2022年10月 東北縦断3⑤【湯段温泉~後生掛温泉】
前回
八戸から弘前まで2日かけ数々の浴場を巡ってきました。この日は引き続き青森の良泉に沈没しつつ、秋田の人気湯治宿へ向かいます。
10/26 青森県弘前市〜秋田県鹿角市

朝起きて窓を開けた。6:00に三味線ヴァージョンの「さくら さくら」がこれまた防災無線から爆音で流れた

この日の朝は青森の初霜初氷。レヴォーグが凍てついていた

起きてすぐ朝風呂をキメようと思っていたのだが、陽が昇るにつれてどんどん色鮮やかに変様していく岩木山から暫く目が離せなかった
朝風呂に入ったら入ったで、窓から見えたのはこの素晴らしいグラデーション。レベルの高い紅葉狩りと温泉が両立できて優れ過ぎていた


岩木山を見ながら素晴らしい朝餉の時間を過ごした。女将曰く、岩木山は赤の割合が多く黄の割合が少ないので、映え具合は白神山地の方が良いとのこと。

食堂には常にBGMが流れていた。息子さんが昔使っていたコンポを有線代わりに流用しているのだが、まさかのCD/MD(!)のハイブリッドコンポ。久々に見た

会計の際、女将と暫く言葉を交わした。
この地域の子どもは、中学まで毎年岩木山に登るらしく、小学校中学年頃までは8合目からスタート、高学年頃になるとフルで登山するのだという。
親御同行のうえ、頂上で記念撮影をするらしいのだが、息子さんが子供だった頃に登山に同伴した女将は8合目でヘロヘロになり、そこで登山拒否したと笑いながら話してくれた。
出立の時も、外作業しながら溌剌と見送りしてくれた。あのピンク作務衣で手を振る姿が、今も強く記憶に残っている。

湯段温泉を発ち、日帰り入浴の為、嶽温泉へ。こちらの「小島旅館」はもともと宿泊したかったのだが、休館日と重なってしまい投宿が叶わなかった

立ち寄ったのは「田沢旅館」。嶽温泉はここに入ろうと決めていた

食堂が併設されており、営業終了の札が掛かっていたので、とりあえず旅館側の扉を開けて声をかけた

食堂開店前ということもあり、仕込み中のスープが穏やかに音を立てていた。
テレビを見ていた受付の婆さんに湯銭(400円)を支払おうとしたが小銭が無く、5000円札でお釣りを貰おうとしたら、
「持ってる分の小銭だけでいいよ!大丈夫!!」
と、誰も居ないのに小声で言われ、流石にそれは申し訳ない、と何度か断ったのだが
「いいからいいから!ほら、大丈夫!!」
と言われ、結局持ってる分の小銭(67円)で入浴することになった。
次回訪問の際はきっちり湯銭を支払った上で、食堂で一番値段の高いラーメンを啜ろうと思います…


玄関を上がり右奥に進み、階段を下ると浴室。

既に硫黄の香りが広がる脱衣所。男女の脱衣所を隔てる壁の上に神棚らしきものがあったが、これはお山の神様なのかしら

浴室への扉を開けると、正方形の小さい浴槽が目に入る。この泉質の温泉には偶に見られる、耐硫黄成分のコーティングが浴室の床全体に施されているのだが、これが篦棒に滑る。転倒しないよう警戒しながら、波板の先の浴槽へ足を進める


窓から豊かな陽の光が降り注ぐ浴室。構造から察するに、こちらは混浴かと思われる。高い位置からドボドボ落とされる熱い硫黄泉がカーッと身体に効きます


白い泡の様な湯の花がふわふわと漂っていた。こちらの浴槽は先述の小さい正方形の浴槽より幾分熱めだった

湯が落とされているパイプもこのような具合。当然独泉でしたので、お湯のコンディションも抜群でした

分析表

湯上がりに階段を上っていくと、先程見た「浴↓場」の看板の裏にお見送りのメッセージを発見。こういうのがいい

2回言ってるのが本当に良い


嶽温泉の土産屋「岩木屋」に立ち寄り。「嶽温泉 山のホテル」の名物「マタギ飯」の素と嶽きみを購入。気温が低いのにも関わらずやたら発汗していた所為で店員の方に驚かれたので、田沢旅館で入浴した旨を説明した


岩木山神社に立ち寄り。ゆだんの宿の女将と話していても思ったが、やはり山というのは地域の人々の心の拠り所となる力が有ると感じた

見渡す限りりんご畑が広がるアップルロードを抜け、住宅街の一角にある弘前市「桜ヶ丘温泉」へ。微妙にグレーがかった硫黄の香りがする湯。ここ以外ではあまり見かけない印象の湯だった

昼は大鰐温泉もやしのラーメンを喰うと決めていた。大鰐温泉もやしを使った料理を提供している店は幾つか有り、今回はそのうちの1店である大鰐町「朝日屋 日景食堂」へ
↓以前大鰐温泉もやしを喰った時の記録

昼時ではあったが空いており、すんなり入店。車で訪問の際は、向かいの寺の駐車場を使ってよいとのこと

「大鰐温泉もやしラーメン」を頂いた。普通のもやしでは到底味わえないジャキジャキとした食感。塩ベースのさっぱりしたタンメン風な一杯は実に美味であった

3湯目は大鰐温泉「公衆浴場 若松会館」

やはり大鰐の湯、湯上がりのさっぱり爽快感は流石。何ひとつ聴き取れない地元民の会話をBGMに湯浴みを展開

脱衣所の床がじんわりと温かったが、おそらく温泉の熱でも利用しているのかしら



坂梨峠を通り、秋田県へ突入。「道の駅 かづの」にて小休憩を挟み、日没前にこの日の宿に到着。鹿角市「後生掛温泉」


受付でひととおり館内の説明を受ける。今旅初めて(というか唯一)、多くのお客さんの賑わいの中で夜を過ごした

館内は温泉熱を用いた全館床暖房で、湯上がりなどはむしろ熱いくらい。窓を開けて室温を調節する


通年1人客を受け入れているというシングルの洋室に通された。なんとも座り心地の良いソファーが設られている

17:00までにチェックインするとサービスで飲めるビールを戴く。別にサービスビールが飲みたいが為に早めに投宿したわけではない

軽くビールを煽った後は大浴場へ。

気泡がボコボコと沸き立ち上がる「火山風呂」。こちらは良い塩梅にぬるめで、一番長く入浴していた

玉川温泉にも見られた名物「箱蒸し風呂」。木箱の中に入り、首だけ出して温まる(首以外サウナ状態)。側から見ると完全にさらし首の様相を呈している

泥湯。パックの要領で泥を肌に塗りたくって入浴する。
バリエーション豊かな大浴場でまずはひととおり湯浴みを楽しんだ。泥湯で暫く遊んでいたら少し目に入って染みて、充血した目で泣く情けない独身異常男性に成り下がりました。

終浴ののち夕餉。少しずつ運ばれてくるスタイルらしかった

当然のように地酒飲み比べセットをオーダー。山本が入ってるのには思わず唸ってしまった。どれも美味い

ここから料理ラッシュ。菊と茸の白酢がけ

前菜三種盛り

サーモン紅葉造り

白身魚ミルフィーユ仕立て 鹿角りんごソース。このりんごソースが思いのほか甘味が主張していたのだが、とても白身魚とマッチしていた

きりたんぽ鍋。鹿角はきりたんぽ発祥の地とされる

比内地鶏ときのこの葛煮

牛カルビ わさびソース

きのこごはん。器はおとなり大館市の特産品「曲げわっぱ」

デザートのさつま芋プリン。良い夕餉でした

部屋呑みを実施。秋田サワーだけキメて、地ビール「ドラゴンアイスカイ」は飲んだら寝そうだったので持ち帰った

再び大浴場へ。泥湯の泥を肌に塗りたくって10分沈没→火山風呂のループに陥り、ここ最近では一番と言っても良いほどの肌のサラサラ具合となった。5日目終了
続く
