+40%成長は通過点|SoFi金融サービス事業の実力検証【2025通期決算Part6】
Part5からの続きです。
※星の意味は初回同様(★★★:必須、★★:補足、★:参考)です。
前回は、ローン事業における2026年の強い成長シグナルを確認した。今回は、金融サービス事業に関する各種データをもとに、その収益動向を検証していく。
会社ガイダンスでは、2026年の金融サービス事業は前年比約+40%以上の成長とされている。各種データを精査すると、下限の+40%成長は保守的な想定であり、上振れ余地が大きいと判断できる。詳細な試算は、後日改めて公開予定である。
🚨このPartのポイント🚨
・売上成長率は3年連続+80%超
・売上40%・利益41%を占める第2の柱
・預金+44% → 金利収入の基盤拡大
・LPB急伸 → 非金利収入の主力に
・インターチェンジ収益も拡大
🔔結論:前年比+40%は十分に達成可能
以下では、その根拠をデータで確認していく。
1. SoFiにおける金融サービス事業の位置づけ(★★)
金融サービス事業は、売上で40%、貢献利益で41%を占める、ローン事業に次ぐ収益の柱である。現在、3事業の中で最も高い成長率を示しており、同社の将来成長を牽引する中核事業となりつつある。

2. 金融サービス事業における売上・貢献利益・貢献利益率(★★)
2025年の金融サービス事業における売上は15.42億ドル、対前年比も2024年+88.2%、2025年+87.7%と力強い成長を維持している。貢献利益率も、2025年は51.4%と大きく改善し、さらに2026年はこれまで赤字であったInvest(証券)も黒字転換する見込みである。

3. 金融サービス事業における金利収入・非金利収入推移(★★)
売上15.42億ドルの内訳は、金利収入7.78億ドル、非金利収入7.64億ドルである。会員からの預金の順調な増加に伴い、運用益による金利収入が拡大する一方、ローンプラットフォームビジネス(LPB)の急伸により非金利収入も大きく伸びている。

4. 金融サービス事業における金利収入・非金利収入割合(★)

5. 預金・預金増加額・預金増加率(★★)
会員からの預金受け入れ額は375.05億ドル(預金増加額+115.27億ドル、増加率+44.4%)である。SoFiによると、預金流入の多くは大手銀行からの資金である。預金金利の圧倒的な違いやワンストップサービスによる利便性が大きな要因と考えられる。預金は、ローンの貸出原資や運用に活用され、金利収入を生む源泉となる。したがって、預金の堅調な伸びは好材料である。

6. 金融サービス事業における非金利収入内訳推移(★★)
表3の非金利収入7.64億ドルの内訳となる。非金利収入の急伸を支えるのは、ローンプラットフォームビジネス(LPB)、インターチェンジ収益であることがわかる。
※インターチェンジ収益:デビットカードやクレジットカード利用時に発生する手数料の一部を、カード発行会社(SoFi)が受け取る収益。

7. LPB向け融資実行額推移(★★)
2024年第3四半期から本格的に開始をしたローンプラットフォームビジネス(LPB)向けの融資が急増し、これが金融サービス事業の非金利収入を支えている。
※融資実行額の約5%が収益となる。(例:2025年のLPBからの非金利収入575,911÷LPB向け融資実行額11,035,000=5.2%)

2026年のLPB向けガイダンスは個別には提示されていない。しかし決算説明会では、2025年第4四半期の融資実績(36.6億ドル、年換算約145億ドル規模)を踏まえ、「この水準を2026年に向けた現実的な達成可能ラインとして認識している」ことが示唆された。
2025年のLPB経由のローン実行額は約110億ドルである。したがって、2026年のLPB実行額は「少なくとも」約30%強(145億ドル÷110億ドル)の上積み余地がある計算となる。
このLPBがどこまで伸びるかが、金融サービス事業、ひいてはSoFi全体の2026年の業績を占う重要な判断材料となる。
8. 金融サービス事業におけるインターチェンジ収益(★★)
SoFiは、デビットカードやクレジットカードを提供しており、会員によるカード利用の拡大に伴い、インターチェンジ収益も着実に拡大している。現在、このインターチェンジ収益は、SoFiの全社売上の約3%を占めるまでに成長している。
またSoFiは2025年12月に食料品5%のキャッシュバックがあるSmart Cardをリリースしている。これにより、さらにインターチェンジ収益は押し上げられていく。

■まとめ
金融サービス事業は、「ローンに次ぐ柱」ではなく、主役へ移行しつつある成長エンジンである。直近のデータが示しているのは、単なる高成長ではない。
・預金増加 → 金利収入拡大
・LPB拡大 → 非金利収入拡大
・カード利用増 → インターチェンジ収益(非金利収入)拡大
という三重の収益拡大ループが同時に回り始めている。
また、金融サービス事業はローン事業のように自己資本を積み増す必要がないため、資本効率が高い(キャピタルライト)という点も重要だ。つまり、成長すればするほど利益率が上がりやすい構造になっている。
現時点のデータを冷静に積み上げる限り、会社が示した「+40%成長」は現実的な最低到達点と考える方が自然である。
次回は「利益が加速する構造|営業レバレッジをデータで検証【2025通期決算Part7】」となります。
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