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【とんま村の物語】第16話:安心のぷるり~ん、挑戦のチャ~リン~二つのお金の役割と、アリクイ総裁の新しい役目~

🍃登場どうぶつ紹介とあらすじ

🍃前話:「 村でまわす、はじめてのベーシックインカム~毎月くばられる、暮らしのためのお金(ぷるり~ん)~

🌻解説:「地域通貨型ベーシックインカムは、どうすれば回り続けるのかー地域で使い、円が必要な支払いへつなぐ仕組みー

🐝前話+第16話サマリー

前話、とんま村では、村でまわす新しいお金―ぷるり~んが生まれました。毎月くばられ、ためこむより流れて使われる、暮らしのためのお金です。

そのおかげで、パンや修理やミルクのような、止まると困るものが前より回りやすくなり、どうぶつたちは少しだけ息をしやすくなりました。

けれど村は、すぐに次のことにも気づきます。毎日の暮らしを回すことと、未来のために大きく動くことは、同じではないということです。

そして今話。
バクは、その二つを分けて考えることが大事だと言います。
生きるためのお金と、伸びるためのお金。
とんま村はここで、その違いをはっきり分けはじめるのでした。

① 天の声

「……日曜日の夜。皆さんは、同じ『足りない』でも、明日のパンの材料が足りない夜と、これまで以上に沢山作るための大きな窯が足りない夜とでは、少し困り方が違うと考えたことはありますか。
どちらも大事ですが、たぶん同じ顔ではありません。
とんま村でも、ようやくそのへんのことが、暮らしの手ざわりとして分かりはじめました。
止めないためのお金。
伸ばすためのお金。
……今話は、そのふたつが、それぞれの守備範囲を宣言するお話です」

② パンは回る。でも、窯は別の話

ライオン
「……なんかさ。村、前よりちょっとだけ息がつける感じになってない?」

シマウマ
「うん。毎日いきなり足元が抜ける感じは、少し減った」

カモ
「はい。前は『今日これが回らなかったら、もう明日が苦しい』が多すぎましたから」

そのとき、シマウマが前足をあげました。

シマウマ
「でもね。毎日のパンは回しやすくなったけど……。新しい窯を入れて、もっとたくさん焼けるようにしたい!って話になると、ぷるり~んじゃちょっと『向き』が違う気がするんだよね」

アリクイ
(高田純次風にニヤニヤしながら)
「おーおー! ほら来た! つまり『今日ちゃんと食べる』と、『明日もっと大きくする』は、別のエンジンが要るってことだよ!」

③ バクの仕分け:消えるお金と、貯めるお金

ウサギ
「……じゃあ、ぷるり~んじゃ、新しい窯は買っちゃダメなの?」

バク
「ダメじゃないけど、難しいだろうね。ぷるり~んは本物のどんぐりを加工して作っているから、使わずに持っているといつか腐って消えちゃう。だから、みんなが立ち止まらないための『毎日の暮らし』を回すには最高なんだ」

シマウマ
「そうだね。貯めておけないから、みんなすぐパンや修理に使う。おかげで僕らも仕事が止まらない」

バク
「でも、窯を大きくするのは『未来への投資』だ。それは、ぷるり~んみたいに腐るのを前提にしたお金じゃなくて、これまで村にあったチャ~リン……つまり『貯めて、大きく動かす力』が必要なんだよ」

イグアナ
「……なるほど。流し続ける力と、溜めてぶつける力は別物、というわけですね」

④ ひとつの鍋で、全部煮るのをやめる

そこへ、帳面を抱えたアルパカが小刻みに震えながらやってきました。

アルパカ
「ひ、ひえぇぇ……。私が見るのは、シマウマさんの新しい窯とかの応援ですぅ……。窓口で個別の挑戦にお金を貸し出す役ですぅ……。失敗したらと思うと、毛が逆立ちますぅぅ……」

アリクイ総裁が調子に乗って「そう!僕がまた蛇口を……」と言いかけるのを、バクが落ち着いた声で遮ります。

バク
「……アリクイ君。君は今でも中央銀行の総裁だ。でも、以前のように自分だけで勝手にお金を動かせると思わないでほしい。君のずる賢い鼻は、これからは村のために使ってもらうよ」

アリクイ
(長い鼻をほじりながら)
「いやぁ〜、弱ったね。僕みたいに誠実さだけで生きてきた男を疑うなんて、バク君も人が悪いなぁ。……ま、いいよ! 責任重大なのは大好物なんだ。給料は、適当に高いところでよろしくね!」

バク
「(無視して)君は総裁として、村全体のぷるり〜んとチャ〜リンの量が、多すぎたり少なすぎたりしないか、その蛇口をしっかり見張るんだ。いいかい」

カメの長老
「……あ、代表です。ようやく、鍋を分けることにしたんですね」

バク
「ええ。前は同じ鍋で、朝ごはんも、大きな遠足のお弁当も、全部一緒に煮ようとしていた。生活という『弱火』でいい場所に、投資という『強火』を無理やりぶち込めば、底の方が真っ黒に焦げます」

シマウマ
「……本当だ。前は村中、焦げたにおいがしてた。返すために無理して走り続けなきゃいけない、焦げたにおいだ」

⑤ イグアナの締め実況

イグアナは岩の上で、くさりタブレットをペンで叩きながら言いました。

イグアナ
「……えー、本日のとんま村。村は本日、ようやく『生きる』と『伸ばす』を別々の鍋で煮る決心を固めたようです。
ぷるり~んは暮らしを止めない。アルパカは窓口で震えながら個別の挑戦を助け、アリクイ総裁は村を回るすべてのお金のバランスを睨む。役割分担というのは地味ですが、火加減を間違えないためには、いちばん大事なことですね。
……さて次回。椅子取りゲームを降りたどうぶつたちは、何のために働くのか。……それでは、また」

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