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あなたに届けるnote|京都編③

noteを始めたことで、私は一人旅をできるようになりました。

前回の記事はこちら

今回は引き続き京都ですが、まったく混んでいないけれど、とても素敵な場所に行ってきたので紹介します。きっと、「そうだ京都に行こう」となりますよ。

👟 250段の階段と、突然の雨が教えてくれたこと

狸谷山不動院で見つけた、前を向く力

10月末の京都は、秋の気配が濃くなり始めた頃でした。

私が向かったのは、京都市左京区の一乗寺。市バス「一乗寺下り松町」で降りて、住宅街を15分ほど歩いた先に、狸谷山不動院はありました。

鳥居の前に立った時、無数のタヌキの置物が出迎えてくれます。300体以上あるというタヌキたち。その表情は一つ一つ違っていて、何だか生きているみたいでした。

「ここから、250段の階段が始まるんだ」

そう思うと、少し緊張しました。でも、ここまで来たからには登るしかない。息を整えて、一歩目を踏み出しました。

👟 99段目で出会った、最初のタヌキ

最初のうちは余裕がありました。石段はしっかりと整備されていて、両脇の木々が気持ちの良い木陰を作ってくれています。

99段目。最初のタヌキの置物が見えてきました。

スマホを取り出して、写真を撮ります。タヌキは笑っているような表情で、「頑張ってね」と応援してくれているみたいでした。

でも、この時点で既に息が上がり始めていました。普段、朝のランニングをしているから大丈夫だと思っていたけれど、階段を登るのとランニングは使う筋肉が違うんですね。

「まだ99段か...」

少し弱気になりながらも、先に進みました。

👟 126段目で、おばあちゃんに追い抜かれた瞬間

126段目。また別のタヌキがいました。
ここでも写真を撮って、少し休憩。

息を整えていると、後ろから足音が聞こえてきました。振り返ると、70代くらいのおばあちゃんが、軽やかな足取りで登ってくるじゃないですか。

「こんにちは」

おばあちゃんは笑顔で挨拶をして、私をスイスイと追い抜いていきました。その背中を見送りながら、私は思わず苦笑いしてしまいました。

「負けてられないな」

25歳の私が、年配の方に負けるわけにはいかない。そう思って、また歩き始めました。でも正直、きつかったです。休み休みで、自分のペースを保ちながら登りました。

👟 弘法大師像で、気持ちを引き締める

階段の途中、弘法大師像が安置されている場所がありました。

真言宗のお寺だから、弘法大師様がお迎えしてくださっているんですね。その凛とした佇まいを見て、何だか気持ちが引き締まりました。

「ここからが本番だな」

息を深く吸って、また登り始めました。
太ももがパンパンで、心臓がドクドクと鳴っています。
でも、不思議と苦しいだけじゃなかった。

一段一段登るたびに、何かを乗り越えているような感覚がありました。
日常の雑念が消えて、ただ登ることに集中する。
その時間が、妙に心地よかったんです。

👟 206段目、最後のタヌキに励まされて

206段目。またタヌキがいました。

もうここまで来たら、ゴールはすぐそこ。タヌキは「よく頑張ったね」と言わんばかりに、微笑んでいるように見えました。

写真を撮って、最後の力を振り絞って残りの階段を登りました。

そして、ついに本堂が見えてきました。

👟 崖に張り出す本堂の迫力

本堂は、崖の斜面に張り出すように建てられていました。懸崖造り、清水寺の舞台と同じ建築様式です。

「なんで、こんな崖に建てたんだろう」

そう思いながら見上げると、その迫力に圧倒されました。
1986年に建てられたという本堂は、まだ比較的新しいけれど、山の斜面と一体化するような佇まいで、自然と人工物の境界が曖昧になっています。

清水寺に近いものを感じました。
でも清水寺のような観光地の賑やかさはなくて、静かで神聖な空気が流れています。

この静けさが、私は好きでした。

この階段を登って、250段に達したところで、最後のたぬきが居ました。

👟 交通安全の祈り、そして想うこと

本堂の脇には、交通安全の祈願殿がありました。

狸谷山不動院は、戦後すぐに京都でいち早く自動車の交通安全祈祷を始めたお寺だそうです。今でも年間1万台近くの車が祈祷を受けているんだとか。

私は静かに手を合わせました。

交通安全。
この言葉は、私にとって特別な意味があります。

大切な人を、交通事故で失いました。
飲酒運転の車に巻き込まれて。
あの日から、私の人生は大きく変わりました。

「この景色を、一緒に見たかったな」

心の中で、そっと呟きました。

ここは本当は、二人で来たかった場所でした。
京都出身だったあなたと、いつか一緒に巡りたかった場所。
でも今は、私一人でここに立っています。

目を閉じて、祈りました。天国にいるあなたの安全を。
そして、道を行くすべての人の安全を。

👟 武蔵之滝で感じた、心を鍛える意味

本堂の近くには、武蔵之滝がありました。

宮本武蔵がここで滝行をして、不動心を体得したと伝えられている場所です。剣豪として名高い武蔵でさえ、心を鍛えるために修行をしたんですね。

滝の音を聞きながら、私は思いました。

どんなに強い人でも、心の平穏を保つことは簡単じゃない。私も新卒で入った会社で心を病んだ経験があります。あの時は毎日がしんどくて、前を向くことさえ難しかった。

でも今は、朝活や読書、noteを通じて少しずつ自分を取り戻せています。
武蔵之滝を見て、「あの時の自分、よく頑張ったね」って思えました。

👟 突然の雨と、下山の意味

本堂で手を合わせて、さあ帰ろうと思った瞬間でした。

空がみるみる暗くなって、突然、雨が降り出したんです。

「え、天気予報では晴れだったのに...」

お寺の方々も、山の天気は変わりやすいから、と仰っていました。

傘を持っていなかった私は、濡れながら階段を降りることになりました。
雨は冷たくて、でも不思議と嫌な感じはしませんでした。

まるで、何かを洗い流してくれているような雨でした。

階段を降りながら、ふと思いました。

「これは、あなたが泣いているのかな」

交通事故で亡くなったあなた。
もしかしたら、私が一人でここに来たことを、悲しんでいるのかもしれない。
「一緒に来たかったのに」って。

そう考えたら、涙が出そうになりました。
でも、泣かないように前を見て、一段一段降りていきました。

そして下山し終わった瞬間、雨が止んだんです。

「ありがとう」

思わず、空を見上げて呟きました。
あなたが見守ってくれているような気がしました。

👟 帰り道で見つけた、小さな発見

行きは余裕がなくて気づかなかったけれど、帰りは心に余裕がありました。

白龍弁財天で蠟燭を立てて、静かに手を合わせました。
弘法大師光明殿でもお参りをして、心を整えました。

行きと帰りで、同じ道でも見える景色が違うんですね。
登る時は必死で、足元しか見えていなかった。
でも降りる時は、周りの景色が目に入ってきました。

途中、斜面が崩れている場所もありました。
自然の中にあるお寺だから、こういう場所もあるんだなって実感しました。

だからこそ、年配の方でもスイスイ登れる人と、私のように苦労する人がいる。
それぞれのペースで、それぞれの登り方があるんです。

👟 狸谷山不動院が教えてくれたこと

狸谷山不動院は、交通安全だけじゃなくて、色々なご利益がある場所でした。

帰ってから調べてわかったんですが、阪神タイガースの岡田監督が選手たちを連れて訪れたこともあるそうです。
タヌキを「他抜き」として、他を抜くという意味で捉える人が増えているんだとか。スポーツや芸事の上達を願う人も多いそうです。

私にとっては、交通安全の祈りが一番の目的でした。
でも実際に訪れてみて、それ以上のものを得られた気がします。

250段の階段を登り切ったこと。
おばあちゃんに負けないように頑張ったこと。
突然の雨に濡れながら、それでも前を向いて降りてきたこと。

人生も、階段を登るようなものなのかもしれません。
きつい時もあるし、休み休みでいい。
でも一段一段、自分のペースで登っていけば、いつかは頂上に辿り着ける。

そして登った先には、きっと新しい景色が広がっている。

👟 あなたへ

この記事を読んでくれているあなたに、少しだけ伝えたいことがあります。

もしあなたが今、何か大きな壁にぶつかっているとしたら。
もし誰かを失って、悲しみの中にいるとしたら。

一人で狸谷山不動院を訪れてみてください。

250段の階段は、確かにきついです。
でも登り切った時、何かが変わるかもしれません。
突然の雨が降るかもしれないし、降らないかもしれない。
でも、その一歩一歩が、あなたを前に進ませてくれるはずです。

私はnoteを始めて、少しずつお金の余裕ができました。
そのお金で、こうして京都に来ることができました。
大切な人との約束を、一人で叶えることができました。

あなたも、きっとできます。
自分のペースで、前を向いて、一歩ずつ。

狸谷山不動院

  • 所在地:京都市左京区一乗寺松原町

  • 拝観時間:9:00-16:00

  • 入山料:500円(高校生以下無料)

  • アクセス:市バス「一乗寺下り松町」から徒歩約20分

とてもたくさん歩きますので、歩きやすい靴で行きましょう。

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ゆりっぺ
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