2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

E 1001 : 2001

まえがき

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本鉄道施設協会 (JRCEA)/財団

法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによってJIS E 1001 : 1988

は改正され,この規格に置き換えられる。

(1)

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

日本工業規格

JIS

E 1001 : 2001

鉄道−線路用語

Railway−Permanent way vocabulary

序文 この規格は,1976年に制定され,1988年に改正されて今日に至っている。今回の改正に当たっては,

その後の技術の進歩に伴って新しく生まれた用語や使用しなくなった用語を取捨し,また,定義を修正す

るとともに,“旧JIS Z 8301 : 1990(規格票の様式)参考3(日本工業規格における用語規格のまとめ方)”

及び“ISO/IEC Directives Part 3 Rules for the structure and drafting of International Standards”を参考として作

成した。

1. 適用範囲 この規格は,鉄道の線路に関する主な用語について規定する。

2. 引用規格 この規格における引用規格は,次による。

JIS E 1101 普通レール及び分岐器類用特殊レール

JIS E 1108 犬くぎ

JIS E 1110 炭素鋼製タイプレート

JIS E 1111 アンチクリーパ

JIS E 1117 緩衝用軌道パッド

JIS E 1122 中継レール

JIS E 1126 伸縮継目

JIS E 1311 鉄道−分岐器類用語

JIS E 4001 鉄道車両用語

3. 分類 用語の分類は,次による。

a) 線路一般

b) 軌道構造及び材料

c) 検査

d) 保線作業

e) 保線機械器具

f)

軌道強度

4. 用語,定義及び対応英語 用語,定義及び対応英語の表記は,次による。

備考1. 用語の下に( )で示したものは,読み方である。

2. 用語で( )を付けた漢字は常用漢字外であり,用語には含めない。

3. 対応英語(参考)で,(英),(米)を付したものは,英米両国での呼び方である。

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2

E 1001 : 2001

a) 線路一般

番号

用語

線路

軌道

本線

側線

分岐器

(ぶんぎき)

軌間

標準軌

定義

列車又は車両を走らせるための通路であって,軌道及びこ

れを支持するために必要な路盤,構造物を包含する地帯

(特に紛らわしいときには,鉄道線路とする。)。

施工基面上の道床(スラブを含む),軌きょう及び直接これ

らに付帯する施設。

列車の運転に常用される線路。

本線でない線路。

一つの軌道を二つ以上の軌道に分ける軌道構造[JIS E

1311参照]。

対応英語(参考)

siding(英),

side track(米)

軌道中心線が直線である区間におけるレール面上から下

方の所定距離以内における左右レール頭部間の最短距離。

1 435mmの軌間。

gauge(英),

gage(米)

広軌

狭軌

線路閉鎖

標準軌より広い軌間。

標準軌より狭い軌間。

路盤

施工基面

(せこうきめん)

建築限界

軌道を支えるための構造物。土路盤やコンクリート路盤な

どがある。

路盤の高さの基準面。

車両限界

線路などの保守及び工事のため,その区間に列車又は車両

の進入を抑止する措置。

建造物の構築を制限した軌道上の限界。

軌道中心間隔

土工定規

車両が直線及び曲線の軌道上に停止しているとき,車両の

どの部分も超えてはならない左右・上下の限界[JIS E 4001

参照]。

並行して敷設された2軌道の中心線間の距離。

路盤の形状・寸法を規定した断面図。

カント

曲線部における,外側レールと内側レールとの高低差。

スラック

曲線部において軌間を拡大する量。

反向曲線

方向が相反する曲線が,近接又は連続する線形。

cant(英),

superelevation(米)

複心曲線

緩和曲線

半径が異なる同一方向の曲線が連続する線形。

縦曲線

(じゅうきょくせ

ん)

安全側線

車止め

線路諸標

直線と曲線との間などに設けられ,半径,カント,スラッ

クが連続的に変化する曲線。

こう配変更箇所に設けられる鉛直面内の曲線。

停車場で,列車又は車両が逸走して衝突などの事故が生じ

ることを防止するために設ける側線。

列車又は車両が過走又は逸走するのを防止するために,軌

道の終端に設ける設備。

線路の維持,管理及び保守上必要な各種の標識類の総称。

距離標,こう配標,曲線標,逓減標などがある。

buffer stop(英),

car stop(米)

b) 軌道構造及び材料

番号

用語

軌きょう

定義

レールとまくらぎとを,はしご状に組み立てたもの。

対応英語(参考)

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3

E 1001 : 2001

バラスト軌道

スラブ軌道

直結軌道

道床バラスト(砕石,ふるい砂利など)を用いた軌道。

コンクリートのスラブを用いた軌道。

レール

定尺レール

ロングレール

車輪を直接支持,誘導する部材[JIS E 1101参照]。

標準長さのレール[JIS E 1101参照]。

200m以上の長さのレール。

中継レール

異種のレールの接続に用いるレール[JIS E 1122参照]。

ガードレール

レール継目

脱線防止又は脱線した車両の軌道外への逸走防止などを

目的として,本線レールに沿って敷設する設備の総称。脱

線防止レール,脱線防止ガード,安全レールなどがある。

レールとレールの接続部。

レール継目部の前後のレール間のすきま。

レール遊間

(−ゆうかん)

絶縁継目

軌道回路の絶縁箇所に使用するレール継目(接着剤で結合

したものを接着絶縁継目と呼ぶ)。

伸縮継目

ロングレールの端部に敷設して,レールの伸縮を許容する

継目[JIS E 1126参照]。

犬くぎ

レール又はタイプレートを,まくらぎに打ち込んで止める

くぎ[JIS E 1108参照]。

タイプレート

レールとまくらぎ,スラブなどの間に入れる締着用鋼板

[JIS E 1110参照]。

base plate(英),

tie plate(米)

アンチクリーパ

レール締結装置

軌道パッド

レールのふく進を抑制するためにレールに取り付ける金

具[JIS E 1111参照]。

レールを,まくらぎ,スラブなどに締着する装置の総称。 rail fastening

レールとタイプレートの間,タイプレートとまくらぎの間

などに挿入する弾性体[JIS E 1117参照]。

可変パッド

スラブ軌道などで,微小なレール面高さを任意に整正する

ためのパッキン。

まくらぎ

チョック

はさみ木

レールを支え,荷重を道床などに分布させる部材。使用目

sleeper(英),

的によって並まくらぎ,橋まくらぎ,分岐まくらぎ,短ま

tie(米)

くらぎ,縦まくらぎなど,また,材質によって木まくらぎ,

PCまくらぎ,鉄まくらぎ,合成まくらぎなどがある。

曲線部のレールの小返りなどを防止するために,レールの

外側に取り付ける部材。

寒冷地で道床バラストの凍上によって生じた水準,高低の

不整を直すため,レールとまくらぎの間に挿入する板材。 shim

道床

砕石

ふるい砂利

道床厚

(どうしょうあつ)

道床肩幅

舗装軌道

レール溶接

レールを鋼橋,コンクリート版,スラブなどに直接締結し

た軌道。まくらぎ直結軌道を含む。

レール又はまくらぎを支持し,荷重を路盤に分布する軌道

の部分。バラスト,コンクリートなどを用いたものがある。

石材を砕いて,所定の粒度に整えた道床材料。

天然砂利をふるい分けて,所定の粒度に整えた道床材料と

しての砂利。

レール直下のまくらぎ下面での道床の厚さ。曲線部でカン

トのある場合は内軌レール直下での厚さ。

まくらぎ端から道床のり(法)肩(のりかた)までの距離。 ballast shoulder width

バラスト軌道において,バラスト中にアスファルトなどを

注入して表面を舗装した構造の軌道。

ロングレール化などのため,レールを溶接すること(溶接

種別としては,ガス圧接,フラッシュバット溶接,エンク

ローズドアーク溶接,テルミット溶接がある)。

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4

E 1001 : 2001

c) 検査

番号

用語

定義

対応英語(参考)

保線

軌道狂い

鉄道線路を保守する業務の総称。

軌間狂い

水準狂い

所定の軌間に対する差位。

高低狂い

左右レールの高さの差。カントがある場合は設定カント量

との差。

レールの長手方向の上下の変位。

通り狂い

複合狂い

平面性狂い

軌道狂い指数

レールの長手方向の左右の変位。

水準狂いと通り狂いが逆位相で存在する軌道狂い。

一定区間における水準の変化量。

一定区間の軌道狂いの状態を表す指数。

路盤又は道床内の石粉,土砂などが水と混ざって道床表面

に噴き出る現象。

継目部のレール頭頂面の落ち込み。

レール継目部の前後のレールの左右方向の折れ。

噴泥

(ふんでい)

継目落ち

継目折れ

レール小返り

レールふく進

レール伸縮

車輪荷重によってレールが傾く現象。

レールが長手方向へ移動する現象。

レールが温度の変化によって伸び縮みする現象。

レール波状摩耗

レール損傷

レール頭頂面の長手方向に波形に発生する摩耗。

レールフロー

レール頭頂部が列車荷重によって塑性変形して,レール頭

側面又は端面にはみ出したもの。

レールシェリング

レール損傷のうち,レールと車輪とのころがり接触疲労に

よってレール頭部に生じるきず。

軌道の軌間,水準,通り,高低などの狂いの総称。列車荷

重が作用していないときのものを静的狂い,列車荷重が作

用しているときのものを動的狂いと呼ぶ。

列車及び車両の通過に伴い生じるレールのきず又は折損

{破端,横裂(おうれつ),縦裂(じゅうれつ),水平裂,

空転きずなどがある}。

d) 保線作業

番号

用語

定義

対応英語(参考)

保守間合

レール矯正

レール探傷

レール削正

ロングレールの設定温度,伸縮継目の位置などを適正にす

るために,レール締結装置を緩め,所定の状態にして再締

結すること。

レールのきずの有無や大小を測定すること。

レール頭頂面や側面の凹凸を滑らかに削ること。

レール振替

敷設してある左右のレールを入れ替えること。

曲線整正

軌道こう上

曲線の曲率の不整を直すこと。

道床つき固め

まくらぎ下の道床バラストをつき固めること。連続的なも

のを総つき固め,部分的なものをむら直しと呼ぶ。

道床ふるい分け

道床バラストをふるい分けて,その中に混入している土砂

ロングレール設定

保守作業などのために,あらかじめ列車ダイヤ上に設定さ

れた列車と列車の間の時間。

レールに生じた縦又は横方向の曲がりを直すこと。

道床厚増加などによって,レール面の高さを高くするこ

と。

rail transferring(英),

rail transposing(米)

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5

E 1001 : 2001

道床整理

を取り除くこと。

道床の断面形状を所定の形に整えること。

e) 保線機械器具

番号

用語

定義

対応英語(参考)

軌道検測車

走行しながら軌道狂いなどを連続的に測定する車両。

横取装置

標準ゲージ

レール交換機

分岐器を用いないで,工事用車両などを他の軌道に移動さ

せる場合に用いる設備。

軌間と水準とを測定する器具。

レール山越器

レール切断機

レール加熱器

レール緊張器

ロングレール敷設又は設定替の際,レールに所定の伸張量

を与えるための器具。

遊間整正器

レール遊間を整正する器具。ねじ式,油圧式,衝撃式があ

る。

ボルト緊解機

まくらぎ交換機

タイタンパ

締結ボルトなどを締めたり,緩めたりする動力レンチ。

まくらぎを取り替える機械。

道床バラストをつき固める手持ち式の機械。

道床バラストを連続してつき固める大型機械。

バラスト道床の表面を締め固める機械。

マルチプルタイタ

ンパ

道床締め固め機

レールを取り替える機械。けん(牽)引式と自走式とがあ

る。

レールをつり上げ移動させるための器具。主としてレール

交換に用いられる。

レールをと(砥)石で切断する機械。

ロングレール敷設又は設定替の際,レールを所定の設定温

度にするための加熱器具。

バラストレギュレ

ータ

バラスト道床の形状を整正する機械。バラストのかき上

げ,かき込み,かきなら(均)し及び転圧機能を具備して

いる。

バラストスイーパ

バラスト軌道の道床表面,まくらぎ上面及びレール締結部

のバラストを整理する機械。

道床交換機

道床バラストを取り替える機械。掘削機と新,旧バラスト

積載車とを併結した編成式のものと,掘削機能だけのもの

とがある。

軌陸車

軌道モータカー

トロ

軌道上及び一般道路を走行できる保線作業用車。

軌道上を自走できる巡回又は器材運搬用の車。

ジャッキ

軌きょうこう上などに用いる器具。大型のものをトラック

ジャッキ,小型のものをレールジャッキ又は豆ジャッキと

呼ぶ。

f)

軌道上を手押し又は軌道モータカーに連結して,器材運搬

に用いる4輪車。

軌道強度

番号

用語

道床抵抗力

定義

対応英語(参考)

レール設定温度

レール軸力

バラスト道床中のまくらぎが水平移動するときに生じる

抵抗力。軌道と直角方向のものを横抵抗力,軌道方向のも

のを縦抵抗力と呼ぶ。

ロングレールを敷設緊締したときのレール温度。

レール内に蓄積されるレールの長手方向の力。

座屈強度

通過トン数

軸重

軌道が座屈(張出しともいう。)に耐える強度。

ある区間を通過した車両の累積トン数。

一軸における左右輪重の和[JIS E 4001参照]。

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6

E 1001 : 2001

輪重

横圧

(おうあつ)

脱線係数

軌道に及ぼす各車輪ごとの垂直方向の力[JIS E 4001参

照]。

車輪とレールとの間に働く車軸方向の力[JIS E 4001参

照]。

脱線に対する走行安全性の評価指標で,横圧を輪重で除し

た値[JIS E 4001参照]。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

7

E 1001 : 2001

JIS E 1001改正原案作成委員会 構成表

氏名

(委員長)

(分科会委員長)

(分科会委員)

(事務局)

内 田 雅 夫

所属

財団法人鉄道総合研究所軌道技術開発推進部

○* 高 井 秀 之

財団法人鉄道総合研究所軌道技術開発推進部

穐 山 貞 治

経済産業省産業技術環境局

白 取 健 治

国土交通省鉄道局

橋 本 進

財団法人日本規格協会

高 野 裕 一

東日本旅客鉄道株式会社設備部

近 藤 邦 弘

東海旅客鉄道株式会社技術本部

山 本 章 義

西日本旅客鉄道株式会社施設部

○* 岩 佐 誠

小田急鉄道株式会社工務部

廉 林 光 夫

南海電鉄株式会社工務部

高 野 厚 義

鉄友工業株式会社

古 川 雅 昭

株式会社ミツテック

上 田 隆 三

日本機械保線株式会社

渡 邊 和 義

興和化成株式会社

池 川 澄 夫

工業技術院標準部

綱 島 和 憲

国土交通省鉄道局

阿 部 則 次

財団法人鉄道総合技術研究所軌道技術開発推進部

小山内 政 廣

東日本旅客鉄道株式会社設備部

風 間 豊

東海旅客鉄道株式会社技術本部

武 上 康 介

西日本旅客鉄道株式会社施設部

森 下 正

社団法人日本鉄道施設協会

柿 澤 實

社団法人日本鉄道施設協会

備考 ○:本委員会,分科会兼務の委員を示す。

*:WG委員を示す。