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《期間限定 無料公開》【受験・資格試験】あいまいな知識を、得点できる知識に変え、合格ラインを超える方法 ~あいまいさの3つの種類と、それぞれの詰め方~

【期間限定無料公開中!】
8月は資格試験が多いので、勉強応援企画として、本記事を8月31日まで無料公開いたします。


こんにちは。30日チャレンジの運営担当で、元弁理士の伊藤です。
現在は、難関大専門の学習塾 Dear Hope で数学と物理を担当しています。

試験本番が近づいてくると「何かをしなければいけないのはわかるけれど、いったい何を勉強したらよいのだろう」と感じることがあるかと思います。

「テキストは一通り読み終えています。過去問も何周かしています。それでも、模試や答練では取りこぼしが出てしまいます。どうすればいいのでしょうか?

このようなご質問を受けることが少なくありません。
こんなとき、「何が足りないのかははっきりしないけれど、とりあえず問題集をもう一周する」、「テキストを読んでみる」という形になりやすいようです。

しかし、このときに起きているのは、知識が足りないというより、知識の理解や記憶が中途半端なままであるという事態です。本記事では、この中途半端な知識のことを「あいまいな知識」と呼びます。そして、あいまいさにはいくつかの種類があり、種類ごとに適した勉強法が異なるということを、具体的な手順とともにお伝えします。

知識の3つの段階

知識には、大きく分けて3つの段階があります。

第1段階 知らない
見ても分かりません。判断もできません。

第2段階 知っているが、あいまい
見たことはあり、正解することもあります。しかし、迷ったり、似た知識と混同したりします。問われ方が変わると役に立たず、成績にムラが出ます。

第3段階 明確に判断ができる
根拠をもって判断できます。似た知識と区別できていて、問われ方が変わっても対応できます。試験で使えるのはこの段階にある知識です。

直前期には、多くの場合、合格のために必要な知識のほとんどは、少なくとも一度は見聞きした状態になっているだろうと思います。したがって、この時期の勉強の中心は、知識を第2段階から第3段階へと進める作業です。

あいまいな知識は、失点の直接の原因であると同時に、直前期でもっとも伸びしろの大きい部分でもあります。新しい細かい論点に手を出すよりも、あいまいな状態でインプットされている知識の断片を体系的に整理して使える形にすることが、得点力を飛躍的に向上させます。

勉強内容を決めるための考え方

もし、この記事を読んでくださっている皆様が「今、何を勉強すべきか」と迷われているなら、

  • 過去問を解く

  • テキストを読む

  • 模試を復習する

  • 問題集をもう一周する

などのように「方法」を模索することは得策ではありません。ここで考えたいのは、その方法を使って何を身につけるのかという「内容」です。

方法だけが決まっている状態は、行き先を決めずに乗り物だけを選んでいる状態に似ています。結果的に、行為としては「テキストを読む」ということになるかもしれませんが、何を確認するために読むのかが決まっていることが効果的な学習のためには極めて大切です。

したがって、まず内容を決めます。そのあとで方法を選びます。この順番を守ることでで、勉強の密度は大きく変わります。

内容の決め方:「あいまいな知識」を見極める

内容で考えるようになっても、その内容が大まかなままでは、学習効果が半減してしまいます。つまり、「何があいまいであるか」を解像度高く把握することが大切です。以前の記事でもお話しした通りですが、このことこそ、勉強が速く進む人と、そうでない人との決定的な差です。

次の2つの例を比べてみてください。

(例1)審判制度が苦手
(例2)無効審判の無効理由と、出願審査時の拒絶理由との違いがあいまい

(例1)は、分野名にとどまっています。この状態では、具体的に何をすればよいのかが決まりません。
一方、(例2)は、何ができていないのかが具体的です。ここまで来ると、次にやる作業がほぼ自動的に決まります。

勉強が進んでいる人は、

  • 何を知っているのか

  • 何をまだ覚えていないのか

  • 何と何が混ざっているのか

  • どこで判断に迷うのか

などを自覚しています。つまり、課題の解像度が高いのです。

「何を勉強したらよいか分からない」と感じるときは、勉強すべきことがないのではなく、自分の未完成な部分がまだ具体的に見えていないだけであることが大半です。

あいまいな知識は、日々の学習で見つかる

課題を具体化するといっても、何もないところから考え出す必要はありません。あいまいな知識は、毎日の学習の中に必ず現れています。次のような場面が、そのサインです。

  • 間違えた問題

  • 正解したけれど迷った問題

  • 根拠を説明できなかった問題

  • 解説を読んで「そういえばそうだった」と感じた知識

  • 何度覚えても忘れてしまう知識

  • 似た制度と混同した知識

  • テキストを見なければ言えなかった知識

「間違えた」「迷った」「忘れた」という経験は、次に何を勉強すべきかを知らせる合図です。これらを、一つ一つ詰めていくことが、直前期の学習です。

その際、「言語化」が効果的です。
つまり、上の(例2)のように、単元名ではなく、「何ができなかったのか、何を知ればよいのか」を言葉にします。声に出す必要はありません。

社労士試験であれば、「厚生年金が苦手」ではなく「在職老齢年金の支給停止の計算で、どの額を使うのかが出てこなかった」という形にします。この言語化そのものが、あいまいさを輪郭のあるものに変える作業になります。

なお、あいまいな知識がたくさん出てきたときにどう対処すればよいかに関しては、「あれやらなきゃリスト」による管理をご提案しています。これに関しては、ぜひ以下の記事をご覧ください。

また、次の記事では、問題演習の場面では、「〇△×」の記号を使いながらの演習をおすすめしています。その際、「あいまい」の「△」印がついた問題を中心に復習を進めていくことをお勧めします。

「あいまい」と一言で言っても、その中身は同じではありません。中身が違えば、必要な作業も異なります。このため、すべてを「もう一周する」で処理しようとすると、時間をかけた割に状態が変わらない、ということが起こり得ます。

ここからは、その「あいまいな知識」をどのように詰めていくかをお話しします。

「あいまいさ」の3つの種類

あいまいさは、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。

種類1 思い出せない

覚えたはずなのに、必要な場面で出てきません。テキストを見れば「知っている」と分かります。しかし、見ないと再現できません。

現れやすい対象

  • 数字(金額、割合、日数、年齢など)

  • 期間(起算日、待期、時効など)

  • 要件(列挙されている項目のうち、いくつかが抜け落ちる)

  • 対象者(誰が含まれ、誰が含まれないのか)

  • 手続の順番(誰が、いつ、どこへ、何を)

正解できなかったが、答えを見た瞬間に「これは知っていた」と感じるなら、この種類です。自力で思い出せるかどうかの、記憶の問題です。

種類2 混ざっている

知識自体はインプットされているのに、似たものと区別がつきません。したがって、「どっちだったかな…」と迷い、間違えてしまいます。

現れやすい対象

  • 似た制度どうし(基礎年金と厚生年金、労災と健保など)

  • 原則と例外

  • 適用される場合とされない場合

  • 名称や用語が似ているもの

「どちらだったか」という迷い方をするなら、この種類です。知識そのものは頭の中にあるのですが、それぞれが別々に置かれていて、互いの位置関係を識別できていない態です。

種類3 根拠が弱い

答えは出るが、なぜそうなるのかを言えません。

現れやすい状態

  • 正解はするけれど、理由を説明できない

  • 勘や雰囲気、見慣れた語感で判断してしまう

  • 誤りの肢について、どこが誤りなのかを指摘できない

  • 誤りを正しい形に直すことができない

正解した直後に「なぜそう判断したのですか」と自分に聞いてみて、答えに詰まるなら、この種類です。この状態は、正解が続いている間は気づきにくく、問われ方が変わった途端に迷ってしまいます。

種類に応じた詰め方

種類が分かれば、何をやればよいかが決まります。

種類1「思い出せない」→見ないで再現

読み返す回数を増やすことではなく、繰り返し、見ないで思い出す機会をつくることが効果的です。

やり方

  • テキストや問題集を閉じます

  • 「何を覚えればよいのか」を言語化し、それをテキストなどで確認し、覚えます。そして、何も見ずに思い出します。いわゆる「想起」です。

分量による使い分け

項目が少ないもの、たとえば一つの制度の要件や数字であれば、頭の中で思い起こす(想起)か、口頭で説明する形(セルフレクチャー)が向いています。移動中や家事の合間でも実行できます。

一方、範囲が広いもの、たとえば一つの単元全体の構成や、複数の制度にまたがるものであれば、白紙にすべて書き出す形(ブレインダンプ)が向いています。書き出したあとにテキストと照合すると、抜けている箇所が一目で分かります。この「抜けていた箇所」を覚えていきます。

仕上がりの基準

その場で1回再現できただけでは、まだ不十分です。翌日、そして数日後にも、何も見ずに再現できるかどうかを確認してください。時間を空けて再現できたときに、初めて第3段階に入ったと考えられます。

種類2「混ざっている」 →同じ項目で比較

筆者が弁理士試験の勉強を行っていたときには、例えば国内出願と国際出願における手続フローの違いなど、似た制度を対比して書き出し、違いを区別して記憶することに結構な時間を割いた記憶があります。

また、大学受験時にも、例えば熱力学の状態変化で、縦軸に変化の種類(断熱、定圧、定積、等温)、横軸にエネルギー(Q、ΔU、W)をとり、表を作成して、どれをどの場面で利用するかを整理したものです。

このように、どうしても混ざってしまうものは、主要な要件を軸に、表やフローチャートに整理することが効果的です。特に苦手な分野は、「そのうちなんとかならないかな」などと淡い期待をするのではなく、真正面から取り組みましょう。

やり方

白紙に、比較したい制度を横に並べ、左側に軸(主体、客体、要件、効果、例外など)を書きます。なるべく、テキストを見ないで埋めていきます。埋め終わったあとにテキストで確認し、間違っていた(埋められなかった)欄と、自信がなかった欄に印をつけます。この印がついた欄が、混同の実体です。

ここで大切なのは、完成された比較表を眺めることではなく、自分で空欄を埋めることです。また、作成した表は、壁に張るなどして、折に触れて確認できるようにします。数週間後に、表を何も見ずに再現できるようになればOKです。

書き出すという行為は、あいまいさを払拭する上では非常に効果的です。ただし、時間を要するため、簡単な混同の場合は、セルフレクチャーなど口頭で説明できるかを確認するなど、臨機応変に対応すると良いでしょう。

種類3「根拠が弱い」 →判断理由を一文で説明

この種類には、答えを出す練習ではなく、判断の理由を言葉にする練習が効果的です。

やり方

一つの肢について、次の問いに答えます。

(正しいと判断した選択肢に対して)
正しいと判断した根拠は?
根拠となる条文、テキストの記載が浮かぶかどうかを確認します。

(誤りと判断した選択肢に対して)
・どこが誤りなのですか?
・正しく直すと、どうなりますか?

特に3つ目の「正しく直すと、どうなりますか?」が重要です。誤りを指摘できても、正しい形に直せないのであれば、根拠はまだ自分のものになっていません。

言葉にするときの注意

「なんとなくこちらのほうが正しそうだから」「見覚えのある表現だから」という説明になった場合は、根拠が言えていないと判断してください。また、理由は、条文や制度の趣旨、要件の内容に基づいた一文で簡潔に答えます。

取り組む量

この作業は1問あたりの時間がかかりますので、△をつけた問題と、頻出の基本論点を優先します。

3つの共通点

種類は違いますが、いずれの詰め方にも共通していることがあります。それは、見ないで思い出す場面を必ずつくるという点です。

読み返す、蛍光ペンを引く、解説をノートに書き写すという作業は、手が動いているため勉強している実感がある一方、取り出す力を鍛える場面が足りません。直前期に時間を投じるのであれば、入れる作業よりも、思い出す作業を優先してください。

優先順位を考え、詰める項目を絞る

あいまいな知識を探し始めると、候補はいくらでも出てきます。それ自体は問題ありません。ただし、すべてを同じ密度で扱うことはできませんので、優先順位をつけます。これに関しては、先ほどもご紹介しましたが、以下の記事をぜひご覧ください。

どこまでできれば「あいまい」でなくなるのか

自分の中で「あれ、どうだったかな」という迷いがなくなったときです。
たとえば「何も見ずに、5つの要件をすべて挙げられる」「何も見ずに、両者の違いを対象者と要件と期間の順に説明できる」、問題演習であれば、「何も見ずに、誤りの箇所を指摘して正しく直せる」という形です。

感覚的な説明になりますが、筆者は、知識の輪郭がはっきりして、何か問われたときに、答えを迷わずに「はい、これです」とすぐに差し出せるような状態になったとき、知識が「第3段階」に入ったと捉えています。

まとめ:直前期の勉強の進め方

直前期の勉強を効果的に進めるステップは、次の4つです。

  1. 勉強方法ではなく、まず身につける内容を考えます。知っているつもりのあいまいな知識を見つけ、具体的な論点まで細かくします。

  2. 見つかった課題の中から、優先する項目を選びます。

  3. あいまいさの種類を見分けます。思い出せないのであれば見ないで再現し、混ざっているのであれば同じ項目で比較し、根拠が弱いのであれば判断理由を一文で説明します。

  4. その日のうちに一度、そして翌日と数日後にも、何も見ずに再現できるかを確認します。

試験までの残りの期間で大切なのは、たくさんのことに手を出すことではありません。自分の中に残っている「あいまいさ」を一つずつ見つけ、それをクリアにしていくことです。

その積み重ねが、本番での「一問の差」になります。
皆様の学習を応援しています!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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「30日チャレンジ」では、北海道から九州まで、全国から、小さな習慣から人生を変えていきたいという志を持った方々が集まっています。
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筆者も、このコミュニティーで学習法などのアドバイスを行っています。
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【著者プロフィール】
30日チャレンジの運営担当 伊藤
高校時代、大手予備校が主催する記述式模試の数学で200点満点を獲得し、全国第1位。大学入試では数学を全問完答にて東北大学に現役合格。その後、東北大学大学院に首席で合格。数学は満点。

大学1年次より大手予備校の仙台校にて東大数学・理系数学等の講師を6年間務め、その後勤務した学習塾でも東大・難関大向けの数学を中心に講義を担当するほか、全国配信の高校数学のDVD収録講義も担当しました。

社会人になってからは、約8か月の勉強期間を経て、弁理士試験に9割超の得点で一発合格。その経験をもとに、大学受験生のみならず資格試験を目指す社会人にも、効果的な勉強法をお伝えしています。

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