技術を学ぶほど、人が見えなくなることがある
Your Best Solution代表、五木田穣です。
知識を学ぶ。
技術を磨く。
経験を積む。
専門職として、学び続けることはとても大切です。
身体のことを学ぶ。
評価を学ぶ。
アプローチを学ぶ。
解剖学、生理学、運動学、心理学、栄養学、コミュニケーション。
学べば学ぶほど、見える世界は広がっていきます。
それは間違いなく、専門職としての力になります。
けれど同時に、少し気をつけたいことがあります。
それは、
知識や技術を学ぶほど、人が見えなくなることがある
ということです。
学ぶほど、分類したくなる
知識が増えると、目の前の人を理解しやすくなります。
姿勢を見る。
動きを見る。
筋肉を見る。
関節を見る。
呼吸を見る。
症状を見る。
既往歴を見る。
もちろん、それは必要なことです。
何も見立てずに関わることはできません。
評価も、分析も、専門職にとって大切な力です。
ただ、学べば学ぶほど、私たちは無意識に目の前の人を分類しはじめます。
この姿勢なら、こう。
この痛みなら、こう。
この動きなら、こう。
このタイプなら、こう。
知識が増えるほど、
目の前の人を「わかった気」になってしまうことがあります。
でも、人はそんなに単純ではありません。
同じ姿勢でも、背景は違います。
同じ痛みでも、そこに至る流れは違います。
同じ動きの癖でも、その人の生活や感情や環境は違います。
目の前にいるのは、
「症状」ではなく、人です。
技術は、人を観るためにある
誤解してほしくないのは、
技術がいらないという話ではありません。
むしろ、技術は必要です。
知識も必要です。
評価力も必要です。
アプローチの引き出しも必要です。
けれど、それらは本来、
人を分類するためにあるのではなく、
人をより丁寧に観るためにあるものだと思うのです。
技術が増えること自体が目的になると、
いつの間にか、目の前の人よりも、技術の正しさを見てしまうことがあります。
この評価は合っているか。
このアプローチは正しいか。
この理論に当てはまるか。
この手順で進められているか。
もちろん、それも大切です。
でも、その前に問いたいことがあります。
この人は、どんな生活をしているのか。
この人は、何に困っているのか。
この人は、何を大切にしているのか。
この人は、何を我慢してきたのか。
この人は、本当はどうなりたいのか。
ここを観ないまま、技術を使うと、
どれだけ正しいアプローチでも、
その人に届かないことがあります。
症状の奥に、生活がある
痛みの奥には、生活があります。
不調の奥には、習慣があります。
姿勢の奥には、日々の過ごし方があります。
呼吸の奥には、安心できているかどうかがあります。
動きの奥には、その人の身体の使い方だけではなく、
その人の生き方がにじむことがあります。
だから、身体だけを見ていても、
その人を観ていることにはならない場合があります。
もちろん、身体を丁寧に観ることは大切です。
でも、身体はその人の一部であり、
その人の人生の表れでもあります。
どんな環境で暮らしているのか。
どんな仕事をしているのか。
どんな人間関係の中にいるのか。
どんな不安を抱えているのか。
どんな希望を持っているのか。
そこまで含めて観ようとしたとき、
はじめて「その人に合った最善」が見えてくるのだと思います。
Your Best Solutionとは、
直訳すれば「あなたに合った最善の解決方法」です。
正解を当てはめるのではなく、
その人にとっての最善を一緒に探る。
それが、大前提にあります。
技術を扱う“自分”の視点
専門職として成長していくためには、
技術を学ぶことと同じくらい、
技術を扱う自分の視点を育てることが大切です。
どんなに良い技術でも、
扱う人の視点によって、届き方は変わります。
相手を直そうとしているのか。
相手を変えようとしているのか。
相手を正そうとしているのか。
それとも、相手を理解しようとしているのか。
ここには、大きな違いがあります。
専門職は、ときに「何とかしてあげたい」という思いが強くなります。
それ自体は、とても尊いものです。
でも、その思いが強すぎると、
相手のペースを越えてしまうことがあります。
こちらの正しさを渡しすぎてしまう。
こちらの理想に近づけようとしてしまう。
こちらの見立てに相手を当てはめてしまう。
そうすると、
相手は置いていかれてしまいます。
人を支えるとは、
前に引っ張ることだけではありません。
その人の、今いる場所を理解すること。
その人が、見ている景色を想像すること。
その人の、速度を尊重すること。
そこから関わりは始まります。
人を観る。本質を観る。
Your Best Soluitonで大切にしているのは、
人を観る。
本質を観る。
という思想です。
人を観るとは、
表面に見えているものだけで判断しないということです。
症状だけで見ない。
姿勢だけで見ない。
動作だけで見ない。
年齢だけで見ない。
職業だけで見ない。
過去の経験だけで見ない。
その奥にある背景を観る。
関係性を観る。
生活を観る。
心と体と思考のつながりを観る。
そして、本質を観るとは、
その人にとって本当に必要なことは何かを問い続けることです。
今、何をすべきか。
今、何をしない方がいいのか。
今、どこまで関わるのか。
今、どこで待つのか。
今、何を手放すのか。
本質は、いつも派手ではありません。
むしろ、とても静かです。
けれど、その静かなところに、
人が変わっていくための大切な入口があります。
学び続ける専門職へ
知識を増やすこと。
技術を磨くこと。
経験を積むこと。
それらは、これからも必要です。
でも、それだけでは足りない場面があります。
なぜなら、
私たちが関わっているのは、
身体だけではなく、人だからです。
その人の生活がある。
背景がある。
関係性がある。
感情がある。
迷いがある。
願いがある。
だからこそ、専門職には、
技術だけではなく、人を観る力が必要です。
そして、その力は一度学んで終わるものではありません。
日々の現場の中で、
問い続けながら育っていくものです。
本当にこの人を観られているだろうか。
自分の正しさを押しつけていないだろうか。
この人にとっての最善は何だろうか。
今、必要なのは介入だろうか、見守ることだろうか。
技術の前に、聴くべきことはないだろうか。
そう問い続ける姿勢が、
専門職としての深さを育てていくのだと思います。
書いていきたいこと
このnoteでは、
専門職に向けて、技術や知識だけでは届かない部分を言葉にしています。
健康とは何か。
人を観るとは何か。
本質を観るとは何か。
支えるとは何か。
学び続けるとは何か。
専門職として在るとは何か。
そんな問いを、少しずつ深めていきます。
ここに書いていくことは、
すぐに使えるテクニックではないかもしれません。
けれど、現場で人と向き合い続ける専門職にとって、
土台になる視点だと思っています。
技術を学ぶことは、大切です。
でも、技術だけでは、人は観えません。
その人の背景を観る。
生活を観る。
関係性を観る。
心と体と思考のつながりを観る。
そして、その人にとっての最善を探る。
それが、Your Best Solutionが大切にしている視点です。
人を観る。
本質を観る。
そんな視点を、少しずつ言葉にしていきます。
ここから、もう少し深く
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
技術を学ぶこと。
知識を深めること。
経験を積むこと。
そのすべてを大切にしながら、
それでもなお、目の前の「人」を観ることを忘れない。
そのために必要な視点を、書いています。
今回の記事の関連記事としては、
健康の捉え方、関係性としての健康、ICFから見た人の理解なども扱っています。
さらに深く読み進めたい方には、
メンバーシップのYour Best Solution研究所も用意しています。
研究所は、単に知識を得るための場所ではありません。
現場で人と向き合う専門職が、
問い続けながら、
自分の視点を育てていく場所です。
すぐに答えが出るものではないかもしれません。
でも、目の前の人をより丁寧に観たい。
本質的に支えられる専門職でありたい。
そう感じる方にとっては、
きっと必要な学びになると思います。
まずは、気になる記事から、読んでみてください。
そして、もっと深く学びたいと思った方は、
Your Best Solution研究所も覗いてみてください。
また、次の記事でお会いしましょう。
Your Best Solution
五木田穣
