あなたに届けるnote|京都編④

noteを始めたことで、私は一人旅をできるようになりました。
前回の記事はこちら
今回は引き続き京都ですが、狸谷山不動院の後に訪れた
八代神社、詩仙堂丈山寺、哲学の道、三上家路地を紹介します。
これで今回の日帰り京都旅行は終了です。

👟 雨上がりの京都、一人で辿る武蔵の足跡
八大神社から哲学の道、そして路地裏の甘い出会い
狸谷山不動院を降りて、雨が止んだばかりの道を歩きました。
濡れた石畳が光っていて、空気は冷たく澄んでいます。
10月末の京都は、秋の深まりを感じる頃。
紅葉にはまだ少し早いけれど、木々の色は少しずつ変わり始めていました。
次に向かったのは、八大神社。狸谷山不動院からすぐのところにあります。

👟 八大神社で出会う、武蔵の決意
八大神社は、宮本武蔵ゆかりの神社として知られています。

1604年、21歳の武蔵がここで吉岡一門との決闘に臨む前、一瞬立ち寄ったという場所。
勝利を祈ろうとして鰐口に手を伸ばしたけれど、神仏に頼ろうとする自分の弱さに気づき、祈らずに決闘の地へ向かったという逸話が残っています。

「我れ神仏を尊んで神仏を恃(たの)まず」
この言葉が、私の心に響きました。
狸谷山不動院で武蔵之滝を見たばかりだったから、余計に。
武蔵は若い頃からずっと、心を鍛え続けていたんですね。
神様に頼るのではなく、自分の力を信じる。
その強さが、あの伝説を作ったのかもしれません。
境内には、21歳の武蔵をモチーフにしたブロンズ像が立っていました。二刀流で構える勇ましい姿。でも私には、その表情が少し不安そうにも見えました。

決闘を前にした緊張感。それでも前に進む決意。
「私も、自分を信じて前に進まなきゃ」
そう思いながら、手を合わせました。


👟 一乗寺下り松、決闘の地に立つ
八大神社の本殿の西側には、決闘当時の「下り松」の古木が御神木として祀られています。

一乗寺下り松は、古くから京都と近江を結ぶ交通の要所でした。
平安時代から続く古い街道の分岐点で、松の木が旅人の目印になっていたそうです。

武蔵が吉岡一門70人以上と戦った、まさにその場所。
今は5代目の松が植えられていて、当時の面影はありません。でも、この地に立つと、何か特別なものを感じました。
朝まだ暗いうちに、武蔵がここへ駆け下りてきた姿を想像しました。
一人で、数十人の敵を相手に。
どんな気持ちだったんだろう。
私も今、一人で京都を歩いています。
大切な人と一緒に来たかった場所を、一人で巡っています。
武蔵とは比べものにならないけれど、それでも一人で立つって、勇気がいることなんだって思いました。

👟 詩仙堂の静けさに包まれて
八大神社を後にして、少し歩くと詩仙堂が見えてきました。

詩仙堂は、江戸時代の文人・石川丈山が59歳の時に造営した山荘です。
丈山は徳川家康の家臣でしたが、33歳で武士を引退して儒学を学び、晩年は京都で静かに暮らしました。
入口には「小有洞」の門があって、そこから坂を登ると「老梅関」の門があります。
門をくぐると、別世界が広がっていました。
白砂が敷き詰められた庭園。丸く刈り込まれたサツキ。
遠景の楓はまだ緑色でしたが、秋の深まりとともに紅葉するんでしょうね。

「詩仙の間」と呼ばれる部屋には、狩野探幽が描いた中国の詩人36人の肖像画が掲げられています。

石川丈山が選んだ詩人たち。
その一人一人に意味があって、組み合わせにも意図が込められているそうです。
縁側に座って、庭を眺めました。

静かです。時折、「ししおどし」の音が響きます。
カコーン。

水が溜まった竹が跳ね返る音。この仕掛けは、石川丈山が考案したと言われています。鹿や猪の進入を防ぐための実用的なものだけど、静寂な庭のアクセントになっています。
音が鳴るたびに、時間が流れていることを思い出させてくれました。

でも、ここにいると時間が止まっているような感覚もありました。
石川丈山は、ここで31年間隠棲して、詩歌三昧の生活を送ったそうです。
90歳まで生きて、この景色を毎日眺めていたんですね。

「こういう場所で、ゆっくり本を読む時間が欲しいな」

朝活で読書をする習慣はあるけれど、こんな風に庭を眺めながら、一日中本を読む贅沢な時間。
いつか、そんな日を作りたいです。

👟 哲学の道を少しだけ歩いて
詩仙堂を出て、哲学の道まで足を伸ばしました。

哲学の道は、銀閣寺から若王子神社まで続く約1.5kmの散歩道です。
琵琶湖疎水に沿った小径で、桜や紅葉の名所として有名です。
この道の名前の由来は、哲学者の西田幾多郎が毎朝思索にふけりながら散策したことから。「人は人 吾はわれ也 とにかくに 吾行く道を 吾は行くなり」という彼の和歌の石碑が、道の途中に立っています。
私は全部は歩かず、少しだけ歩きました。

水路沿いの道は穏やかで、観光客も少なくて、静かに歩けました。
10月末だから、桜も紅葉もない時期。
でも、だからこそ落ち着いて自分と向き合える時間でした。
「人は人 吾はわれ也」
この言葉が、心に残りました。
他人と比べる必要はない。自分は自分の道を歩けばいい。
そう言われているような気がしました。

👟 三上家路地で見つけた、甘い宝物
哲学の道を少し歩いた後、京都駅に向かう前にどうしても立ち寄りたい場所がありました。
三上家路地にある、蜂蜜専門店「ドラート」です。

三上家路地は、西陣にある築130年以上の職人長屋が残る小さな路地。江戸時代から続く西陣織の職人たちが暮らしていた場所で、今は陶芸家や建築家などのアーティストが住んでいます。
細い路地の入口には「三上」の表札がかかっていて、そこから中に入ると、時代が巻き戻ったような空間が広がっていました。

レトロな長屋が並ぶ静かな路地。観光地の喧騒とは全く違う、京都の素顔を見たような気がしました。
そして、路地の左手奥にあるのが「蜂蜜専門店ドラート」。
ドアを開けると、甘い香りが漂ってきました。
店内には、色とりどりの蜂蜜が入ったガラス瓶が並んでいます。国産だけでなく、世界各国から選りすぐられた蜂蜜が40種類以上。定番のクローバーやひまわりから、アボカドやコーヒーといった変わり種まで。

「試食もできますよ」
店員さんが優しく声をかけてくれました。
いくつか試食させてもらいました。
花の種類によって、色も香りも味も全然違うんですね。
クローバーはクリーミーで優しい甘さ。
マヌカは濃厚で少しクセがある。
桜の蜂蜜は上品な甘さで、ほんのり花の香りがしました。
私が選んだのは、国産の蜂蜜。
「これを朝のコーヒーに入れて飲もう」
そう思いながら、小さな瓶を手に取りました。

noteの収益で京都に来て、こうして自分のためにお土産を買う。
この小さな贅沢が、とても嬉しかったです。

👟 京都駅へ、そして帰路
三上家路地を後にして、京都駅へ向かいました。
バスに揺られながら、今日一日のことを振り返りました。
狸谷山不動院の250段の階段。
突然降り出した雨。
八大神社の武蔵の像。
一乗寺下り松の歴史。
詩仙堂の静けさ。
哲学の道の穏やかさ。
そして三上家路地の甘い香り。
一人で巡った京都の一日。
大切な人と一緒に来たかった場所を、一人で歩きました。
寂しい気持ちもあったけれど、一人だからこそ気づけたこともたくさんありました。
自分のペースで歩くこと。
立ち止まりたい時に立ち止まること。
心の声に耳を傾けること。
京都駅に着いて、新幹線のホームに立ちました。
手には、ドラートで買った蜂蜜の小瓶。
これを持って帰って、明日の朝のコーヒーに入れよう。
そしたら、今日のことを思い出せるかな。
新幹線の窓から見える景色。
京都から東京へ向かう道のり。
「また来よう」
そう思いました。
次はどこに行こうかな。
noteを続けて、収益が得られたら、また旅行に行く。
そしてまた記事を書く。
この循環が、私の生活を豊かにしてくれています。
一人旅は寂しいけれど、自由でもあります。
そして、こうして記事にすることで、誰かに届く。
それが、私の「あなたに届けるnote」です。

訪問スポット情報
八大神社
所在地:京都市左京区一乗寺松原町1番地
参拝時間:終日可能
御朱印・授与品受付:9:00-17:00
アクセス:市バス「一乗寺下り松町」から徒歩約8分
詩仙堂丈山寺
所在地:京都市左京区一乗寺門口町27
拝観時間:9:00-16:45(閉門17:00)
拝観料:大人500円、高校生400円、小中学生200円
アクセス:市バス「一乗寺下り松町」から徒歩約6分
哲学の道
所在地:京都市左京区(銀閣寺橋から若王子橋まで約1.5km)
散策自由
アクセス:市バス「銀閣寺道」または「南禅寺永観堂前」
蜂蜜専門店ドラート(三上家路地)
所在地:京都市上京区西陣紋屋町323
営業時間:要確認(公式サイトにてご確認ください)
アクセス:市バス「今出川大宮」から徒歩約5分


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