New Rails: How Digital Assets Are Reshaping the Foundations of Finance」(2026年プレビューレポート)より抜粋

さらに、これは主に消費者向け決済ネットワークを前提とした比較である。

SoFiが目指しているのは、それだけではない。これまで見てきたように、SoFiUSDは国際送金、企業間決済、Big Business Banking、ローンのトークン化などへの展開も視野に入れている。

仮にこれらが実現すれば、SoFiUSDはVisaやMastercardの延長線上にある存在だけではなく、企業金融まで含めたより広範な金融インフラへ発展する可能性がある。

参考までに、SoFiの2025年通期の最終利益は約4.8億ドルである。もしSoFiUSDが金融インフラとして大きく普及すれば、その利益規模を大きく押し上げる可能性が高い。

<最後に>
ここまで、SoFiUSDについて考察してきた。私はSoFiUSDに大きな可能性があると考えている。

規制が大きく変わり、SoFiに不利な方向に働くリスクもある。技術そのものが別の方向へ進化する可能性もある。だから「SoFiUSDが必ず勝つ」とは断言することは難しいが、一つだけ言えることがある。

SoFiUSDは単なる新しいステーブルコインではない。

その背後には、次のようなものが存在し、
・Galileo
・Technisys
・SoFi Bank
・Big Business Banking

そしてこれらは、「Bank of Banks(金融業界全体を支える共通インフラ)」を形成していく。

だからこそ私は、SoFiUSDを一つの金融商品としてではなく、金融インフラそのものを再設計しようとする壮大な挑戦として見ている。

もしその挑戦が成功したとき、SoFiUSDの価値は「一つのコイン」という枠を大きく超えていく。

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