2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
L 1910:2016
目
次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 試験場所························································································································· 2
5 試料・試験片の採取及び準備 ······························································································ 2
6 装置······························································································································· 2
7 試薬······························································································································· 3
8 試験方法························································································································· 4
8.1 漂白処理 ······················································································································ 4
8.2 強度試験 ······················································································································ 5
9 計算······························································································································· 5
10 試験報告書 ···················································································································· 5
附属書A(規定)過炭酸ナトリウムの有効酸素量の測定方法························································· 6
附属書B(参考)試験液の調製手順 ························································································· 8
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人繊維
評価技術協議会(JTETC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業
規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業
規格である。
これによって,JIS L 1910:2002は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
(2)
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日本工業規格
JIS
L 1910:2016
酸素系漂白剤処理に対する繊維製品の
強度低下率試験方法
Test methods for percentage of strength lowering of textiles to
oxygen-bleaching
序文
この規格は,我が国における酸素系漂白剤処理に対する繊維製品の引張強度及び破裂強度の低下率試験
方法として,1996年に制定された。その後,2回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2002年に
行われたが,その後の引用規格の改正又は廃止への対応,及び試験方法を利用実態に対応させるために,
今回改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,酸素系漂白剤処理を行った繊維製品の強度低下率試験方法について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 1408 けい酸ナトリウム(けい酸ソーダ)
JIS K 3371 洗濯用合成洗剤
JIS K 8283 くえん酸一水和物(試薬)
JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8638 チオ硫酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8658 でんぷん(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8987 硫酸ナトリウム(試薬)
JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則
JIS L 0208 繊維用語−試験部門
JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則
JIS L 1096 織物及び編物の生地試験方法
JIS Z 8802 pH測定方法
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3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0105及びJIS L 0208による。
4
試験場所
試験場所は,JIS L 0105の5.1(試験場所)による。
5
試料・試験片の採取及び準備
試料の採取は,JIS L 0105の6.3(布状の試料及びその試験片)又は6.4[製品(縫製品) 状の試料の試
験片]による。試験片は,調製した試料から表1によって,採取する。
なお,洗濯処理中に糸がほどけるおそれのある場合は,試験片を規定寸法よりやや大きめに裁断し,寸
法変化の少ない糸によって,試験片の縁をかがる。
表1−試験片の大きさ及び採取する数量
6
試験の種類
試験片の大きさ
試験片の数
枚
引張強さ
(ストリップ法)
約65×約300
たて方向及びよこ方向各10,又は
ウェール方向及びコース方向各10
引裂強さ
(ペンジュラム法)
63×約100
たて方向及びよこ方向各10,又は
ウェール方向及びコース方向各10
破裂強さ
(ミューレン形法)
約150×約150
装置
装置は,次による。
6.1
洗濯試験機 洗濯試験機は,試験片及び試験液を入れる試験瓶並びに試験瓶を回転させる回転装置
及び試験瓶内の試験液を試験に必要な恒温に保つための恒温水槽又は恒温槽で構成し,それぞれ6.1.1〜
6.1.3に適合するものとする。装置の例を,図1に示す。
6.1.1
試験瓶 ガラス製又はステンレス鋼製のもので,回転に耐える密閉形の容量550 mL±50 mL(内径
75 mm±5 mm)の円筒形の瓶。
なお,ステンレス鋼製のものを使用する場合は,容器の内側にさびがあってはならない。
6.1.2
回転装置 電動機,回転軸及び回転軸に放射状に取り付けてある試験瓶保持器で構成し,試験瓶保
持器の保持軸の中心線と試験瓶の中心線とが同一線上になるように試験瓶が取り付けられるもので,1分
間当たりの回転数は40回±2回で,恒温水槽又は恒温槽中で試験瓶を回転できるもの。
なお,回転軸の中心から試験瓶の底までは,45 mm±10 mmとする。
6.1.3
もの。
恒温水槽又は恒温槽 加熱装置をもち,回転する試験瓶内の試験液を所定温度±2 ℃に保持できる
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試験瓶保持器
正面図
側面図
図1−洗濯試験機の例
6.2
7
かくはん機 1分間当たりの回転数が1 000回以上でかくはんができるもの。
試薬
試薬は,次による。
7.1
過炭酸ナトリウム 有効酸素量12 %以上,pH 10〜11(3 %水溶液)のもの。有効酸素量の測定方法
は,附属書Aによる。また,pH測定は,JIS Z 8802による。
7.2
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 平均分子量345±5,純分質量分率50 %以上,未反応
油分(原料アルキルベンゼン)質量分率1 %以下,硫酸ナトリウム分質量分率2 %以下,及び水分質量分
率50 %以下のもの。
7.3
ゼオライト 4A型の結晶構造をもち,平均粒径10 μm以下のもの。
7.4
けい酸ナトリウム JIS K 1408で規定する2号のもの。
7.5
炭酸ナトリウム JIS K 8625で規定する特級のもの。
7.6
カルボキシメチルセルロースナトリウム エーテル化度0.5〜0.8,純分(無水物として)質量分率
91 %以上,水分質量分率10 %以下,及び粘度25 ℃で500 mPa・s〜900 mPa・s(無水物換算で20 g/L水溶液)
のもの。
7.7
硫酸ナトリウム JIS K 8987で規定する特級のもの。
7.8
合成洗剤 合成洗剤は,表2による。
なお,必要に応じてJIS K 3371の洗濯用合成洗剤の第1種又は第2種に適合し,漂白剤及び蛍光増白剤
を配合していない市販の合成洗剤を用いてもよい。その場合には,用いた市販の合成洗剤の品名を箇条10
の試験報告書に記載する。
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表2−合成洗剤の成分
単位 %
成分
質量分率
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(7.2)
ゼオライト(7.3)
けい酸ナトリウム(7.4)
炭酸ナトリウム(7.5)
カルボキシメチルセルロースナトリウム(7.6)
酸ナトリウム(7.7)
7.9
漂白活性化剤 テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)で,純分質量分率98 %以上のもの。
7.10 くえん酸一水和物 JIS K 8283に規定する特級のもの。
7.11 水 JIS K 0557に規定するA1の水。
8
試験方法
8.1
漂白処理
8.1.1
試験液の組成
試験液の組成は,表3による。
表3−試験液の組成
単位 g/L
8.1.2
合成洗剤(7.8)
過炭酸ナトリウム(7.1)
漂白活性化剤(7.9)
試験液の調製
合成洗剤(7.8),漂白活性化剤(7.9)及び過炭酸ナトリウム(7.1)をかくはん機(6.2)によって,かく
はんしながら水(7.11)に溶解した後,表3の組成で25 ℃のときpH 8.5±0.3になるように,くえん酸一
水和物(7.10)の10 %水溶液によって調製する。調製後は速やかに使用する。試験液の調製手順の例を附
属書Bに示す。
注記 試験液は,1時間以上放置すると有効成分及びpHが変化するため,時間をおかずに使用するの
がよい。
8.1.3
操作
漂白処理の操作は,次による。
a) 箇条5で採取及び準備した試験片のうち,試験の種類ごとに,5枚の試験片及び同数の試験瓶(6.1.1)
を準備し,試験片との浴比が1:100となるようにそれぞれの試験瓶に8.1.2の試験液を入れて,60 ℃
±2 ℃になるように予熱する。
b) a) で予熱した試験液の入ったそれぞれの試験瓶に,直ちに試験片を1枚ずつ入れて密封後,洗濯試験
機(6.1)に取り付けて恒温水槽又は恒温槽内の温度を60 ℃±2 ℃とし,1分間当たり40回±2回の
回転数で30分間運転する。
c) 試験片を試験瓶から取り出し,25 ℃±2 ℃の水100 mLで1分間の水洗を2回繰り返した後,JIS L 0801
の箇条8(試験操作)f) に規定する方法によって脱水し,室温で風乾する。
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d) 残り5枚の試験片について,試験液の代わりに水を用いて,a)〜c) の手順を行う。
8.2
強度試験
強度試験は,次による。
a) 本試験 8.1.3のa)〜c) で処理した試験片を標準状態で4時間以上放置した後,表4に示す試験片の
種類に応じて表4に示す試験のうち,いずれの試験を適用するか決定し,次によって試験する。
表4−強度試験及び試験片の種類
試験の種類
引張強さ(ストリップ法)
引裂強さ[ペンジュラム法a)]
試験片の種類
織物・不織布
織物・編物
破裂強さ(ミューレン形法)
編物
注a) 試験片の引裂強度がペンジュラム法の測定限界を超えるなどの場
合は,JIS L 1096の8.17(引裂強さ)に規定する,いずれの方法を
使用してもよい。ただし,試験片の枚数は表1による。この場合は,
適用した試験方法を試験報告書に記載する。
1) 引張強さ 引張強さは,JIS L 1096の8.14.1 a)[A法(ストリップ法)]による。
2) 引裂強さ 引裂強さは,JIS L 1096の8.17.4[D法(ペンジュラム法)]による。
3) 破裂強さ 破裂強さは,JIS L 1096の8.18.1[A法(ミューレン形法)]による。
b) 空試験 8.1.3のd) によって処理した試験片について,8.2のa) と同様の試験を行う。
9
計算
本試験及び空試験の結果から,それぞれ5枚の強度の平均値を求め,次の式によって強度低下率を算出
し,四捨五入によって小数点以下1桁に丸める。ただし,引張強さ及び引裂強さについては,たて方向及
びよこ方向又はウェール方向及びコース方向についてそれぞれ算出する。
D
=
ここに,
F
1
−
F
2
×
100
F
1
D: 強度低下率(%)
F1: 空試験結果の平均値(N又はkPa/cm2)
F2: 本試験結果の平均値(N又はkPa/cm2)
10 試験報告書
試験報告書には,次の項目を記載する。
a) 試験実施日
b) 規格番号
c) 試験の種類
d) 合成洗剤の品名(市販の合成洗剤を使用した場合)
e) 試験結果
例 試験の種類
結果
引張強さ(ストリップ法)
たて方向低下率 7.3 %
よこ方向低下率 5.2 %
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附属書A
(規定)
過炭酸ナトリウムの有効酸素量の測定方法
A.1 概要
この附属書は,過炭酸ナトリウムの有効酸素量の測定方法について規定する。
A.2 でんぷん溶液の調製
JIS K 8658に規定するでんぷん約1 gを少量の水で練り,熱水約200 mLをかき混ぜながら加えた後,約
1分間煮沸する。冷却後,その上澄み液を用いる。この溶液は,使用の都度調製する。
A.3 試験方法
過炭酸ナトリウムの有効酸素量の測定方法は,次による。
a) 試料(過炭酸ナトリウム)約 0.15 gを採り,その質量を量って共栓付三角フラスコに移す。これに,
水30 mL,JIS K 8913に規定するよう化カリウム2 g及びJIS K 8951に規定する硫酸(1+15)1) 5 mL
を順次加え,直ちに栓をして,暗所に30分間放置する。
注1) 硫酸(1+15)の括弧内の数値は,硫酸と水との体積比を示す。
b) この試料溶液に,ビュレットによって,JIS K 8638に規定するチオ硫酸ナトリウムの0.1 mol/L溶液を
滴下し,試料溶液が淡黄色になった後,A.2で調製したでんぷん溶液1 mLを加える。
さらに,でんぷん溶液によって生じた青色が消えるまで,チオ硫酸ナトリウムの0.1 mol/L溶液を滴
下する。
c) 次に,水30 mL,JIS K 8913に規定するよう化カリウム2 g及びJIS K 8951に規定する硫酸(1+15) 1)
5 mLを順次加え,直ちに栓をして暗所に30分間放置した溶液によって空試験を行い,次の式によっ
て有効酸素量(%)を求める。
有効酸素量とは,試料中の酸素原子の含有率をいう。有効酸素量(%)の算出は,まずチオ硫酸ナ
トリウムの0.1(mol/L)に使用量(L)を掛けて,それに酸素の原子量[原子量16(g/mol)]を乗じる。
このとき,過炭酸ナトリウム由来の過酸化水素とヨウ素の反応モル比は1:1であり,また,チオ硫
酸ナトリウムとヨウ素の反応モル比は2:1である。ファクター(f)は,JIS K 8638に規定する方法に
よって算出する。
以上から算出された値を試料の質量(m)で割り,有効酸素量(H)を次の式によって算出する。
H
=
1.0
×
(
V
1
−
V
2
1/) 000
×
)1/1(
×
)2/1(
×
16
×
f
×
100
m
H
=
(
V
1
−
V
2
)
×
f
×
.0
000 80
×
100
m
すなわち,
ここに,
H: 有効酸素量(%)
V1: 本試験における0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液の使用量
(mL)
V2: 空試験における0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液の使用量
(mL)
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f: 0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m: 試料の質量(g)
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附属書B
(参考)
試験液の調製手順
B.1
洗剤母液(10倍濃度)の調製
表B.1によって各成分を正しく量り,約900 mLの水に入れ,かくはん機でかくはんしながら,表B.1
の順番に溶解又は分散した後,水を加えて1 000 mLとする。
表B.1−洗剤母液(10倍濃度)の成分及び量
単位 g
成分
量
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.75(純分)
けい酸ナトリウム
0.25(純分)
炭酸ナトリウム粉末
硫酸ナトリウム粉末a)
カルボキシメチルセルロースナトリウム
ゼオライトb)
注a) 硫酸ナトリウムを添加すると液が白濁することがある。
b) ゼオライトを加えるときには,あらかじめ凝集物を潰しておくと短時間
で均一分散できる。
なお,表2の合成洗剤又は市販の合成洗剤を用いて洗剤母液を調製する場合は,合成洗剤5 gを水に溶
解又は分散して1 000 mLとする。
B.2
過炭酸ナトリウム水溶液及び漂白活性化剤(TAED)水溶液(5倍濃度)の調製
過炭酸ナトリウム8.2 gを水に溶解し,200 mLとする。漂白活性化剤(TAED)1.8 gを水に溶解し,200
mLとする。
注記 TAEDは65 ℃の湯浴中で約30分間かくはんすると溶解するが,温度が低下すると析出する。
析出する前に,かくはんしながらB.3によって試験液を調製するのがよい。
B.3
試験液の調製
ガラスビーカーに400 mLの水を入れ,かくはん機によってかくはんしながら表B.2に示す試験液の成
分を上から順番に加え,5分間かくはんする。その後,JIS Z 8802の8.2(測定方法)の操作方法によって,
pHを測定しながら表B.3の10 %くえん酸水溶液を加えてpH 8.5±0.3に調製する。さらにかくはんし,水
を加えて1 000 mLとする。
注記1 洗剤成分には,水に不溶の成分が含まれることがある。そのような試験液を各試験瓶に小分
けするときは,洗剤成分が沈降するのを防ぐため,よくかくはんしながら小分けするのがよ
い。
注記2 試験液は1時間以上放置すると有効成分及びpHが変化するため,時間をおかずに使用する
のがよい。
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表B.2−試験液の成分及び量
単位mL
成分
量
洗剤母液
過炭酸ナトリウム水溶液
漂白活性化剤(TAED)水溶液
表B.3−pH調整液の成分及び量
単位mL
成分
10 %くえん酸水溶液
量
参考文献 JIS K 3362 家庭用合成洗剤試験方法
JIS L 0889 酸素系漂白剤を用いる洗濯に対する染色堅ろう度試験方法