感情、伴わなくていいんです~19世紀生まれの法則と、2ヶ月後に変わった世界~
引き寄せ、という言葉をよく耳にするようになった。
私はそれを、2000年代に入ってからのものだと思っていた。
しかし実は、起源は19世紀後半まで遡ることを最近知った。
自分の望むものを、現実に引き寄せる。
多くの人が、一度は関心を持ったことのある話だと思う。


たいていの場合、引き寄せというと「良いこと」を引き寄せるイメージが強い。
お金や、良縁や、チャンスといったものを。
でも、実際はそう単純ではないらしい。
引き寄せというのは、要するにエネルギーが動くということ。
そこに、良いも悪いもない。
本人の発するものが、そのまま返ってくるだけの話だ。
約3年前、私はある人からこんなことを教わった。
「良いことを引き寄せたいなら、まず自分自身のエネルギーを軽くすること」
不平、不満、愚痴、悪口。そういったネガティブな言葉は使わない。
その代わりに、ある言葉を、朝起きて一番最初に口にする。
日本語は、エネルギーが乗りやすい言葉なのだそうだ。
だから、言霊というものを意識して、気をつけて言葉を使った方がいい、とも言われた。
そして、そこにポジティブな感情が伴ってなくても構わない、というのがポイントだった。
もちろん、心が軽い状態で使うならそれに越したことはない。でも、置かれている状況が辛いとき、ポジティブになるとか、そう簡単にできることではない。
当時よく聞く「引き寄せの法則」というのは、ポジティブが命!という風潮があったように思う。
しかし、最初からポジティブな人は、そもそも引き寄せの法則なんて知らなくても、うまく回っているものだ。
うまくいっていない、自分は不運なんだと思っている人が、引き寄せの法則を学び、「ポジティブでいなくてはならない」に引っ張られすぎて、かえってうまくいかず、結局「私なんて…」になる人も多かったのではないかと考える。
当時会社員だった私は、人間関係にも業務にも、辛さを感じることが非常に多かった。
その点、「感情が伴っていなくても構わない」というのは、当時の私には救いだった。
これを教えてくれた、その人の言葉を信じることにした。
彼その人が、それを証明しているようなものだったからだ。
これは実験だ、と思うことにした。
翌日から、朝起きたら決まった言葉を口にし、不平不満や愚痴は徹底的に言わない。そう決めて、しばらく続けてみることにした。
一ヶ月が過ぎた頃。
ふと気づくと、ネガティブな言葉を、口にしたいと思わなくなっている自分がいた。
辛いことはまだあったから、時には口に出したい気持ちはあった。
でもこれは実験なんだと思って、言わないようにした。
二ヶ月が過ぎた頃。
ネガティブな言葉そのものに、拒否反応のようなものすら感じるようになっていた。
その習慣が馴染んでいくにつれて、少しずつ、いろいろなことがうまくいくようになった。
私を取り巻く環境も、良くなっていった。
出先で、うっかりラッキーなことに出会う、ということも多くなった。
運が良くなっている、と、はっきり感じられるほどに。
そうなると、気持ちも自然に軽やかになっていく。
エネルギーを軽くする実験は、ひとまず、うまくいっていた。
でも――話は、ここで終わらない。
(後編に続く)
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