ぶるたろ。1770~仏蘭西骨牌虚実交々~(1)Bourgeois Tarotの仲間たち
前回の記事はこちら。
そろそろBourgeois Tarot(ブルジョア・タロット)にすこしづつ触れてまいります。
(0)の記事でも書きましたが、今回はおさらいが強めです。
これがBourgeois Tarot
こちらがBourgeois Tarotの大アルカナのカード12番「舞踏」になります。

※ちなみに、ご存知のタロットカードの12番は「吊るされた男」です。
Bourgeois Tarotはカードゲームが遊びやすいようなデザインに変化しているので、
・上下に数字が書かれている
・中央の絵の描画が二分割されている
・上下どちら向きでも、上半分は正しい向きに見える
工夫をしています。
従来のタロットの絵は縦長なので、中央二分割になると途中で省いてしまうか左右に大きく空白をもって表示されます。
しかし、それはあまり格好いいものではないでしょう。
結局、改めて描き直すのですが……遊ぶため、あるいは、売るためなら別のデザインでも構わないのです。
さらに、Bourgeois Tarotが登場する数十年前にはフランス革命がありました。
時代が進んで、好みや趣向も多様になりました。
ということで、カードゲームをたしなみそうなBourgeois(ブルジョア:中産階級)に向けたのかそんな意図があったか分かりませんが、ブルジョアの生活風景をベースにした絵画を取り入れたようです。
そして、小アルカナ(数字と絵札)のスートは通常のタロットの棒(ワンド)、剣(ソード)、杯(カップ)、金貨(ペンタクル)ではなく、トランプでおなじみのフランス式(♤♢♡♧)で、ほぼトランプと同じと言って差し支えないデザインになります。
Bourgeois Tarotの仲間
以前の記事でも書きましたが、Bourgeois Tarot(ブルジョア・タロット)にはTarot nouveau(タロット・ヌーボー)など複数の呼び方や、様々なデザインでの呼称があります。
まず、各言語版のWikipediaで項目があるものを並べてみます。
英語版:Bourgeois Tarot(ブルジョア・タロット)
ドイツ語版:Bourgeois Tarot(ブルジョア・タロット)
カタロニア語版:Bourgeois Tarot(ブルジョア・タロット)
フランス語版:Tarot nouveau(タロット・ヌーボー)
ポルトガル語版:Triunfo novo(トリウンフォ・ノーボー)
ロシア語版:Таро Нуво(タロ・ヌボ)
中国語版:新塔罗牌(シンタールオハイ)
6言語ありましたが、半々に分かれています。
実はもう1言語(オランダ語)もありますが、本文が少なかったのであえて割愛しました。
ちなみに項目はTarot Nouveauになります。
そのほかの呼称にEncyclopedic Tarot(エンサイクロペディック・タロット:百科事典タロット)があります。
Bourgeois Tarotは通常のタロット同じく1パック78枚ですが、その前身に当たるものは小アルカナの枚数が少ない54枚1パックのものがありました。
Black Forest Pack(ブラック・フォレスト・パック)は、カードゲームCego(セゴ)を遊ぶために作られたタロットになります。
以前の記事でCego(セゴ)について書いたものがあるので参照してみてください。
Cegoとほぼ同じ時期につくられたものにIndustrie und Glück(インダストリー・ウント・グリュック:産業と幸福)があります。
当初54枚1パックでしたが、現在でも製造されているものは78枚1パックのものもあります。

Bourgeois Tarotの大アルカナの数字はアラビア数字ですが、Industrie und Glückはローマ数字になっています。
さらに年代が古いものだと、1740年頃から登場したAnimal Tarot(動物タロット)があります。
当初のAnimal Tarotの大アルカナは、中央は1枚絵で上下に数字が書かれています。

中央のカードは、動物と言いつつ人間が描かれていますけどね。
中央の絵が二分割されるのは1800年前後ではないかと推測されています。
下のカードは1820年ころに製造されたといわれるAdler Cego(アルダー・セゴ)パックです。

締め
ということで、Bourgeois Tarotとその仲間について書きました。
さらに調べるとなにかでてくるかも知れませんが、その都度記事にしたいと思います。
次回からは数回をかけてBourgeois Tarotの大アルカナ22枚を何枚かセットにして鑑賞してみようと思います。
では。
