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カンヌ女優賞受賞のヴィルジニー・エフィラが来日 岡本多緒との絆と「サンローラン」の魅力を語る

PROFILE: ヴィルジニー・エフィラ/俳優

ヴィルジニー・エフィラ/俳優
PROFILE: 1977年5月5日生まれ、ベルギー出身。ブリュッセルの演劇学校INSAS(国立高等舞台芸術学校)と王立音楽院で演技を学ぶ。98年、ベルギーの子ども向け番組の司会者としてテレビデビュー。2000年代に入りテレビを中心にキャリアを重ね、10年にコメディ映画に出演。その後も幅広いジャンルの映画で活躍し、複数の作品でセザール賞主演女優賞にノミネートされるなど、フランスを代表する俳優の一人となる。パリ同時多発テロを題材にした「パリの記憶」(22年)では、第48回セザール賞最優秀女優賞を受賞した PHOTO : DAISUKE TAKEDA

第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で女優賞を受賞した、ベルギー出身の俳優ヴィルジニー・エフィラ(Virginie Efira)が来日した。数日前に、濱口竜介監督作「急に具合が悪くなる」で、共演したTAOこと岡本多緒とともに同賞を受賞したばかり。アンバサダーを務める「サンローラン(SAINT LAURENT)」のシングルジャケットにクロップドパンツを合わせた、ブランドらしいエレガントなテーラードスタイルをまとった彼女は、日本語でチャーミングに挨拶してくれた。受賞の瞬間、岡本との絆、濱口監督の現場で得た経験、そして俳優としての彼女に寄り添う「サンローラン」の存在について聞いた。

WWD:女優賞受賞の瞬間、とても驚かれていたような表情が印象的でした。どんな思いでしたか。

ヴィルジニー・エフィラ(以下、エフィラ):驚きました。自分の名前が呼ばれたことは分かっていたけれど、「間違いじゃない?」「おかしくない?」って。まさか自分が受賞するとは思っていなかったので、受け止めるまでにとても時間がかかりました。

ただ、何よりうれしかったのは、この作品が賞を獲ったことです。コンペティション部門公式出品作品24本の中で、賞はたった8本。その中で濱口監督の作品が評価された。それだけで勝利だと思いました。私はこれまでセザール賞もいただいていますが、その前後で自分が大きく変わったという感覚はありませんでした。でも今回は日本にも来ていますし、今後は国際的な映画のオファーにつながるかもしれない。そういう意味で、今回は「何かが変わった」と感じています。とても特別な経験です。

WWD:共演した岡本多緒さんは、どのような方ですか。

エフィラ:彼女は本当に素晴らしい人です。たぐいまれな力とパワーを持っている一方で、自信を持つまでは繊細な部分もある。とても良い仲間で、人の話に耳を傾け、自己中心的なところがなく、周囲と分かち合うことのできる人です。

会った瞬間から気が合いましたし、この経験をずっと一緒に歩んできました。映画の中の彼女を見ると、撮影中に一緒に過ごした時間が思い出されます。映画も撮影もいつか終わりますが、その時間は記憶の中に残り続ける。この作品が持つ感動の力は、私たちの絆から生まれているのだと思います。

WWD:今回の日本作品への参加、そして岡本さんとの出会いは、どのような転機になりましたか。

エフィラ:女優としても、人間としても、多くの点で私の人生を変えてくれました。それは濱口さんとの出会いによるものだと思います。彼の仕事のスタイル、他者への眼差し、そしてユートピアのようなものを現場に存在させる力。映画の中にも描かれていますが、私たちはそれを実際に生きていました。撮影には多くの世代の人たちが関わっていて、それぞれが自分の仕事をしながら、相手の話に耳を傾けていた。善意がみんなに行き渡り、循環しているような現場でした。

自分たちがやっていること、考えていること、演出を信じることができた。この映画には、存在に関わる大切なことが描かれています。死と生きる喜びが同時にあり、とても親近感を覚える作品です。多緒と私の出会いも、ある意味でドキュメンタリーのように映画の中に刻まれている。すべてが変わりました。このような賞をいただくことも想像していませんでしたし、この撮影での体験は決して忘れられません。

「サンローラン」の服はいつでも自然体でいられる

WWD:今回の映画祭では、「急に具合が悪くなる」のレッドカーペットに加え、映画「パラレル・テイルズ(Parallel Tales)」や「アンノウン(The Unknown)」のプレミア、そしてクロージングセレモニーにも出席され、アンバサダーを務める「サンローラン」のウエアを着用されていました。

エフィラ:私は長い間「サンローラン」と仕事をしていて、とても幸運だと思っています。ブランドそのものも、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)の仕事も深く尊敬しています。彼の服はとても厳格で、同時にとてもフランス的。ただ着飾るためだけのものではなく、実用性もある。着る人を自由にしてくれる服なんです。夜遅くまで着ていても自然体でいられて、美しく見せてくれる。パリのエレガンスを表す、最高のファッションだと思います。

WWD:最後に作品の見どころと、日本のファンへのメッセージをお願いします。

エフィラ:この作品は、生きていることの大切さという本質を届けてくれる映画です。今はとても絶望的な時代ですが、その中で希望へ向かうことはまれであり、とても素晴らしいことだと思います。2人の女性の出会いを通して、互いを大切にし、ケアし合うことが描かれています。友情によって、人の存在や物事がどのように変わり得るのか。そのことを感じてもらえる映画だと思います。ぜひ楽しみにしていてください。

「急に具合が悪くなる」は6月19日から、TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー予定。
TRANSLATION : SEIKO TAKANO

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