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SoFiUSDのBullish上場は何を意味するのか ─ 発行残高・流動性を考える

SoFiUSDが機関投資家向け暗号資産取引所「Bullish」へ上場する予定であることが発表された。

このプレスリリースを見て、
・SoFiUSDの発行残高は増えるのか?
・USDCのように広がるのか?
と期待した人も多いかもしれない。

しかし実際には、Bullish上場の意味は少し異なる。

今回は、
・Bullish上場が持つ意味
・発行残高への影響
・他取引所へ広がる可能性
・EthereumとSolana上で確認できる発行状況
・今後のマイルストーン
などについて整理したい。

<Bullish上場で発行残高は急増するのか?>
結論から言えば、Bullish上場だけで発行残高が急増するとは考えにくい。取引所上場そのものが「需要」を生むわけではないからである。

例えばUSDCが巨大化した理由は、大手暗号資産取引所Coinbaseへの上場そのものではない。決済、送金、DeFi、取引所など様々な用途で利用されるようになったからである。

SoFiUSDも同様に、将来の発行残高を決めるのは、
・SoFiアプリ内利用
SoFi Pay
国際送金
Big Business Banking
Mastercard MTN
ローンのトークン化
などにおける取引量である。

<それでもBullish上場が重要な理由>
それでも重要な理由は「流動性」の確保である。ステーブルコインは「いつでも売買できること」が重要である。

例えば機関投資家が1,000万ドル分のSoFiUSDを保有したとして、不要になった時に売却できなければ意味がない。Bullish上場によって、SoFiUSDを米ドル(USD)やUSDCと交換できる市場が形成されれば、機関投資家やマーケットメーカーが参加しやすくなる。

つまりBullishは「需要を作る場所」というより、「安心して保有できる市場」を作る場所なのである。

また、Bullishが最初の上場先であることにも意味がある。

SoFiUSDの将来像として語られているのは、個人向けサービスだけでなく、機関・法人向けのユースケースも多い。そう考えると、今回の上場は「機関投資家向けの流動性基盤を重視する」というSoFiの戦略を示しているようにも見える。

<実際にはどんな取引が行われるのか?>
「SoFiUSDを保有目的で買う」イメージを持つかもしれない。

しかし実際には、
・裁定取引(アービトラージ)
・機関投資家の資金移動
・マーケットメーカーの流動性供給
・国際送金業者の決済処理
などが中心になる可能性が高い。

例えばSoFiUSDが0.999ドルまで下落した場合、市場で購入し、SoFiへ1ドルで償還することで利益が得られる。こうした裁定取引によって価格は1ドル付近へ戻る。ステーブルコインの価格安定を支えているのは、このような仕組みである。

なお、銀行が発行しFRB口座で裏付けるという特徴があるため、裁定業者から見れば「1ドルに戻る確率が極めて高い、信頼性の高いコイン」になりやすい。

<他取引所「Coinbase」などへの上場はあり得るか?>
可能性は十分ある。ただし、暗号資産取引所にはそれぞれ独自の審査基準があるため、自動的に上場されるわけではない。

例えば取引所は、発行体の信頼性・規制状況・法的リスク・流動性・需要などを確認する。

SoFiUSDは、
・商業銀行発行ステーブルコイン
・FRB口座を保有
・現金による100%裏付け(SoFiUSDと現金が1対1の関係性)
という強みを持つ。

そのため、現時点での課題は流動性や需要の方だろう。Bullishで一定の取引量や流動性が確認されれば、CoinbaseやKrakenなど他の大手暗号資産取引所が検討しやすくなる可能性はある。

その意味で、個人的にはBullish上場そのものより、「最初の取引所上場を実現した」ことの方が重要だと思っている。

<発行残高は自分で確認できる>
アンソニー・ノトCEOは、先日のYouTube動画で、「SoFiUSDの発行残高が50億ドルに到達したら、2%の金利収入を得ることで、1億ドル規模の事業になり得る」と述べている。

そのため、今後はSoFiUSDの発行残高も重要となってくる。発行残高の急増があれば、株価も上昇要因になり得るからだ。

現在SoFiUSDは、代表的なブロックチェーンであるEthereumとSolana上で発行されている。

よって、EtherscanSolscanなどのブロックエクスプローラー(ブロックチェーン上の取引や発行残高を誰でも確認できる公開サイト)を見れば、発行残高・保有者数・取引履歴などが、誰でもリアルタイムに確認できる。

Etherscan Webサイトより抜粋。赤枠内が「発行残高・保有者数・取引履歴」を示す

<今後のマイルストーン>
今後のSoFiUSDを見るうえで、注目すべき「マイルストーン」を整理しておきたい。

まず、SoFiアプリ内での暗号資産取引・国際送金といった実需が伸びるか。またBullishでの取引量・流動性の実績が積み上がるかどうか。ここでの数字が、CoinbaseやKrakenなど次の取引所上場の審査材料になる。

実需での利用と取引所での流動性は両輪であり、片方だけでは発行残高は伸びない。

そして長期的には、法人・機関向けにどのように展開できるか。ノトCEOが語る「50億ドル」あるいはそれ以上になっていくかは、こうした大口需要を取り込めるかが重要である。

SoFiUSDの本当の勝負は、これから始まっていく。

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