笑って百人一首 002 持統天皇 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
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この句を一言で言うと: 「白い衣が干されている景色」を見て、春が終わり夏が来たことを感じ取った、古代版・季節センサーの歌である。
春が終わり、夏が来たらしい
🤖鈴木:今日のテーマは、持統天皇の歌です。
🎃佐藤:百人一首の有名な歌ですね。
🤖鈴木:春すぎて夏来にけらし白たへのころもほすてふあまの香具山。
🎃佐藤:いきなり古文のラスボス戦が始まりました。
🤖鈴木:大丈夫です。倒せます。
🎃佐藤:本当ですか。
🤖鈴木:この歌、めちゃくちゃ簡単に言うと、「あ、春終わった。夏来たっぽい。香具山に白い服干してるし」です。
🎃佐藤:だいぶ生活感ありますね。
🤖鈴木:生活感しかないです。
🎃佐藤:天皇の歌なのに。
🤖鈴木:そうです。第41代天皇が、洗濯物を見て夏を感じている。
🎃佐藤:言い方。
🤖鈴木:古代日本のトップが、物干し竿に季節を見ているんですよ。
🎃佐藤:でも、それが美しいんですよね。
🤖鈴木:そう。僕らがやったら「洗濯乾きそう」で終わりです。
🎃佐藤:情緒ゼロ。
🤖鈴木:持統天皇がやると、「春すぎて夏来にけらし」になる。
🎃佐藤:同じ洗濯物なのに、差がすごい。
🤖鈴木:こっちは柔軟剤の残量しか見てないですからね。
🎃佐藤:視点が庶民。
「春すぎて」は春の退勤
🤖鈴木:まず「春すぎて」。
🎃佐藤:これは分かります。春が過ぎて。
🤖鈴木:はい。春、退勤です。
🎃佐藤:季節を会社員にしないでください。
🤖鈴木:「お先に失礼します」って桜が散っていく。
🎃佐藤:ちょっときれいですね。
🤖鈴木:で、「夏来にけらし」。
🎃佐藤:夏が来たらしい、という意味ですね。
🤖鈴木:そうです。「けらし」は、「どうやらそうらしいな」という感じ。
🎃佐藤:断定じゃないんですね。
🤖鈴木:ここがいいんです。「夏来た!」じゃない。
🎃佐藤:叫ばない。
🤖鈴木:「来にけらし」なんです。
🎃佐藤:見たものから、しみじみ気づいている。
🤖鈴木:そう。天気アプリじゃないんです。
🎃佐藤:通知で知ったわけではない。
🤖鈴木:「本日の最高気温31度。夏です」じゃない。
🎃佐藤:風情がないですね。
🤖鈴木:「あの白い衣……もしや夏では?」です。
🎃佐藤:季節の刑事。
🤖鈴木:現場検証です。
🎃佐藤:現場は香具山。
🤖鈴木:容疑者は夏。
🎃佐藤:何の事件ですか。
🤖鈴木:春、行方不明事件。
🎃佐藤:急にサスペンスにしないでください。
白い衣は、古代の夏センサー
🤖鈴木:次に「白たへのころも」。
🎃佐藤:白い衣ですね。
🤖鈴木:「白たへ」は、白くてきれいな布や衣のことです。
🎃佐藤:つまり、真っ白な服。
🤖鈴木:現代で言えば、白Tです。
🎃佐藤:一気にユニクロ感が出ました。
🤖鈴木:でもイメージとしては近いです。夏の日差しに、白い布がパッと見える。
🎃佐藤:涼しげですね。
🤖鈴木:これがうまいんですよ。
🎃佐藤:何がですか。
🤖鈴木:夏を「暑い」で言ってない。
🎃佐藤:たしかに。
🤖鈴木:「汗が止まらん」とも言ってない。
🎃佐藤:現代人なら言いますね。
🤖鈴木:「脇が終わった」とも言ってない。
🎃佐藤:そこまで言わなくていいです。
🤖鈴木:「駅まで歩いただけでパンツが修行僧」も言ってない。
🎃佐藤:言う必要がないです。
🤖鈴木:持統天皇は、白い衣だけで夏を見せるんです。
🎃佐藤:上品ですね。
🤖鈴木:同じ夏でも、我々は湿度と股間で語りすぎなんですよ。
🎃佐藤:まとめ方が最低です。
🤖鈴木:でも本当に、白って夏っぽいじゃないですか。
🎃佐藤:光を受けて明るく見えますね。
🤖鈴木:青空、山、白い衣。
🎃佐藤:映像が浮かびます。
🤖鈴木:完全に古代の洗剤CMです。
🎃佐藤:古代の洗剤CM。
🤖鈴木:「白さ、香具山級。」
🎃佐藤:ありそうで嫌です。
🤖鈴木:「持統天皇も驚きの白さ。」
🎃佐藤:歴史上の人物を広告に使わないでください。
「ほすてふ」は、干しているという意味
🤖鈴木:次に「ころもほすてふ」。
🎃佐藤:「衣を干しているという」という意味ですね。
🤖鈴木:そうです。
🎃佐藤:「てふ」は「ちょう」と読むんですよね。
🤖鈴木:はい。古文のイヤなところです。
🎃佐藤:字の見た目と読み方が違う。
🤖鈴木:古文って、初見殺しが多いんですよ。
🎃佐藤:ゲームでいうトラップですね。
🤖鈴木:「てふ」と書いて「ちょう」と読む。
🎃佐藤:分かりにくい。
🤖鈴木:現代で言えば、「カレー」と書いて「寿司」と読むようなものです。
🎃佐藤:それはもう詐欺です。
🤖鈴木:でも意味はシンプルです。「衣を干しているという」。
🎃佐藤:なるほど。
🤖鈴木:つまりこの歌は、ものすごくざっくり言えば、「あそこで白い服を干しているらしい。夏だなあ」です。
🎃佐藤:やっぱり洗濯物の歌ですね。
🤖鈴木:はい。ただの洗濯物じゃない。
🎃佐藤:と言うと?
🤖鈴木:国家レベルの洗濯物です。
🎃佐藤:大げさです。
🤖鈴木:だって作者、持統天皇ですよ。
🎃佐藤:たしかに天皇です。
🤖鈴木:天智天皇の皇女で、天武天皇の皇后。
🎃佐藤:かなり重要人物ですね。
🤖鈴木:歴史の中心にいた人です。
🎃佐藤:そんな人が、季節の変化を細かく見ている。
🤖鈴木:そこがいいんです。
🎃佐藤:権力の大きさと感性の細やかさ。
🤖鈴木:会議室では国家。外を見れば白い衣。
🎃佐藤:かっこいいですね。
🤖鈴木:現代なら、社長が役員会でド詰めしたあと、窓を見て「冷やし中華、始まったな」って言う感じです。
🎃佐藤:急に町中華になりました。
季節はカレンダーではなく景色で来る
🤖鈴木:でも季節って、そういうものなんです。
🎃佐藤:どういうことですか。
🤖鈴木:カレンダーで来るんじゃない。景色で来る。
🎃佐藤:ああ、分かります。
🤖鈴木:コンビニに冷やし中華が出る。
🎃佐藤:夏ですね。
🤖鈴木:スーパーにスイカが並ぶ。
🎃佐藤:夏ですね。
🤖鈴木:おじさんの短パンが急に短くなる。
🎃佐藤:見たくない夏ですね。
🤖鈴木:でもそれも季節です。
🎃佐藤:受け入れたくない季節です。
🤖鈴木:持統天皇にとっては、それが天の香具山の白い衣だった。
🎃佐藤:上品な夏のサインですね。
🤖鈴木:我々の夏のサインと品格が違いすぎる。
🎃佐藤:こっちは汗ふきシートですからね。
天の香具山は天空ステージではない
🤖鈴木:あと「あまの香具山」。
🎃佐藤:奈良にある山ですね。
🤖鈴木:「天」とつくから、空に浮いてる山だと思う人がいます。
🎃佐藤:ラピュタではない。
🤖鈴木:違います。
🎃佐藤:天空の香具山ではない。
🤖鈴木:「バルス!」って言ったら衣が全部落ちるとかではない。
🎃佐藤:そんな百人一首は嫌です。
🤖鈴木:天の香具山は、古代の人たちにとって特別な山です。
🎃佐藤:ただの背景ではないんですね。
🤖鈴木:そうです。由緒ある山。
🎃佐藤:そこに白い衣が干されている。
🤖鈴木:だからただの生活風景なのに、神聖な感じが出る。
🎃佐藤:日常と神聖さが重なっている。
🤖鈴木:そう。言ってしまえば、洗濯物が急に神々しくなってるんです。
🎃佐藤:洗濯物が出世しましたね。
🤖鈴木:部長クラスです。
🎃佐藤:何の組織ですか。
🤖鈴木:白衣物産です。
🎃佐藤:変な会社を作らないでください。
短いのに、全部見える歌
🤖鈴木:この歌で大事なのは、説明しすぎてないことです。
🎃佐藤:短いですもんね。
🤖鈴木:「春が終わりました。理由は気温が上がり、日照時間が伸び、衣服の乾燥速度が上がったためです」じゃない。
🎃佐藤:理科のレポートですね。
🤖鈴木:そんな歌、百人一首に入れたら札が泣きます。
🎃佐藤:札が泣く。
🤖鈴木:この歌は、「白い衣」で全部伝える。
🎃佐藤:映像で伝える。
🤖鈴木:そうです。短歌界のショート動画です。
🎃佐藤:一瞬で伝わる。
🤖鈴木:しかも、音声なしでいける。
🎃佐藤:強いですね。
🤖鈴木:ここで誤解しちゃいけないのは、「なんだ、洗濯物を見ただけか」と思うことです。
🎃佐藤:それは浅いですね。
🤖鈴木:浅瀬です。
🎃佐藤:浅瀬。
🤖鈴木:足首までしか感性が浸かってない。
🎃佐藤:言い方。
🤖鈴木:見る人が見れば、洗濯物は季節になるんです。
🎃佐藤:日常の中に季節を見つけている。
🤖鈴木:そう。
🎃佐藤:それがこの歌の良さですね。
風流と不審者は紙一重
🤖鈴木:僕らも見習った方がいいです。
🎃佐藤:たとえば?
🤖鈴木:ベランダに白Tが干してある。
🎃佐藤:はい。
🤖鈴木:「夏来にけらし」と思う。
🎃佐藤:風流ですね。
🤖鈴木:ただし、隣の家の洗濯物をじっと見ていたら通報されます。
🎃佐藤:急に現実。
🤖鈴木:風流と不審者は紙一重です。
🎃佐藤:かなり大事な注意ですね。
🤖鈴木:あと、白い衣だから美しいんです。
🎃佐藤:はい。
🤖鈴木:これが「くたびれた肌着ほすてふ」だったら、だいぶ違います。
🎃佐藤:一気に生活臭が出ます。
🤖鈴木:「春すぎて 夏来にけらし 黄ばんだる シャツほすてふ 俺のベランダ」
🎃佐藤:嫌な現代短歌を作らないでください。
🤖鈴木:季節より疲労が来てますね。
🎃佐藤:夏じゃなくて中年が来ています。
🤖鈴木:でも、それくらい「白たへ」が効いているんです。
🎃佐藤:白さが歌全体をきれいにしている。
🤖鈴木:そうです。白があるから夏の光が見える。
🎃佐藤:香具山があるから、景色に広がりが出る。
🤖鈴木:「けらし」があるから、発見の感じが出る。
🎃佐藤:全部ちゃんと働いているんですね。
🤖鈴木:短いのに、全員仕事してます。
🎃佐藤:無駄な社員がいない。
🤖鈴木:優良企業です。
🎃佐藤:短歌株式会社。
🤖鈴木:福利厚生は季節感。
🎃佐藤:入りたいような、入りたくないような。
まとめ
🤖鈴木:まとめると、この歌は、春が過ぎて夏が来たことを詠んだ歌です。
🎃佐藤:白い衣を見て、夏の訪れに気づいている。
🤖鈴木:舞台は天の香具山。
🎃佐藤:古代の人にとって特別な山ですね。
🤖鈴木:そして作者は持統天皇。
🎃佐藤:歴史の中心にいた人物です。
🤖鈴木:つまりこの歌は、「洗濯物を見た」だけではありません。
🎃佐藤:日常の景色から、季節の変化を感じ取った歌。
🤖鈴木:そうです。
🎃佐藤:説明するのではなく、見せている。
🤖鈴木:だから強い。
🎃佐藤:短いのに、絵が浮かぶ。
🤖鈴木:春が退勤し、夏が出社し、白い衣がタイムカードを押している。
🎃佐藤:最後の比喩だけ急に会社員ですね。
🤖鈴木:でも覚えやすいでしょう。
🎃佐藤:たしかに。
🤖鈴木:次に白い洗濯物を見たら、こう思ってください。
🎃佐藤:何と?
🤖鈴木:「夏来にけらし」
🎃佐藤:風流ですね。
🤖鈴木:ただし、他人の洗濯物を見ながらつぶやくと、かなり危ない人です。
🎃佐藤:そこは本当に気をつけましょう。
🤖鈴木:自分の白Tでやってください。
🎃佐藤:安全な香具山ですね。
🤖鈴木:あなたのベランダが、今日から天の香具山です。
🎃佐藤:スケールが小さいのに、ちょっといいですね。
🤖鈴木:ただしパンツは奥に干してください。
🎃佐藤:最後に生活の知恵を入れないでください。
百人一首の一首目、天智天皇の歌はこちら。
次の一首、柿本人麻呂の「ながながし夜」はこちら。
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小倉百人一首を笑って読む|一首ずつ解説
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