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日本工業規格

JIS

B 2801-1996

シャックル

Shackles

1. 適用範囲 この規格は,ワイヤロープなどに用いるシャックルについて規定する。

備考1. ISO 2415に規定するシャックルは,附属書による。

2. この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 0148 巻上機用語

JIS B 0205 メートル並目ねじ

JIS B 0207 メートル細目ねじ

JIS B 0209 メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差

JIS B 0211 メートル細目ねじの許容限界寸法及び公差

JIS B 0251 メートル並目ねじ用限界ゲージ

JIS B 0252 メートル細目ねじ用限界ゲージ

JIS B 1181 六角ナット

JIS B 1351 割りピン

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材

JIS G 3505 軟鋼線材

JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材

JIS G 4105 クロムモリブデン鋼鋼材

JIS G 4303 ステンレス鋼棒

JIS H 0401 溶融亜鉛めっき試験方法

JIS Z 2243 ブリネル硬さ試験方法

JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験方法

JIS Z 8601 標準数

3. この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 2415 : 1987 Forged shackles for general lifting purposes−Dee shackles and bow shackles

2. 用語の定義 この規格に用いる主なる用語の定義は,JIS B 0148による。

3. 種類,形式及び等級

(1) 種類 種類はシャックル本体の形状によってバウシャックルとストレートシャックルとする。

(2) 形式 形式は,シャックル本体とシャックルボルト又はシャックルピンとの組合せによって,表1の

とおり区分する(図1参照)。

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2

B 2801-1996

表1 種類及び形式

種類

ボルト又はピン

形式記号

ボルト又はピンの止め方

丸せん(割りピン使用)

六角ボルト

ナット(割りピン使用)

アイボルト

ねじ込み

アイボルト

ねじ込み

平頭ピン

丸せん(割りピン使用)

六角ボルト

ナット(割りピン使用)

アイボルト

ねじ込み

アイボルト

ねじ込み

シャックル

本体の記号

形状

記号

平頭ピン

バウシャックル

ストレートシャックル

図1 形式

(3) 等級 シャックルの等級は,等級M,等級S,等級T,及び等級Vとする。

4. 性能 シャックルの性能は,次による。

(1) 使用荷重 シャックルの使用荷重は,表2による。

表2 使用荷重

単位 t

呼び

等級M

バウシャックル

等級S

ストレートシャックル

等級V

バウシャッ ストレート バウシャッ ストレート バウシャッ ストレート

クル

等級T

シャックル クル

シャックル クル

シャックル

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B 2801-1996

単位 t

呼び

等級M

バウシャックル

等級S

ストレートシャックル

シャックル クル

シャックル

シャックル クル

等級V

バウシャッ ストレート バウシャッ ストレート バウシャッ ストレート

クル

等級T

備考 ( ) の付けてない数値は,JIS Z 8601に規定する標準数による。

(2) プルーフロード シャックルは,表2に規定する使用荷重に相当する力の2倍のプルーフロードを加

えた状態で,異状が生じてはならない。プルーフロードを加え,負荷を除いた後にシャックル本体,

シャックルピン又はシャックルボルトなどに永久変形があってはならない。

(3) 静的強さ シャックルは,表2に規定する使用荷重に相当する力の5倍以上の引張荷重に耐えなけれ

ばならない。

5. 形状・寸法 形状及び寸法は,次による。

(1) シャックル本体,シャックルピン,ボルト,ナットの形状及び寸法は図2〜9による。ただし,d,d1,

t,d3,B,L及びL1の寸法許容差は,表3による。

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4

B 2801-1996

表3 寸法許容差

単位 mm

寸法

寸法の区分

寸法許容差

51以上

25以下

26以上38以下

40以上

15以下

17以上62以下

65以上

(呼び)16以下

(呼び)18以上

+5%(最大5)

(2) 形式BA,BB,SA及びSBに使用する割りピンは,JIS B 1351の規定による。

(3) ねじは,JIS B 0205又はJIS B 0207の規定によって,その精度は,JIS B 0209の3級又はJIS B 0211

の3級とする。

備考 dの寸法測定箇所は,頭部の下の位置とする。

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5

B 2801-1996

図2 バウシャックルの本体の形状・寸法

単位 mm

呼び

ねじの呼び

(参考)計算質量 (kg)

備考 計算質量は,ピン又はボルト,ナットを含むもので,参考として示す。

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B 2801-1996

図3 ストレートシャックルの本体の形状・寸法

単位 mm

呼び

ねじの呼び

(参考)計算質量 (kg)

備考 計算質量は,ピン又はボルト,ナットを含むもので,参考として示す。

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7

B 2801-1996

図4 形式BDシャックルの本体の形状・寸法

単位 mm

呼び

ねじの呼び

(参考)

計算質量

備考 計算質量は,ピン又はボルト,ナットを含むもので,参考として示す。

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B 2801-1996

図5 形式SDシャックルの本体の形状・寸法

単位 mm

呼び

ねじの呼び

(参考)

計算質量

備考 計算質量は,ピン又はボルト,ナットを含むもので,参考として示す。

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9

B 2801-1996

図6 形式BA・SAシャックルのピン及び丸栓の形状・寸法

単位 mm

呼び

割りピン

穴径

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B 2801-1996

図7 形式BB・SBシャックルの六角ボルト及び六角ナットの形状・寸法

単位 mm

呼び

ねじの呼び

割りピン

穴径

注(1) m1及びSの寸法は,JIS B 1181の附属書(ISO 4032〜4036及びISO 8673〜8675によらない六角ナッ

ト)による。

備考 bは有効ねじ部の長さとし,xは不完全ねじ部の長さで約2山とする。

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11

B 2801-1996

図8 形式BC・SCシャックルのアイボルトの形状・寸法

単位 mm

呼び

ねじの呼び

備考 sは有効ねじ部の長さとし,xは不完全ねじ部の長さで約2山とする。

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B 2801-1996

図9 形式BD・SDシャックルのアイボルトの形状・寸法

単位 mm

呼び

ねじの呼び

備考 sは有効ねじ部の長さとし,xは不完全ねじ部の長さで約2山とする。

6. 外観 シャックルの表面は,滑らかで,有害なひび,割れ,きずなどの欠点があってはならない。

7. 材料 シャックルの材料は,表4に示すもの,又は品質がこれらと同等以上のものによる。

表4 材料

部品名

シャックル本体,シャックルピン,ボルト

ナット

割りピン

丸栓

材料

① JIS G 4051のS25C又はJIS G 4105のSCM435

② キルド鋼で,りんの含有量0.035%以下,硫黄の含有量0.035%以下

③ JIS G 4303のSUS304,SUS316(等級M)

JIS G 3101のSS400

JIS G 4051のS35C(T級,V級)

JIS G 4303のSUS304,SUS316(等級M)

JIS G 3505のSWRM6〜17

JIS G 4303のSUS304

JIS G 3101のSS400

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13

B 2801-1996

8. 製造方法 シャックルの製造方法は,次による。

(1) シャックル本体は,鍛造によって形成し,等級S,T及びVの本体穴は機械加工を行う。

(2) シャックルボルト及びシャックルピンは,塑性加工若しくは機械加工,又はこれらの組合せ加工によ

る。

(3) シャックル本体,シャックルボルト及びシャックルピンは,適切な熱処理を施さなければならない。

9. 検査 シャックルの検査は,次による。ただし,ロット検査における抜取方式は,受渡当事者間の協

定による。

(1) 荷重検査 プルーフロードを加え4.(2)の規定に適合しなければならない。また,静的強さは,4.(3)の

規定に適合しなければならない。

(2) 形状・寸法検査 5.の規定に適合しなければならない。ただし,ねじ精度は,JIS B 0251又は,JIS B 0252

の規定若しくはこれに代わるねじ測定器具によって行う。

(3) 外観検査 目視によって行い,6.の規定に適合しなければならない。

なお,亜鉛めっきしたものについて,特にめっきの均一性を調べる必要がある場合は,JIS H 0401

の規定による硫酸銅試験を行う。ただし,この場合の浸せき回数は,受渡当事者間の協定による。

10. 製品の呼び方 シャックルの呼び方は,規格番号又は規格の名称,等級,形式,呼び及び使用荷重に

よる。

例1. JIS B 2801 等級M SB22 3.15

例2. シャックル 等級T BB26 8t

11. 表示 シャックルには見やすい箇所に,次の事項を表示しなければならない。

(1) 使用荷重

(2) 等級

(3) 製造業者名又はその略号

使用荷重,等級の表示の例

2t M:使用荷重2t,等級M

(4) 製造ロット番号又は略号

備考1. シャックル本体,シャックルピン及びボルトに表示する。ただし,シャックルピン及びボル

トについては,等級・製造業者名又はその略号のほかは,省略してもよい。

2. シャックルの性能を,損なわないように表示しなければならない。

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B 2801-1996

附属書 ISO 2415に規定するシャックル

1. 適用範囲 この附属書は,ISO 2415に規定するシャックル(以下,シャックルという。)について規

定する。

2. 種類及び等級 シャックルの種類及び等級は,次による。

(1) 種類 種類は,シャックル本体の形状によって,バウシャックル (bow shackles) (B), 及びデーシャッ

クル (dee shackles) (D) とする。

(2) 等級 等級は,等級M (4),等級S (6) 及び等級T (8) とする。

3. 機械的性質 シャックルの機械的性質は,次による。

(1) 使用荷重 使用荷重は,附属書表1による。

(2) プルーフロード シャックルは,附属書表1に規定するプルーフロードを加えた状態で異状が生じて

はならない。プルーフロードを加え,負荷を除いた後に,シャックル本体,シャックルピンなどに永

久変形があってはならない。

附属書表1 使用荷重・プルーフロード・静的強さ

使用荷重

プルーフロード

静的強さkN

使用荷重

プルーフロード

静的強さkN

0.63以下

0.8 以下

1 以下

1.25以下

1.6 以下

2 以下

2.5 以下

3.2 以下

4 以下

5 以下

6.3 以下

25以上

32以上

40以上

50以上

63以上

80以上

100以上

125以上

160以上

200以上

250以上

10 以下

12.5 以下

16 以下

20 以下

25 以下

32 以下

40 以下

50 以下

63 以下

80 以下

100 以下

400以上

500以上

630以上

800以上

1 000以上

1 250以上

1 600以上

2 000以上

2 500以上

3 200以上

4 000以上

320以上

以下

(3) 静的強さ シャックルは,附属書表1に規定する静的強さに適合しなければならない。

(4) 疲れ強さ 使用荷重10t以下のシャックルは,最小値 (3kN) 〜最大値(プルーフロードの0.75倍)の

引張荷重で,周波数は5から25Hzの間による部分片振り疲れ試験を行ったとき,繰り返し数10 000

回に耐えなければならない。

4. 形状・寸法 シャックルの形状・寸法は,附属書図1及び附属書図2による。

備考 ねじ穴径又は穴径の許容差は附属書表2による。

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B 2801-1996

附属書図1 バウシャックル (B) の形状・寸法

使用荷重t

最大

最大

0.63 以下

0.8 以下

以下

1.25 以下

1.6 以下

以下

2.5 以下

3.15 以下

以下

以下

6.3 以下

以下

10 以下

12.5 以下

16 以下

20 以下

25 以下

31.5 以下

40 以下

50 以下

63 以下

80 以下

100 以下

0.63 以下

0.8 以下

以下

1.25 以下

1.6 以下

以下

2.5 以下

3.15 以下

以下

以下

6.3 以下

以下

10 以下

12.5 以下

16 以下

20 以下

25 以下

31.5 以下

40 以下

50 以下

63 以下

80 以下

100 以下

0.63 以下 9

0.8 以下 10

以下 11.2

1.25 以下 12.5

1.6 以下 14

以下 16

2.5 以下 18

3.15 以下 20

以下 22.4

以下 25

6.3 以下 28

以下 31.5

10 以下 35.5

12.5 以下 40

16 以下 45

20 以下 50

25 以下 56

31.5 以下 63

40 以下 71

50 以下 80

63 以下 90

最大

最小

最小

最小

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B 2801-1996

附属書図2 デーシャックル (D) の形状・寸法

使用荷重t

0.63 以下

0.8 以下

以下

1.25 以下

1.6 以下

以下

2.5 以下

3.15 以下

以下

以下

6.3 以下

以下

10 以下

12.5 以下

16 以下

20 以下

25 以下

31.5 以下

40 以下

50 以下

63 以下

80 以下

100 以下

0.63 以下

0.8 以下

以下

1.25以下

1.6 以下

以下

2.5 以下

3.15以下

以下

以下

6.3 以下

以下

10 以下

12.5 以下

16 以下

20 以下

25 以下

31.5 以下

40 以下

50 以下

63 以下

80 以下

100 以下

最大

最大

0.63 以下 8

0.8 以下 9

以下 10

1.25 以下 11.2

1.6 以下 12.5

以下 14

2.5 以下 16

3.15 以下 18

以下 20

以下 22.4

6.3 以下 25

以下 28

10 以下 31.5

12.5 以下 35.5

16 以下 40

20 以下 45

25 以下 50

31.5 以下 56

40 以下 63

50 以下 71

63 以下 80

最大

最小

最小

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B 2801-1996

附属書表2 ねじ穴径又は穴径の許容差

単位 mm

ねじ下穴径又は穴径の区分

20以下

許容差

20を超え45以下

45を超え

附属書図1及び附属書図2のシャックルピンは,例示である。シャックルピンの種類・形状・寸法は,

附属書表3及び附属書図3による。

附属書表3 シャックルピンの種類

形式

形状

止め方

W形

アイボルト

ねじ込み

X形

六角ボルト

ナット(割りピン使用)

Y形

すりわり付きボルト

ねじ込み

Z形

その他

附属書図3 シャックルピン(例)

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B 2801-1996

附属書図3 (続き)

備考 寸法記号は,附属書図1及び附属書図2による。

5. 外観 シャックルの表面は,滑らかで,有害なひび,割れ,きずなどの欠点があってはならない。

6. 材料

6.1

等級M (4) シャックル 等級M (4) のシャックルの材料は,P及びSの含有量が附属書表4による

キルド鋼で,シャックルの機械的性質を満足するものでなければならない。

附属書表4 等級M (4) シャックルのP・S含有量

化学成分

最大含有量%

溶鋼分析

6.2

製品分析

等級S (6) シャックル及び等級T (8) シャックル 等級S (6) シャックル及び等級T (8) シャックル

の材料は,次による。

(1) シャックルの材料は,P及びSの含有量が附属書表5によるキルド鋼で,シャックルの機械的性質を

満足するものでなければならない。

附属書表5 等級S (6) シャックル及び等級T (8) シャックルの材料のP・S含有量

化学成分

最大含有量%

溶鋼分析

製品分析

(2) 等級S (6) のシャックル本体の材料は,合金成分としてNi,Cr,Mo,Mnの中の少なくとも1成分を

含有していなければならない。

(3) 等級S (6) のシャックルピンの材料は,合金成分としてNi,Cr,Moの中の少なくとも1成分を含有

していなければならない。

(4) 等級T (8) のシャックルの材料は,合金成分としてNi,Cr,Moの中の少なくとも2成分を含有して

いなければならない。

7. 製造方法 シャックルの製造方法は,次による。

7.1

シャックル本体及びシャックルピンなど

(1) シャックル本体は,溶接せずに,一体型に鍛造しなければならない。シャックル本体の2個の穴は,

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B 2801-1996

互いに軸方向で一致し,その中心はアイの外径の中心に一致しなければならない。

(2) シャックルピンは,鍛造によって,必要に応じて棒材に機械加工を行って仕上げるか,又は購入者と

製造業者との協議によって,鍛造して,適切に仕上げるものとする。ピンのねじ部は,主要部分と同

心とする。ピンのカラー又はヘッド部分は,シャックル本体にしっかりと取り付けられなければなら

ない。

ねじ付きピンを最後まで締めるとき,シャックルのあごの間に見えるねじ部の長さは,1山を超え

てはならない(W形及びY形のピンの場合など。)。

(3) ボルトの平行部長さは,ナットをボルトにねじ込んだ場合に平行部がシャックル本体ではなく,ボル

トの肩部にはまる程度の長さとする(X形のピンの場合など。)。

(4) シャックルピンを正しくシャックルの本体に取り付けるには,あご幅Wを著しく狭めてはならない。

(5) 完成品のシャックル本体及びピンには,割れなどの有害な表面欠陥があってはならない。

7.2

熱処理 シャックルは,鍛造後,適切な熱処理を施さなければならない。

(1) 等級T (8) シャックルは,焼入後,400℃以上で焼戻しを行わなければならない。

(2) 熱処理したシャックルの硬さは,JIS Z 2243又はJIS Z 2245に規定する硬さ試験方法で,附属書図1

及び附属書図2に規定する硬さ試験の位置で試験して,附属書表6の規定に適合しなければならない。

附属書表6 硬さ

等級

硬さ

217以下

300以下

17以下

32以下

380以下

41以下

8. ねじ山 特に他の規定がない限り,ねじ山はISO 261又はISO 263に適合するものとし,6g/6Hクラ

ス(中級はめあい)のものであること。

ねじ山に替わる形式のものも,シャックルの強さを損なうことがなければ使用してもよい。

9. 形式試験

9.1

概要 形式試験は,製造業者がこの国際規格の規定に適合していることを証明したシャックルが,

この国際規格に規定した機械的性質を満足することを示すものである。この試験の目的は,種々の大きさ

のシャックルの完成品について,保護塗装を行った場合は,それも含めて,設計,材料,熱理及び製造方

法を分析することにある。保護塗装を行った場合はそれも含めて,3.に規定した機械的性質の変更を招く

可能性のある設計,材料の仕様,熱処理,製造方法の変更又は正常の製作公差の範囲を超える寸法の変更

があった場合は,その変更後のシャックルについて,9.2〜9.4に規定した形式試験の実施が必要となる。

形式試験を行うシャックルはすべて,この国際規格に規定する他のあらゆる項目も遵守していなければ

ならない。寸法の異なるシャックルについて,保護塗装を行った場合はそれも含めて,その設計,材料,

熱処理及び製造方法ごとに9.2〜9.4に規定する試験を実施しなければならない。

9.2〜9.4に規定する試験は,シャックル本体の最頂部には,直径がシャックルピンの実直径に満たない

試験用引張取付け金具を使用し,シャックルピンの中央部には,幅がピンの実直径未満の試験用引張取付

け金具を使用して,衝撃力を与えることなく,軸方向に引張力を加えなければならない。

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20

B 2801-1996

9.2

変形試験 変形試験は,3個の試料を試験する。各試料は,附属書表1に規定するプルーフロードに

耐えなければならない。

プルーフロードを負荷後に引張力を除いた後,シャックルピンには永久変形が生じることがなく,緩め

た後には,自由に回転できなければならない。シャックルピン上のポンチマークと最頂部の間で測定した,

実測寸法S又は類似の寸法は,0.25%又は0.5mmのいずれか大きい方を超えてはならない。

備考 シャックルピンのプルーフロード試験については,必要があれば,10.を参照のこと。

9.3

9.3.1

静的強さ試験

使用荷重63t以下のシャックル

備考 この試験は,変形試験を行ったものと,同一のシャックルについて実施する場合がある。

静的強さ試験は,3個の試料を試験する。各試料は少なくとも附属書表1に規定するシャックルの静的

強さの最低値に相当する静的強さがなければならない。

シャックル本体及びシャックルピンは,シャックルが静的強さを保持しきれなくなるまでは,破断又は

変形を生じることなく,加えられた力に耐えられなければならない。

9.3.2

使用荷重63tを超えるシャックル 63tを超える使用荷重のシャックルについては,このようなシ

ャックルが,9.3.1に従って試験を行った使用荷重が63t以下のものと同じ幾何学的設計であり,それ以外

の項目でも同じであれば,計算によって検証してもよい。設計方法の一例を附属書Annex(設計の覚え書)

に記載する。

9.4

疲れ試験[等級S (6) 及びT (8),使用荷重10t以下のシャックル] 10t以下の使用荷重のシャック

ルは,疲れ試験を行わなければならない。疲れ試験は,3個の試料を試験する。

疲れ試験サイクル中に加わる引張力の範囲は,附属書表1に規定するシャックルのプルーフロードの

0.75倍とする。サイクルの最小引張力は3kN以下とする。周波数は5〜25Hzの間とする。試験を行った試

料は,上記の規定範囲の引張力を10 000サイクル加えても,荷重の保持不能に陥ることなく,その力に耐

えなければならない。

9.5

9.5.1

形式試験についての受入れ基準

変形試験(9.2を参照。) 形式試験を行った寸法のシャックルが,この国際規格に適合するために

は,試験を行った3個の試料のいずれもが,変形試験に合格しなければならない。

9.5.2

静的強さ試験及び疲れ試験(9.3及び9.4を参照。) 3個の試料すべてが試験に合格すれば,形式

試験を行った寸法のシャックルについては,国際規格に適合している。

試料の中の1個が不合格となった場合,さらに2個の試料を試験して,形式試験を行った寸法のシャッ

クルがこの国際規格に適合するためには,この2個の試料が,試験に合格しなければならない。

3個の試料のうち2個又は3個とも,試験に不合格となった場合は,形式試験を行った寸法のシャック

ルは,この国際規格に不適合である。

10. 保証試験

10.1 購入者から要求があった場合,又は,国内規制基準によって必要となった場合は,完成品の各シャ

ックル(保護塗装を行った場合はそれも含めて,製造,熱処理及び機械加工後)について,シャックルピ

ンの実測直径より大きくない直径の試験用引張取付け金具を用いて,シャックルの最頂部及びシャックル

ピンの中央部に附属書表1に規定する適切なプルーフロードを加えなければならない。

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10.2 プルーフロードを除いた後,シャックルピンには永久変形が生じることなく,緩めた後には,自由

に回転できなければならない。シャックルピン上のポンチマークと最頂部の間で測定した実測寸法S又は

類似の寸法が,0.25%又は0.5mmのいずれか大きい方を超えてはならない。

11. 製造業者の証明書

11.1 9.に規定する形式試験で満足のいく結果を得た場合は,製造業者は保護塗装を行った場合はそれも含

めて,試験を行ったシャックルと,同一の公称諸元,寸法,材料,熱処理及び製造方法であるシャックル

に対する適合証明書を発行してもよい。

製造業者は,形式検査に合格したシャックルについて,最新の適合証明書を発行後,少なくとも10年間

は材料仕様書,熱処理,寸法,試験結果及びこのシャックルに関連するあらゆるデータに関する記録を保

管しなければならない。この記録には,後続の生産に適用しなければならない製造仕様書も含まれるもの

とする。

3.に規定した機械的性質の変更を招く可能性のある材料の仕様,保護塗装を行った場合はそれも含めた

製造方法の変更,熱処理,又は正常の製作公差の範囲を超える寸法の変更は,設計変更とみなす。設計変

更について,適合証明書を発行する許可を得る前に,9.に規定する試験が必要である。

11.2 購入者が要求した場合,製造業者又は供給業者はシャックルの出荷ごとに,次の情報を記載した証

明書を提出しなければならない。

(1) 等級を表す文字,M (4),S (6) 又はT (8)

(2) 材料の詳細

(3) 出荷品の中の,特定のシャックル又はシャックルのバッチを識別するための識別番号

(4) 負荷したプルーフロード(10.を参照。)

備考 この情報は,プルーフロードを負荷したシャックルにだけ適用する。

(5) 使用荷重

証明書は各シャックルが,この国際規格に適合しており,形式試験したシャックルの製造業者による仕

様を満足していることを宣言するものである。適切であれば,各シャックルに10.の規定に従ってプルーフ

ロードを負荷し,その後十分な資格をもつ人物が審査したことも,証明書に記載する。さらに,試験機関

の名称及び住所,並びに署名人の身分も明記しなければならない。

12. 製品の呼び方 シャックルの呼び方は,規格の名称,国際規格番号,等級,シャックルの種類・シャ

ックルピンの形式及び使用荷重による。

例1. シャックルISO 2415-M-DW20又は,シャックルISO 2415-4-DW20

例2. シャックルISO 2415-T-BX10又は,シャックルISO 2415-8-BX10

13. 表示 シャックルは,見やすい箇所に,次の事項を表示しなければならない。

(1) 製造業者名又はその略号

(2) 等級,M (4),S (6) 又はT (8)

(3) 使用荷重

(4) その他

シャックルピンには,(1),(2)又は(4)を表示しなければならない。

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附属書 Annex

設計の覚え書

A.1 使用荷重が63tを超えるシャックルは,この附属書によって,計算で静的強さを検証してもよい。

A.2 シャックル本体の計算式は,次による。

1

WLL

×

r

3

r

×

w

d

=

36

f

9

S

ここに,

デーシャックルは

d: シャックル本体の直径 (mm)

WLL: 使用荷重 (t)

r: バウの内側半径 (mm)

f: 附属書表7の引張応力 (MPa)

w: シャックルの内幅 (mm)

S: シャックルの内長さ (mm)

2r=w

附属書表7 引張応力f

単位 MPa

種類

等級M (4)

引張応力f

等級S (6)

等級T (8)

デーシャックル

バウシャックル

シャックルの寸法は,次の計算式による。

S

+

5.2

r

D

2

6

.

5

≦wr

0

.

5

1

≦wd

4.0

.0

75

ここに, D: シャックルピンの直径 (mm)

A.3 シャックルピンの計算は,次による。

1

WLL

(

w

+

d

)

3

D

=

29

4.

f

ここに,fは,

等級M (4) : 400MPa

等級 S (6) : 630MPa

等級 T (8) : 800MPa

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A.4 シャックル本体のd寸法が25mm未満の場合は,シャックルピンの直径は,附属書図4の補正係数に

よって,補正する。

附属書図4 d<25mmにおける,シャックルピン直径の補正係数

関連規格 JIS G 0565 鉄鋼材料の磁粉探傷試験方法及び磁粉模様の分類

JIS Z 2343 浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類

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参考1 シャックルの使用基準

この参考は,シャックルの使用基準について記述するものであり,本体の規定に関連する事柄を補足す

るもので,規定の一部ではない。

(1) シャックルに表示された等級,使用荷重などを確認してから使用する。

(2) シャックルは必ず使用荷重以下の荷重で使用する。

(3) シャックルのボルト・ナット及びピンは正規のものを使用する。

(4) アークストライクが起こる使い方をしてはならない。

(5) シャックルを他の部材に溶接して使用してはならない。

(6) 永久変形したシャックルを使用してはならない。

(7) シャックルの取付け及び荷重は,一般に参考1図1のように縦方向に荷重がかかるように使用する。

参考1図1 シャックルの使用方法

(8) 形式BB,SBのシャックルについて,斜めのつり角度をつけて使用する場合には,引張り角度に応じ

て参考1図2に示す減少率によって,使用荷重を減少させて使用することができる。

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参考1図2 引張り角度による使用荷重減少率(形式BB,SB)

(9) ボルト・ナット及び丸栓を使用する形式のシャックルは,必ず割りピンを用いなければならない。

(10) シャックルに取り付けたワイヤロープが移動する可能性がある場合には,ボルトの回転を防止するた

めに,参考1図3のように,常にボルト側にワイヤロープの固定端を取り付け,移動する可能性のあ

るワイヤロープは,シャックル本体側に取り付けて使用する。

参考1図3 移動するワイヤロープの取付方法

(11) シャックルのボルト又は,ピンに縦方向荷重を超える荷重が作用する使い方をしてはならない。具体

例を参考1図4に示す。

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参考1図4 使用禁止の具体例

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参考2 シャックルの点検基準

この参考は,シャックルの点検基準について記述するものであり,本体の規定に関連する事柄を補足す

るもので,規定の一部ではない。

1. 点検の種類

(1) 使用中の点検としては,作業開始前点検,毎月1回以上の月例点検を実施する。

(2) シャックルは,定期的に目視点検,又は探傷を行いきずの有無を点検する。

2. 点検箇所はシャックル本体,ボルト・ナット及び全体形状とする。

3. 作業開始前の点検項目

(1) 目視して明らかに変形していないか(本体・ピン・ボルト)シャックル本体の変形によって,ボルト・

ナット若しくはアイボルトが完全に装着できず,割りピンが取り付けられないものはないか。

(2) きずの有無

(3) ボルトのねじ山がつぶれて,装着しにくいものはないか。

(4) 等級,使用荷重などが確認できているか。

(5) シャックル本体とボルト・ナット及びピンが正規のものか,確認する。

4. 月例の点検項目

(1) 本体の点検は,参考2図1に示す部分の寸法が元の寸法と比較して,永久変形が生じているものは使

用してはならない。

参考2図1 本体寸法測定部

(2) ボルト及びナット取付部が参考2図2に示す,すきまδが生じてナット及び割りピンが完全に装着でき

ないものは,使用してはならない。

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参考2図2 シャックルの変形(一例)

(3) 当たりきず,溝状の深い切りきず・亀裂がないか点検し,疑わしいものは,JIS G 0565又はJIS Z 2343

によって探きずなどを行って点検し,有害なきずが見つかったものは使用してはならない。

(4) シャックル本体が5%以上摩耗したものは使用してはならない。

また,ボルト穴にボルトを入れて著しいガタがあったり,ねじのつぶれによって装着しにくいもの

は,使用してはならない。

(5) 目視してボルトが摩耗していないか点検し,摩耗の著しいものは,ノギスなどで測定し,元の寸法と

比較して,摩耗率5%以上のものを使用してはならない。

(6) アークストライクの有無を点検して,アークストライクのあるものは使用してはならない。

(7) 目視,又はハンマーで軽くたたき,さびがないかを点検し,使用上有害なさびなどがある場合には,

使用してはならない。

(8) 等級,使用荷重の表示が明りょうか,確かめる。

5. 探傷を実施したシャックルについては,管理台帳を作成し,検査日,場所,検査結果を記録すること。

6. 月例点検の結果,合格品に対しては,参考2表1のように識別表示を行うこと。

参考2表1 識別表示の例

点検月

識別の色彩

白色

黄色

緑色

7. 点検記録用紙の一例を参考2表2に示す。

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参考2表2

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シャックルJIS改正原案作成委員会の構成表

(委員長)

(事務局)

氏名

○ 金 武 典 夫

所属

金属技術研究所

藤 野 達 夫

通商産業省機械情報産業局

前 川 武 也

工業技術院標準部

露 木 保

労働省労働基準局安全衛生部

中 西 忠 雄

防衛庁装備局

加 山 英 男

財団法人日本規格協会

梁 瀬 仁

社団法人日本パレット協会

福 田 侑 二

社団法人日本クレーン協会

木 田 宏

財団法人日本船舶標準協会

本 橋 憲 二

日本鋼管株式会社

腰 越 勝 輝

大成建設株式会社

生 形 覚

社団法人自動車技術会(日産ディーゼル株式会社)

岡 崎 克 行

石川島播磨重工業株式会社

○ 小 島 康 弘

株式会社キトー

○ 松 本 邦 夫

株式会社日立製作所

相 馬 庸 三

日本通運株式会社

○ 津 田 和 則

象印チエンブロック株式会社

○ 羽 田 年 幸

関西工業株式会社

○ 山 近

大洋製器工業株式会社

○ 川 島 利 広

イーグル・クランプ株式会社

○ 鍋 谷 純 一

昭和機械商事株式会社

○ 村 上 一 雄

豊鐵工株式会社

○ 加 藤

社団法人日本産業機械工業会

備考 ○印は、分科会委員を兼ねる。