Obsidian×Claude Codeで、AIに知見を勝手に貯めさせる仕組みを作ってみた(実際の指示文も公開)動画もあるよ
先に概要から知りたい方はこの動画をご覧ください

Obsidian、入れてはみたけど
SNSを見ていると、Obsidianはいい、第二の脳になる、といった話がよく流れてきます。私もその流れに乗せられて、とりあえずインストールした側の人間です。
たしかにリンク機能は見た目のインパクトがあります。ノートとノートが線でつながって、頭の中の神経回路みたいな図ができあがる。これは頭の整理に良さそうだ…な気がする…かもしれない。

図1 ノート同士がリンクでつながった全体像(Obsidianのグラフビュー)。
見た目のインパクトは、たしかにあります!
私がそうでした。
綺麗な図は出るけれど、で、これは結局なんの役に立つんだろう、と。
以前、そこから少し抜け出したときの話を書きました。
半信半疑で始めたObsidian、AIと組ませたら勝手に育つ「第二の脳」になった話
前回は「AIにObsidianへ情報を整理してもらう」話でした。今回はその一歩先です。整理された知見を、今度はAIの側に活かす。
つまり、AIを自分色に育てていくほうの話になります。
やったことは、大したことではありません。
日本語でいくつか頼んでおいただけです。
ただ、その積み重ねの結果が、自分でも思っていたより面白いことになってきたので、そのまま書いてみます。
やったのは、AIの仕事場をVaultと同じ場所に置いただけ
私が使っているのはClaude Code(クロード・コード)というAIです。
チャットで話しかけると、パソコンの中のファイルを読んだり書いたりしてくれる相棒、くらいに思ってください。
準備と言えるようなことは、ほとんどしていません。
まずObsidianを入れて、Vault(ヴォルト)を作ります。
Vaultというのは、Obsidianのノートを全部しまっておく箱のことです。
名前は立派ですが、実体はパソコン上のただのフォルダで、中身はテキストファイルが並んでいるだけです。
そして、そのVaultと同じ場所に、AIの仕事場(プロジェクトフォルダ)を置きます。
これだけで、AIから見て「ノートの棚が手の届くところにある」状態になります。
あとはCLAUDE.mdというファイルに「ここはObsidianと連携している」と書いておきます。
CLAUDE.mdは、AIが仕事を始めるたびに最初に読む職場のルールブックのようなものです。新人さんに渡す社内マニュアル、と思えば近いと思います。
以上です。特別なツールも、プログラムを書く作業も出てきません。
使っているのはClaude Codeですが、同じ考え方はほかのAIツールでもできるのではないかと思っています。

「仕事が終わったらナレッジを書いておいて」と頼んでおく
ここからが本題です。私がAIにお願いしているのは、ざっくり言えば
「仕事が終わったら、気づいたことをノートに書いておいて」
だけです。
実際に打った指示がこれです。そのまま載せます。
Obsidian運用ですがこれからは、案件ごとや、ナレッジを個別でどんどん新規フォルダやファイルを作ってObsidian内のリンク機能を貼っていってください
本当にこれだけです。この指示の前後でお願いしていることも合わせると、要点は3つ。1つのファイルに1つのトピックだけ書くこと、詰め込むのは手順よりTipsや気づきであること、そして関係のありそうなノートにはリンクを張ること。私が意識しているのはこのくらいです。
大事なのは、これを「案件が終わったら毎回やること」としてルールブックに入れてある点です。
だから普段の私は何も言いません。ひとつ仕事が終わると、勝手にノートが1本増えている。
頼み忘れる余地がないので、続きます。
もちろん、途中で思いついて単発で頼むこともあります。
実装はまた今度で、今回のナレッジをObsidianに記録しておいてください
こうして実際に書かれたノートが、こんな感じです。

図2 AIが自分で書いたナレッジノート。
仕組みの基本構造、実際にぶつかった制約、その回避策までが、私が指示していない粒度で残っている
自分で書いたわけではないのに、読むと「そうそう、あのとき困ったやつだ」と思い出せる。
しかも、そのとき私が口頭でしか言わなかったはずの判断まで、ちゃんと文章になっています。
CLAUDE.mdは、私はほとんど書いていない
ここは意外に思われるところかもしれません。ルールブックであるCLAUDE.mdを、私はほとんど自分の手で書いていません。
日本語で「こう動いてほしい」と伝えると、AIが自分でCLAUDE.mdを書き換えてくれるからです。
たとえば、ノートの名前の付け方についてはこう頼みました。
「G:\マイドライブ\Claude Code\CLAUDE.md」に会話の最後にこの内容はObsidianに入れるべきと判断したら、適宣入れていくを記載してください、ノート名は日付やプロジェクト名ではなく、ナレッジ名で区切っていきたい
「適宣」は「適宜」の打ち間違いです。直さないまま送っていますが、問題なく通じました。この一言の結果、ルールブックにはこう書き込まれています。

図3 私の口語の頼みごとが、そのままルールの文章になっている。
「ノート名は日付やプロジェクト名ではなく、ナレッジ名で区切る」という指示が残っている
私の雑な言い方が、きちんとした文章に翻訳されて、以後ずっと守られる。これが地味に効きます。二度と同じ説明をしなくてよくなるからです。
私が自分でファイルを開くのは、AIが書いた文章を読んで「ここはちょっと違う」と直すときくらいです。
いちばん効いたのは、投稿した完成版をAIに見せること
ここが、この仕組みの心臓部だと思っています。
AIに原稿を書いてもらっても、私はそれを丸ごと投稿することはまずありません。ここはカット、ここは説明を足す、と自分の裁量で手を入れてから出します。
問題は、その「手を入れた部分」こそが私らしさそのものだ、という点です。そして普通は、その情報はどこにも残りません。AIは自分の原稿がどう直されたのかを知らないまま、次もまた同じ書き方をしてきます。
なので、投稿したあとに完成版を見せています。
伝えているのは本当にこれだけです。noteならURLをAIに送るだけです、あとはAIが、自分の書いた元原稿と実際に投稿された版を突き合わせて、何が削られ、何が足され、どこの表現が変えられたのかを分析します。
そしてその学びを、Obsidianのナレッジに書き足していきます。
反響のデータを見せたときも、流れは同じでした。
obsidianに結果をアップして、次回ノウハウを活かしましょう
そして最後にもうひとつ。
CLAUDE.mdには「仕事をするときは必ずナレッジを参照する」と入れてあります。ここで輪がつながります。
仕事をする → 学びがノートになる → 次の仕事でそのノートを読む → 出力が少しだけ自分に近づく → その差分がまた学びになる。

図4 学びが一周して戻ってくるループ。この循環が回り出すと、放っておいても差が縮んでいく
料理人にたとえると分かりやすいかもしれません。
作ってもらった料理の感想を伝えないままだと、その人は何年経っても同じ味付けで出してきます。でも毎回「今日は少し塩を減らしてみた」と伝えていれば、そのうち何も言わなくてもこちらの好みで出てくるようになる。
やっていることは、それとほとんど同じです。
気がつけば、ナレッジのノートは結構な数になっていました。
ただ、ここは正直に書いておきます。
溜まったから急に賢くなった、という劇的な瞬間はありません。
ある日いきなり自分そっくりの原稿が出てくるわけでもない。
変化はもっと地味で、直す量が少しずつ減っていく、という形で表れます。「あ、私ならそう書くな」という一文が混ざる頻度が、じわじわ上がっていく。その程度です。
でも、確実に進歩している、そういった実感はあります。
私が何かを頑張った日ではなく、ただ仕事をした日にも、勝手に1本ずつ足されていくので。
ひとつだけ、やらないと決めていること
知見そのものをCLAUDE.mdに書かない、ということです。
学んだことをどんどんルールブックに足していきたくなる気持ちは分かります。
Anthropicの公式ドキュメントには、CLAUDE.mdは1ファイル200行未満を目安にすること、長いファイルはコンテキスト(AIが一度に読み込める作業机の広さのようなもの)を多く消費し、指示の順守率を下げる、と書かれています。
トラブル対処の項目にも「CLAUDE.mdが大きすぎる」がわざわざ載っているくらいです(出典: Anthropic公式ドキュメント「How Claude remembers your project」 https://code.claude.com/docs/en/memory )。
なのでCLAUDE.mdには、前提とルールだけを置いています。公式も、CLAUDE.mdに入れるべきものはビルドコマンド・規約・プロジェクト構成・ルールだとしていて、ここは自分の運用とも一致していました。
知見のほうはObsidianに逃がして、ルールブックには「必要になったらそっちを見に行け」とだけ書いておく。この分担にしています。
ちなみに、その整理も自分ではやっていません。
ルートのCLAUDE.mdが大きくなっているので重複部分を削除して最適化してください
これを言うだけです。
補足しておくと、Claude Codeには「auto memory」という公式の機能があって、AI自身が学びを記録してくれます(既定でオン)。目的はかなり近いです。
それでも私がObsidian側に貯めているのは、人間の私も読めて、ノート同士をリンクでつなげて、他のツールからも開けるからです。
公式のauto memoryは使っているパソコンの中に保存される仕組みで、機械をまたいで共有されることはない、と説明されています。
どちらが正しいという話ではなく、私は自分も読める場所に置いておきたかった、というだけの選択です。
半年後、この子がどうなっているか
改めて振り返ると、私がやったのは、Vaultの隣にAIの仕事場を置いて、日本語で3つほど頼んだだけです。
「終わったらナレッジを書いておいて」
「投稿した完成版を見せるから分析して」
「仕事のときは必ずナレッジを見て」
技術的に難しいことは、ひとつもしていません。
面白いのは、これが「AIを賢くする仕組み」であると同時に、「自分の考えが外側に溜まっていく仕組み」でもあることです。私が判断して削った理由、直した理由が、私の頭の中ではなくノートのほうに残っていく。
半年後、この子がどうなっているのかは、正直よく分かりません。
ノートが増えすぎて、逆に読みにくくなっている可能性もあります。
そのときはまた整理を頼むだけなのですが、それはそれで、また新しいナレッジが1本増えるのだろうなと思っています。
仕組みを作ってからの私は、基本的に眺めているだけです。
みなさんは、AIにどんなルーティンを入れていますか。「うちはこう頼んでいる」というのがあれば、ぜひ教えてもらえると嬉しいです。
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・Claude Codeのエージェント組織の動きをリアルタイムで可視化するツールを作ってみた(作り方全部公開)
■ 出典
1. Anthropic公式 Claude Code ドキュメント「How Claude remembers your project」 https://code.claude.com/docs/en/memory
- CLAUDE.mdは1ファイル200行未満を目安。長いファイルはコンテキストを多く消費し順守率(adherence)を下げる
- CLAUDE.mdに入れるもの=ビルドコマンド・規約・プロジェクト構成・ルール
- トラブルシュート項目「My CLAUDE.md is too large」
- auto memory=Claude自身が学びを記録する公式機能。既定でオン。保存先はそのマシン内で、機械をまたいで共有されない
動画: Remotion
音声: VOICEVOX (音声:青山龍星)
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