K 9103:2020

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1 適用範囲························································································································· 1

2 引用規格························································································································· 1

3 種類······························································································································· 2

4 性質······························································································································· 2

4.1 性状 ···························································································································· 2

4.2 定性方法 ······················································································································ 2

5 品質······························································································································· 3

6 試験方法························································································································· 3

6.1 一般事項 ······················································································································ 3

6.2 純度(C5H10N2O3)········································································································· 3

6.3 水溶状 ························································································································· 4

6.4 pH(20 g/L,25 ℃) ······································································································· 5

6.5 比旋光度[]20

α ················································································································ 5

D

6.6 乾燥減量(105 ℃) ········································································································ 6

6.7 強熱残分(硫酸塩) ······································································································· 6

6.8 塩化物(Cl) ················································································································ 7

6.9 硫酸塩(SO4) ·············································································································· 7

6.10 鉛(Pb)及び鉄(Fe) ·································································································· 8

6.11 ひ素(As) ·················································································································· 9

6.12 他のアミノ酸 ·············································································································· 10

7 容器······························································································································ 12

8 表示······························································································································ 12

(1)

K 9103:2020

まえがき

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人

日本試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を

改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格で

ある。これによって,JIS K 9103:1995は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,令和2年8月19日までの間は,産業標準化法第30条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ

ーク表示認証において,JIS K 9103:1995を適用してもよい。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(2)

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日本産業規格

JIS

K 9103:2020

L(+)-グルタミン(試薬)

L(+)-Glutamine (Reagent)

C5H10N2O3 FW:146.14

1

適用範囲

この規格は,試薬として用いるL(+)-グルタミンについて規定する。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS H 6201 化学分析用白金るつぼ

JIS K 0050 化学分析方法通則

JIS K 0063 化学製品の旋光度測定方法

JIS K 0068 化学製品の水分測定方法

JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則

JIS K 0115 吸光光度分析通則

JIS K 0117 赤外分光分析通則

JIS K 0121 原子吸光分析通則

JIS K 0970 ピストン式ピペット

JIS K 1107 窒素

JIS K 8001 試薬試験方法通則

JIS K 8012 亜鉛(試薬)

JIS K 8034 アセトン(試薬)

JIS K 8042 アニリン(試薬)

JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)

JIS K 8136 塩化すず(II)二水和物(試薬)

JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬)

JIS K 8180 塩酸(試薬)

JIS K 8223 過塩素酸(試薬)

JIS K 8264 ぎ酸(試薬)

JIS K 8355 酢酸(試薬)

JIS K 8374 酢酸鉛(II)三水和物(試薬)

2

K 9103:2020

JIS K 8541 硝酸(試薬)

JIS K 8550 硝酸銀(試薬)

JIS K 8580 すず(試薬)

JIS K 8777 ピリジン(試薬)

JIS K 8810 1-ブタノール(試薬)

JIS K 8870 ニンヒドリン(試薬)

JIS K 8886 無水酢酸(試薬)

JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)

JIS K 8951 硫酸(試薬)

JIS K 9047 L-グルタミン酸(試薬)

JIS K 9512 N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀(試薬)

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)

JIS R 1301 化学分析用磁器るつぼ

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具

JIS Z 0701 包装用シリカゲル乾燥剤

JIS Z 8802 pH測定方法

3

種類

種類は,特級とする。

4

性質

4.1

性状

L(+)-グルタミンは,白い結晶又は結晶性粉末で,水にやや溶けやすく,エタノール(99.5)及びジエチ

ルエーテルにほとんど溶けない。

4.2

定性方法

試料の赤外吸収スペクトルをJIS K 0117によって測定すると,波数3 408 cm-1,1 691 cm-1,1 640 cm-1,

1 588 cm-1及び1 420 cm-1付近に主な吸収ピークを認める。この場合,試料調製は,JIS K 0117の5.2 b)(錠

剤法)による。錠剤の調製に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの例を図1に示す。

page

3

K 9103:2020

図1−赤外吸収スペクトルの例

5

品質

品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。

表1−品質

項目

純度(C5H10N2O3)

規格値

質量分率 %

試験適合

比旋光度[]20

乾燥減量(105 ℃)

質量分率 %

0.2以下

強熱残分(硫酸塩)

質量分率 %

0.05以下

塩化物(Cl)

質量分率 %

0.01以下

硫酸塩(SO4)

質量分率 %

0.02以下

鉛(Pb)

質量分率 %

0.001以下

ひ素(As)

質量分率ppm

1以下

鉄(Fe)

質量分率 %

0.001以下

試験適合

他のアミノ酸

試験方法

6.1

一般事項

水溶状

6

試験方法

99.0以上

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。

6.2

純度(C5H10N2O3)

純度(C5H10N2O3)の試験方法は,次による。

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。

1) ぎ酸 JIS K 8264に規定する濃度(HCOOH)が質量分率98.0 %以上のもの。

2) 酢酸(非水滴定用) 非水滴定に用いる酢酸は,次の試験に適合したものを用いる。

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4

K 9103:2020

JIS K 8042に規定するアニリン1 gをJIS K 8355に規定する酢酸で溶かし,更に酢酸で100 mL

にしたものをA液とする。A液25 mLを正確にとり,0.1 mol/L 過塩素酸(酢酸溶液)で電位差滴

定したときの滴定量をV1 mLとする。また,A液25 mLを正確にとり,酢酸75 mLを加え,0.1 mol/L

過塩素酸(酢酸溶液)で電位差滴定したときの滴定量をV2 mLとする。V2−V1は,0.1 mL以下でな

ければならない。

なお,酢酸(非水滴定用)の水分測定は,JIS K 0068の6.3.5 a)(直接滴定)による。試料10 g

を用いる。この場合,滴定溶媒はメタノールに代えて,クロロホルムとアルキレンカルボネートと

を主成分とするカールフィッシャー用脱水溶剤40 mLを用いる。水分は,質量分率0.3 %以下であ

る。

3) 0.1 mol/L 過塩素酸(酢酸溶液)(HClO4:10.05 g/L) JIS K 8223に規定する過塩素酸(質量分率

70.0 %〜72.0 %)及びJIS K 8886に規定する無水酢酸を用い,JIS K 8001のJA.6.4 f)[0.1 mol/L 過

塩素酸(酢酸溶媒)]に従って,調製,標定及び計算したもの。

b) 装置 主な装置は,次による。

・ 電位差滴定装置 電位差滴定の機能をもち,最小吐出量が0.01 mL以下のもの。

c) 操作 操作は,次による。

1) 試料0.2 gをビーカー200 mLなどに0.1 mgの桁まではかりとり,ぎ酸3 mLを加えて溶かした後に

酢酸(非水滴定用)50 mLを加えて溶かす。

2) 0.1 mol/L 過塩素酸(酢酸溶液)でJIS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって,指示電極にガラ

ス電極及び参照電極に銀−塩化銀電極,又はそれらを組み合わせた複合電極若しくは複合金属電極

を用い,電位差滴定を行う。

3) 終点は,変曲点とする。

4) 別に同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。

d) 計算 純度(C5H10N2O3)は,次の式によって算出する。

A

=

.0

014 614

×

(

V

3

V

4

)

×

f

×

100

m

ここに,

6.3

A: 純度(C5H10N2O3)(質量分率 %)

V3: 滴定に要した0.1 mol/L 過塩素酸(酢酸溶液)の体積

(mL)

V4: 空試験の滴定に要した0.1 mol/L 過塩素酸(酢酸溶液)

の体積(mL)

f: 0.1 mol/L 過塩素酸(酢酸溶液)のファクター

m: はかりとった試料の質量(g)

0.014 614: 0.1 mol/L 過塩素酸(酢酸溶液)1 mLに相当する

C5H10N2O3の質量を示す換算係数(g/mL)

水溶状

水溶状の試験方法は,次による。

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。

1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級)の体積1と水の体積2と

を混合したもの。

2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,更に水

を加えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。

5

K 9103:2020

3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。

b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。

澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[c)

参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,更に水を加えて

20 mLとし,振り混ぜてから15分間放置する。

c) 器具 主な器具は,次による。

・ 共通すり合わせ平底試験管 容量50 mL,直径約24 mmで,目盛のあるもの。

d) 操作 操作は,次による。

1) 試料溶液の調製は,試料0.5 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて溶かし,更に

水を加えて20 mLにする。

2) 試料を溶かした直後に,試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の

有無を共通すり合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。

e) 判定 次の1)及び2)に適合するとき,“水溶状:試験適合(規格値)”とする。

1) 試料溶液の濁りは,b)の濁りより濃くない。

2) 試料溶液には,ごみ,浮遊物などの異物は,ほとんど認めない。

6.4

pH(20 g/L,25 ℃)

pH(20 g/L,25 ℃)の試験方法は,次による。

a) ガス及び試験用溶液類 ガス及び試験用溶液類は,次による。

1) 窒素 純度がJIS K 1107に規定する2級以上のもの。

2) 二酸化炭素を除いた水 JIS K 8001の5.8 c)(二酸化炭素を除いた水)による。

b) 装置 主な装置は,次による。

1) 恒温水槽 25 ℃±0.5 ℃に調節できるもの。

2) pH計 JIS Z 8802に規定する形式II以上の性能のもの。

c) 操作 操作は,次による。

1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを全量フラスコ100 mLにはかりとり,二酸化炭素を除いた水を加え

て溶かし,更に二酸化炭素を除いた水を標線まで加えて混合する。この液を適切な容量のビーカー

などにとる。

2) pHの測定は,JIS Z 8802の8.2(測定方法)による。この場合,液温25 ℃±0.5 ℃の恒温水槽につ

けた試料溶液の液面上に窒素を流し,かき混ぜながらはかる。

比旋光度[]20

6.5

α

D

比旋光度[]20

αの試験方法は,次による。

D

a) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。

1) セル 100 mm又は200 mmのもの。

2) 旋光計 装置の構成は,JIS K 0063に規定するもの。

b) 操作 操作は,次による。

1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを全量フラスコ50 mLに0.1 mgの桁まではかりとり,水を加えて溶

かし,更に水を標線まで加えて混合する。

2) 直ちに,JIS K 0063の3.4(操作)に従って旋光度を20 ℃で測定する。

c) 計算 JIS K 0063の3.5(計算及び結果の表示)に従って,比旋光度を算出する。

注記 20 ℃で測定できない場合,次の式によって20 ℃の比旋光度を求めることができる。

6

K 9103:2020

[]

α

D

20

=

[]

α

tD

.0

07

×

(

20

)t

ここに,

[]20

α:

20 ℃の比旋光度(°)

D

[]tD

α: t ℃の比旋光度(°)

t: 測定時の液温(℃)

6.6

乾燥減量(105 ℃)

乾燥減量(105 ℃)の試験方法は,次による。

a) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。

1) 平形はかり瓶 JIS R 3503の付図57に規定するもの又は類似のもので,試料を入れた場合,試料の

厚さが5 mm以下になる容量のもの。

2) デシケーター 乾燥剤としてJIS Z 0701に規定するシリカゲル(A形1種)を入れたもの。

3) 定温乾燥器 105 ℃±2 ℃に調節できるもの。

b) 操作 操作は,次による。

1) 試料1.0 gをあらかじめ恒量にした平形はかり瓶(W0 g)に0.1 mgの桁まではかりとる(W1 g)。こ

の場合,試料量m gは,(W1−W0)gとする。

なお,試料の質量を別途はかり込んでから平形はかり瓶に加えてもよい(m g)。

2) 平形はかり瓶の蓋をずらすなどし,定温乾燥器に入れ,105 ℃で3時間乾燥する。

3) 乾燥後,平形はかり瓶に蓋をしてデシケーターに入れ,室温まで放冷する。

4) その質量を0.1 mgの桁まではかる(W2 g)。

c) 計算 乾燥減量(105 ℃)は,次の式によって算出する。

A

=

W

1

W

2

×

100

m

ここに,

6.7

A: 乾燥減量(105 ℃)(質量分率 %)

強熱残分(硫酸塩)

強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,次による。

a) 試薬 試薬は,次による。

・ 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。

1) るつぼ JIS R 1301に規定する磁器るつぼ,これと類似の形状の石英るつぼ又はJIS H 6201に規定

する白金るつぼ。るつぼの大きさは,試料がその容量の1/3以下になるもの。

2) デシケーター 6.6 a) 2)による。

3) 電気炉又は湿式灰化装置 500 ℃±50 ℃に調節できるもの。

c) 操作 操作は,次による。

なお,排気に注意して行う。

1) 試料4.0 gをあらかじめ恒量としたるつぼ(W3 g)に0.1 mgの桁まではかりとる(W4 g)。この場合,

試料量m gは,(W4−W3)gとする。

なお,試料の質量を別途はかり込んでからるつぼに加えてもよい(m g)。

2) 硫酸3 mLを可能な限り試料全体に行き渡るように加える。

3) 熱板(ホットプレート)上又は湿式灰化装置で硫酸の白いミストが生じなくなるまで加熱する。炭

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K 9103:2020

化が不十分な場合,冷却後に硫酸1 mLを加え,再び硫酸の白いミストが生じなくなり,炭化する

まで加熱する。

なお,炭化の過程で,内部に空間ができ,炭化物がるつぼからあふれそうになる状態になる場合,

一旦冷却後,少量の水で炭化物を潤し,清浄なガラス棒で炭化物を潰し,ガラス棒に付着した炭化

物を少量の水でるつぼ内に洗い入れ,加熱して水分を蒸発させてから,操作を続けるとよい。

4) るつぼを電気炉又は湿式灰化装置で,500 ℃±50 ℃で炭化物がなくなるまで強熱する。

5) 電気炉又は湿式灰化装置から取り出したるつぼを速やかにデシケーターに入れる。

なお,強熱後のるつぼをデシケーターに入れるとデシケーター内部の空気が膨張し,デシケータ

ーの蓋が落下しやすいため,蓋をずらして空気を抜くとよい。

6) デシケーター内で放冷後,るつぼを取り出し,0.1 mgの桁まで質量をはかる(W5 g)(残分は,6.10

の試験に用いる。)。

d) 計算 強熱残分(硫酸塩)は,次の式によって算出する。

B

=

W

5

W

3

×

100

m

ここに,

B: 強熱残分(硫酸塩)(質量分率 %)

e) 判定 計算して得られた値が規格値以内であるとき,“強熱残分(硫酸塩):質量分率0.05 %以下(規

格値)”とする。

6.8

塩化物(Cl)

塩化物(Cl)の試験方法は,次による。

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。

1) 硝酸(1+2) 6.3 a) 1)による。

2) 硝酸銀溶液(20 g/L) 6.3 a) 2)による。

3) 塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL) 6.3 a) 3)による。

b) 器具 主な器具は,次による。

・ 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。

c) 操作 操作は,次による。

1) 試料溶液の調製は,試料0.3 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水を加えて溶かし,更に

水を加えて20 mLにする。

2) 比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl:0.01 mg/mL)3.0 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,

水を加えて20 mLにする。

3) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸(1+2)5 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加えて振り混ぜた後,

15分間放置する。

4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。

d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“塩化物

(Cl):質量分率0.01 %以下(規格値)”とする。

6.9

硫酸塩(SO4)

硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。

page

8

K 9103:2020

1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。

2) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして

100 mLにしたもの。

3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合したもの。

4) 硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。

b) 器具 主な器具は,次による。

・ 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。

c) 操作 操作は,次による。

1) 試料溶液の調製は,試料0.3 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,塩酸(2+1)0.3 mL及

び水を加えて溶かし,水で25 mLにする。

2) 比較溶液の調製は,硫酸塩標準液(SO4:0.01 mg/mL)6.0 mLを共通すり合わせ平底試験管にとり,

塩酸(2+1)0.3 mL及び水を加えて25 mLにする。

3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 mL及び塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLをそれぞ

れ加えて振り混ぜた後,30分間放置する。

4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験

管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。

d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“硫酸塩

(SO4):質量分率0.02 %以下(規格値)”とする。

6.10

鉛(Pb)及び鉄(Fe)

鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。

a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。

1) 塩酸(2+1) 6.9 a) 3)による。

2) 鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。

3) 鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。

1) フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。

2) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。

c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を,表2に示す。

表2−分析種の測定波長の例

分析種

測定波長 nm

鉛(Pb)

鉄(Fe)

d) 操作 操作は,次による。

なお,有害な塩化水素ガスが発生するため,排気に注意して行う。

1) 試料溶液の調製は,6.7の残分(試料量4.0 g)に塩酸(2+1)5 mLを加え,沸騰水浴上でほとんど

蒸発乾固する。水10 mLを加えて溶かし,全量フラスコ50 mLに移し,水を標線まで加えて混合す

る(X液)。

2) 比較溶液の調製は,塩酸(2+1)5 mLをビーカー50 mLなどにとり,沸騰水浴上でほとんど蒸発乾

9

K 9103:2020

固する。水10 mLを加えて溶かし,全量フラスコ50 mLに移す。鉛標準液(Pb:0.01 mg/mL)4.0 mL

及び鉄標準液(Fe:0.01 mg/mL)4.0 mLを加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。

3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表2に示す測

定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれアセチレン−空気フレ

ーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値n1及びY液の指示値n2を読み取る。

4) 測定結果は,X液の指示値n1とY液の指示値n2とを比較する。

e) 判定 n1が,n2より大きくないとき,“鉛(Pb):質量分率0.001 %以下(規格値),鉄(Fe):質量分

率0.001 %以下(規格値)”とする。

注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,次の式によって,おおよその値を求めることができる。

n

B

×

1

n

2

×

100

A

=a

×

1 000

ここに,

6.11

A: 分析種の含有率(質量分率 %)

B: 用いた標準液中の分析種の質量(mg)

a: X液に含まれる試料の質量(g)

ひ素(As)

ひ素(As)の試験方法は,次による。

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。

1) 亜鉛(ひ素分析用) JIS K 8012に規定する粒径150 μm〜1 400 μmのもの。

2) ピリジン JIS K 8777に規定するもの。

3) 塩化すず(II)溶液(N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀法用)[塩化すず(II)溶液(AgDDTC法

用)] JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和物40 gをJIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分

析用)に溶かし,更にJIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分析用)で100 mLにして,JIS K 8580に

規定する小粒状のすず2,3個を加えたもので,褐色ガラス製瓶に保存する。使用時に水で10倍に

希釈したもの。

4) 塩酸(ひ素分析用)(1+1) JIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分析用)の体積1と水の体積1とを

混合したもの。

5) 酢酸鉛(II)溶液(100 g/L) JIS K 8374に規定する酢酸鉛(II)三水和物11.6 gを水に溶かして

100 mLにした後,JIS K 8355に規定する酢酸0.1 mLを加えたもの。

6) N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀・ピリジン溶液(AgDDTC・ピリジン溶液) JIS K 9512に規

定するN,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀0.5 gをJIS K 8777に規定するピリジンに溶かし,更に

JIS K 8777に規定するピリジンで100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に入れ,冷所に保存する。

7) よう化カリウム溶液(200 g/L) JIS K 8913に規定するよう化カリウム20 gを水に溶かして100 mL

にしたもの。使用時に調製する。

8) ひ素標準液(As:0.001 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。

1) 吸収セル 光路長が10 mmのもの。

2) ひ素試験装置 例を図2に示す。

3) 分光光度計 JIS K 0115に規定する構成のもの。

c) 操作 操作は,次による。

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K 9103:2020

1) 試料溶液の調製は,試料3.0 gを水素化ひ素発生瓶Aにはかりとり,塩酸(ひ素分析用)(1+1)10

mLを加えて溶かし,水を加えて40 mLにする。

2) 比較溶液の調製は,ひ素標準液(As:0.001 mg/mL)3.0 mLを水素化ひ素発生瓶Aにとり,塩酸(ひ

素分析用)(1+1)10 mL及び水を加えて40 mLにする。

3) 空試験溶液の調製は,塩酸(ひ素分析用)(1+1)10 mLを水素化ひ素発生瓶Aにとり,水を加え

て40 mLにする(空試験溶液は,吸光度を測定する場合に調製する。)。

4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液に,よう化カリウム溶液(200 g/L)15 mL及び塩化すず(II)

溶液(AgDDTC法用)5 mLを加えて振り混ぜ,10分間放置する。

5) 亜鉛(ひ素分析用)3 gを加え,直ちに水素化ひ素発生瓶Aと導管B(あらかじめ水素化ひ素吸収

管CにAgDDTC・ピリジン溶液5 mLを入れ,導管Bと水素化ひ素吸収管Cとを連結しておく。)

とを連結して約25 ℃の水中で約1時間放置した後,水素化ひ素吸収管Cを離し,ピリジンを5 mL

の標線まで加える。

6) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を水素化ひ素吸収管Cの上方

又は側方から観察して色を比較する。

なお,必要があれば吸収セルを用い,分光光度計で波長519 nmにおける吸光度を空試験溶液から

のAgDDTC・ピリジン溶液を対照液としてJIS K 0115の6.(特定波長における吸収の測定)によっ

て測定する。

d) 判定 次の1)又は2)に適合するとき,“ひ素(As):質量分率1 ppm以下(規格値)”とする。

1) 試料溶液から得られた液の色は,比較溶液から得られた液の赤より濃くない。

2) 試料溶液から得られた液の吸光度は,比較溶液から得られた液の吸光度より大きくない。

A:

B:

C:

D:

E:

F:

G:

水素化ひ素発生瓶100 mL

導管

水素化ひ素吸収管

ゴム栓又はすり合わせ

酢酸鉛(II)溶液(100 g/L)

で湿したガラスウール

40 mLの標線

5 mLの標線

図2−ひ素試験装置の例

6.12

他のアミノ酸

他のアミノ酸の試験方法は,次による。

a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。

1) L-グルタミン酸 JIS K 9047に規定するもの。

2) 展開溶媒 JIS K 8810に規定する1-ブタノールの体積2,JIS K 8355に規定する酢酸の体積1及び

水の体積1を混合したもの。

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K 9103:2020

3) ニンヒドリン・アセトン溶液(発色液) JIS K 8870に規定するニンヒドリン2 gをJIS K 8034に

規定するアセトンに溶かし,アセトンで100 mLにしたもの。

b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。

1) 薄層板 (50 mm〜200 mm)×200 mmの平滑で均一な厚さのガラス板に,固定相基材として薄層クロ

マトグラフ用シリカゲルを0.2 mm〜0.3 mmの均一な厚さに塗布したもの。

なお,薄層板は,市販の既製品を使用してもよい。

2) 展開容器 例を図3に示す。

3) マイクロシリンジ又はピストン式ピペット マイクロシリンジは5 µLを採取できるもので,ピスト

ン式ピペットはJIS K 0970に規定する5 µLを採取できるもの。

4) ろ紙 JIS P 3801に規定するもの。

5) 乾燥器 試験温度に対して±2 ℃以内に調節できるもの。

図3−展開容器の例

c) 操作 操作は,次による。

1) 試料溶液の調製は,試料0.50 gを全量フラスコ50 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,更に水を

標線まで加えて混合する。

2) 比較溶液の調製は,全量フラスコ100 mLにL-グルタミン酸0.25 gをはかりとり,水を加えて溶か

し,更に水を標線まで加えて混合する。その1 mLを全量フラスコ50 mLに正確にとり,水を標線

まで加えて混合する。

3) 薄層板の下端から約20 mm上の位置を原線とし,原線上の左右両端から少なくとも10 mm離れた

位置に試料溶液5 µL(試料量50 μg)及び比較溶液5 µL(L-グルタミン酸量0.25 μg)をマイクロシ

リンジ,ピストン式ピペットなどを用いて10 mm以上の間隔で2 mm〜6 mmの円形状にスポットし,

乾燥する。

4) 展開容器の内壁に沿ってろ紙を巻き,そのろ紙を展開溶媒で湿し,更に展開溶媒を約10 mmの深さ

に入れ,展開容器を密閉した後,室温で約1時間放置して展開溶媒の蒸気を飽和させる。

5) 4)の容器に薄層板を器壁に触れないように入れ,密閉し,室温で放置して展開させる。

6) 展開溶媒の先端が原線から約10 cmの距離まで上昇したとき,薄層板を取り出し,直ちに溶媒の先

端の位置に印を付けて風乾後,100 ℃で30分間乾燥し,放冷する。これに発色液を噴霧し,80 ℃で

10分間加熱して発色させ,スポットの位置,数などを調べる。

12

K 9103:2020

d) 判定 主スポット以外のスポットを認めないか,又は他のスポットが比較溶液から得られるスポット

よりも大きくないとき,“他のアミノ酸:試験適合(規格値)”とする。

注記 移動率(Rf)を求める場合は,次の式によって算出できる。

Rf=

a

b

ここに,

Rf: 移動率

a: 原線からスポットの中心までの距離(mm)

b: 原線から溶媒先端までの距離(mm)

なお,L(+)-グルタミンの移動率(Rf)は約0.4,L-グルタミン酸の移動率(Rf)は約0.5で

ある。

7

容器

容器は,気密容器とする。

8

表示

容器には,次の事項を表示する。

a) この規格の番号

b) 名称“L(+)-グルタミン”及び“試薬”の文字

c) 種類

d) 化学式及び式量

e) 純度

f)

内容量

g) 製造番号

h) 製造業者名又はその略号