若手のうちに身に着けたい「忘年会/送別会幹事完全攻略マニュアル」
『すべての人の節目に、全力で一生の思い出を残せ』忘年会/送別会幹事は千載一遇のチャンスだ
忘年会や送別会の、幹事。
嫌だ。面倒、面倒だ。
なんで自分が幹事をしないといけないんだ。
社内スタッフに店選びや予約を任せておけばいいじゃないか!
忘年会?なんで日々の業務で忙しい中で、自分が仕事にキャッチアップできてない中で、わざわざ幹事をしないといけないんだ!
送別会?送別会で見送られる人とは今後仕事で関わりがなくなるんだから。今更関係構築を頑張ってもなぁ。予算内で、飲み放題の店取って送別会開けばそれでもう十分じゃないか!!!
そう感じる新入社員-若手の方は多いのではないか。
実際、筆者yuuuも電通に入社したての時は全く同じことを考えていた。
忘年会/送別会の幹事を積極的に取り組みたい方はほとんどいないはずだ。
上司からの指名で嫌々引き受ける場合が大半だろう。
忘年会幹事がやるべきことは多い。
それでも、忘年会・送別会には希望はあるのだ。
当記事では、
・ビジネス会食完全攻略マニュアル著者
・日経ビジネススクール講師
・総合商社の新入社員研修で最高評価を獲得し2年連続採用。その他プライム上場企業からスタートアップまで十数社での会食研修実績有
・専門家として今まで30以上のメディア出演の経験
を経験してきた会食専門家のyuuuが、電通で学び、磨いた「会食/忘年会/送別会ノウハウ」をもとに「忘年会・送別会」のコツや制し方をみなさんにお伝えする。
忘年会幹事の意義
社内認知向上
忘年会の幹事というだけで、参加者する方全員の社内認知を獲得できるのだ。つまり「大義名分をもって社内の方とゆるい人間関係を築ける」ことが忘年会幹事のメリットである。
忘年会後、普段仕事で関わりのない方とコミュニケーションを取る場合でも「あ、あのとき忘年会で幹事をした人か」とポジティブに話が進む場合が多い。実際、拙著「ビジネス会食完全攻略マニュアル」の担当編集であるダイヤモンド社榛村さんは、当書を担当して幹事を務めた結果、社内プレゼンスが向上したと仰っていた。
仕事機会の獲得
忘年会で素晴らしいディレクションができれば、それだけで「コイツはできるやつだ」と思われて仕事が回ってくるようになる。
さらに、幹事は参加者全員と連絡する機会ができるので、今まで話したかったがなかなか接点を持てなかった方、自分が異動したい部署の方などにコンタクトを取る絶好の機会にもなる。
「今回忘年会幹事を務めることになったyuuu です。〇〇さんと一度お話してみたいと思って、この機会にご連絡させていただきました。よろしければ一度お茶でもさせていただけませんか」と伝え、次につなげることも可能だ。
忘年会の幹事は、またとないチャンスなのだ。
忘年会で果たすべき「幹事の役割」
まず、忘年会で何をすべきか。大きくは会食セッティングと変わらない。
以下が、拙著「ビジネス会食完全攻略マニュアル」で提唱している「会食メソッド」だ。

以下記事にも要点を記載してるので、合わせて読むと理解が深まるだろう。
会食と忘年会セッティングの違いとしては「前年実績を最初に調べる」「下見の重要性が上がるため、下見は予約の前にする」「二次会タスクを忘年会の出し物に変える」といったぐらいだろうか。
忘年会対応フロー
①前年実績を調べ、忘年会の背景/目的を理解し、
②日程等や金額などのロジ周りを調整。
③忘年会を成功させるための要件をリサーチし
④上司と忘年会を盛り上げるための戦略・方向性の合意を取って
⑤忘年会会場の予約のレコを上司に出す。
⑥上司と会場の承認を取り
⑦⑧下見・予約を経て
⑨⑩忘年会の企画立案・出し物の品物を購入し
⑪当日成功させるための準備をして
⑫⑬⑭当日の司会進行を務め、つつがなく出し物を終えて
⑮終了後のアフターフォローで関係者に御礼をする
忘年会ディレクションの要諦
上記フローに加えて、以下のようなマインドセットをディレクションすればより忘年会を成功させることができるだろう。
日程調整・店選びの放置は死を招く
日程及び店選びは絶対に寝かせない。情報収集はしつつ、タスクが発生した瞬間から動き始める人数が未確定の場合は「最大人数で予約」を心がけよう。人数を減らすことは費用さえ払えば可能だが増やすのは物理的に不可能だから。
予算・傾斜は前年踏襲
忘年会の幹事になった瞬間に行うべきは「前年実績がどうだったか」だ。
予算感や企画・出し物については前年実績をベースに検討すべきである。もちろん勝ち筋が思いついたのであればフェーズ④で提案・合意を取ればいいが、そうでないのであれば前年の予算感および支払い傾斜を踏襲すべきだ。
前年の忘年会では、①参加費の徴収方法(事前・事後)②予算傾斜割合③忘年会の企画案はどうだったのかは、幹事を務めたら一呼吸で確認を取ろう。
徹底した下見
会食以上に、忘年会は徹底した下見が欠かせない。
以下が簡単なチェックリストであるが、追加で確認すべきは「企画・出し物をするスペースおよびプロジェクターがあるか」だ。
当日問題なく投影できるよう必ず下見でチェックしよう。以下が会食メソッドの下見/電話予約のチェックリストだ。

サービススタッフを味方につけよ
忘年会成功には、サービススタッフの方の力が不可欠だ。
お勧めは予約後、忘年会前に(忙しくないタイミングでの)ランチに訪問し、食事のポジティブな感想を伝えたうえで相談に乗ってもらおう。
席配置・プロジェクターの投影可否・持ち込み有無など、確認事項は多々あるはずだ。
忘年会の企画・出し物を制するコツ
忘年会の企画・出し物。これこそ最も幹事の頭を悩ませるタネであろう。
ではどういった企画を準備すればいいのか。
ここで忘年会の目的に立ち戻りたい。「仲間たちの相互理解を深め、より絆の強いチームにする」、つまりチームビルディングに資する企画こそ最も忘年会に適しているのだ。
したがって企画は、個人で完結するビンゴ大会のようなものよりも「チーム制」で取り組むものがよいだろう。たとえば、「チーム対抗でのクイズ大会」は、鉄板ではあるが、忘年会に適している。一発芸的な出し物を後輩に強いるのは時代的にもそぐわないのでやめておいたほうがいい。女性社員にダンスを強いるのも論外だ。
忘年会出し物:クイズ大会のヒント
クイズ作りの際には、次の4点を題材とすると考えやすい。
①会社関連:会社の歴史など
②部署関連:部署の平均年齢・今年一年の業績など
③社内ステークホルダー関連:各部署あるあるなど
④部署に所属する個人について:個人の趣味・意外な側面など
もちろんすべてを組み合わせてもいいのだが、私のお勧めは、社内ステークホルダー関連の理解を促進するクイズだ。たとえばこういったものだ。
クイズA:この4つの中で営業チームが特に困っていることは何か。
A:クライアントに納期交渉される
B:お客様が他社商品をすでに利用している
C:営業チーム内のリソース不足
D:商品には絶対的な自信があるのにクライアントに伝わらない
このように、営業チームならでは、マーケティングチームならではの悩みや葛藤をクイズの題材とするのだ。ちなみにクイズの解答は「全部正解」としてもOKだ。やや難易度の高いクイズ作成となるので、念のためそれぞれのステークホルダーの取りまとめ役の方に対して事前にクイズの内容を見てもらいフィードバックをもらおう。
こういったクイズを経て、それぞれのステークホルダーに対して「お互い大変ですね」「いつもあなたたちには感謝しています、ありがとう」という言葉を引き出せたら忘年会は成功となるはずだ。
以上のようなクイズお互いの業務理解が進み、今まで以上に思いやりをもって接することができるだろう。
ちなみに「部署に所属する個人に関するクイズ」については、役職が上の方の「意外な一面」を題材に選ぶと盛り上がりやすい。プライベートでの意外な側面や、上司の若手時代の失敗エピソードなどを題材にするのもいい。
ただし、題材とする個人にクイズの確認を取ることを忘れないでおきたい。確認を取らずにクイズのネタにすると、クレームに繋がることもあるからだ。場を盛り上げるために、個人のセンシティブな情報をクイズの題材にするのはやめよう。
自分が管理職であれば各課でのビジネス成果をスライドで10分ほどにまとめて発表し、全員でねぎらう時間を設けてもいいかもしれない。
自分のビジネスにフォーカスしていると、意外と横の課が何をやっているのかは知らないものだ。忘年会と部署同士の交流を兼ねるのもいいだろう。
忘年会の武器になる振り返りムービー
予算が許すようであれば、1年間を振り返るムービーを作り、忘年会の最後に流すとよい。日々目の前のビジネスに追われていると1年間があっという間に過ぎ去っていく。
ムービーを全員にプレゼントすると会場の全員が思い出に浸ることができる。きっと参加者それぞれにとって、思い出に残る忘年会になるだろう。
社内で動画制作ができる人材がいればベストだが、いなくてもWEB で「忘年会 ムービー」などで検索すればたくさんの便利ツールが出てくる。今は生成AIで簡単な動画作成も容易となったはずだ。
送別会完全攻略
送別会。嫌だ。面倒くさい。できることなら別の人に代わってもらいたい。
今まさに送別会の準備に追われており、同じようなことを考えている人もいるのではなかろうか。
そこで、送別会への向き合いを変えるきっかけとなった、電通の元上司の言葉を紹介したい。
「広告代理店の人間は礼節を重んじなくてはならない」
「礼節とは、すべての方の『節目』に全力を尽くすことだ」
「たとえ関わることがない部署に行く人でも、必ず送別会を開け。そして、この部署でお前と仕事をして最高だったと思ってもらえるように工夫をしろ。考え抜け」
「何かが返ってこなくてもいい。その人の一生の思い出に残る仕事をするのが広告人の使命だ。」
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今まで送別会は雑務だと考えていた私は、この言葉を聞いて考えが変わった。今まで個人の損得勘定で物事を考えていた自分を恥じた。もう一度、本気で送別会と向き合おうと思った。
自分と、お世話になった方の人生に最高の思い出を作るために。
不器用ながら多くの方の送別会に全力を尽くしてきた。
もちろん全てがすべてうまくいったとは思っていない。
ただ、その人の人生に思い出に残る日にしたいという気持ちを込めて。来る日も来る日も幹事に手を挙げた。
結果、人生が変わった。
仕事で困ったときに手を差し伸べてもらうだけではない。退職後であっても、お世話になった方に助けていただける機会に恵まれるようになった。
送別会を制するためには
忘年会同様、送別会も「会食メソッド」に沿った準備を進めれば問題ない。

以下2点については送別会で意識すべきポイントだ。
乾杯の発声・送別の言葉・当人の挨拶の依頼
会食は少人数なので原則必要ないが、送別会の場合は準備する必要がある。明確なレギュレーションはないが、乾杯の発声は参加している中で最も役職が高い方、締めの言葉は送られる方と最も近しい距離でビジネスをしていた方がいいだろう。心を打つエピソードを持っている方には、積極的に締めの言葉を依頼したい。
締めの言葉の後に、送られる方からも最後の言葉が欲しい。
つまり、①乾杯の発声をする方、②送別の言葉(締めの挨拶)を贈る方、③今回、送られる方の計3人には、送別会前に依頼をしておこう。当日だとバタバタしてしまうため、開催の2日前にはお願いしておきたい(話をする側の方は、安心して堂々と話せばそれでよい。長くなりすぎな
ければ大丈夫だ)。
予算の傾斜配分の事前相談
送別会の場合、経費ではなく自分たちでの支払うパターンが大抵だ。全員一律での支払いの企業もあるだろうが、日系大企業の多くではかかった費用に対して役職で傾斜をかける場合も多いだろう。送別会準備の際には、会食メソッド④ 選定基準書の作成↓上司との合意の際に、大枠の予算傾斜について相談をしておくとトラブルが少なくなる。
メッセージは異次元の力を発揮する
送別会における私のお勧めは、プレゼントと合わせてメッセージを送ることである。ビデオでも、手紙でもいい。
このメッセージを送る際に、私が心がけているのは、「逆算」だ。
メッセージは人間関係の文脈にしか存在しない。どれだけ美しい言葉を紡いだメッセージだったとしても、懇意にしていない方からもらってもさして嬉しくないはずだ。
誰から、どんなメッセージをもらうと送別される方は喜ぶだろうか。その視点で逆算をしてメッセージを考えることを勧めたい。例えばこんな方からメッセージを貰うと嬉しいのではないか。
①送別される方が「苦手だったが仲良くなりたかった」相手
②送別される方が「認められたかった」相手
心残りなく次のステージで活躍してもらうために、自分は何ができるのか。その視点でメッセージを送る人と内容を考えてみてはいかがだろうか。
最後に:忘年会・送別会はビジネスの打開策だ
「一見古臭く思われる価値観こそ、本当は見失ってはならない」。
そう考えるのは私だけだろうか。
コスパやタイパが重視される令和の時代において、「昭和的な価値観」は逆説的に差別化要因になったと考えている。
働き方改革が推進される昨今、コンサルティングファームや広告代理店をはじめとしたハードワークを厭いとわない会社でさえも労働時間が厳格に制約され、その結果、若手ビジネスパーソンはビジネススキルを実践で磨く機会を得がたくなった。
つまり、成長できると謳われる有名企業に勤めたとしても、成長機会を得られるとは限らない時代となったのだ。
では、成長機会を与えられる存在になるためにはどうすればいいか。
結論から言うと、上司とクライアントから「高く」評価されることが不可欠である。
そして、労働時間削減によってビジネススキルだけでの差別化が難しくなる中、最たる差別化要因になるのは、結局上司・クライアントとの人間的・精神的なつながりだ。
ここで、「昭和的」ともいわれる会食・飲み会スキルが極めて効果的に働く。もちろん、送別会での頑張りもだ。
コロナ禍を経ても、会食・飲み会の場は消えなかった。周囲が真似できないほどの「堅牢な人間関係」を構築するために、すべての食事会は、人間にとって不可欠なものなのだ。
会食・飲み会こそ、自分の素を理解してもらい、ギャップを埋めるうってつけの機会だ。
昭和的価値観を戦略的に取り入れるメリットは、この点にある。
だからこそ、あえて会食をはじめとした昭和的コミュニケーションを取ることを強く推奨したい。
昭和的コミュニケーションは、成長機会の獲得はもちろんのこと、自分が社会で本当にやりたい仕事にたどり着くための『進行手形』となり得るからだ。
一見古くさく、雑務のように思える会食やその他食事会・忘年会や送別会でも、あなたの工夫次第で「参加者全員が一生忘れない最高の思い出」に変わる。
忘年会や送別会を通じ、みなさんの人生に彩をもたらすことができることを祈念している。
拙著「ビジネス会食 完全攻略マニュアル」の紹介
当記事は拙著「ビジネス会食完全攻略マニュアル」の忘年会/送別会部分を中心に抜粋、リライトしている。当記事は書籍エッセンスのほんの一部であるため、「送別会/忘年会設定に向けたより実務的なメソッド」を完璧に体得した方はぜひ書籍を読んでいただきたい。
この一冊であなたは、会食/忘年会/送別会を武器にできはず。
[書籍特典]
◎珠玉の会食店リスト 全国400店超収録
◎困った時の”ハズさない店”リスト 全国400店超収録
◎手土産/プレゼントリスト 厳選10品超収録
筆者その他執筆note
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