【第四弾】ABC理論:人生を軽やかにする、具体的なワーク!
「たった一言、言われただけなのに、ずっと引きずってしまう」
「大したことじゃないはずなのに、心が重くなる」
「相手は何気ない態度だったのに、なぜか傷ついてしまった」
そんなことはないでしょうか。
私たちはつい、「つらいのは現実が厳しいからだ」「苦しいのは相手のせいだ」と思いがちです。
もちろん、それも一部は事実です。
でも実際には、私たちを重くしているのは“出来事そのもの”だけではありません。
その出来事を、自分がどう受け取ったか。
そこに、心が軽くなるヒントがあります。
ABC理論は、
「出来事」
「受け取り方」
「その結果として生まれる感情」
を整理する、とてもシンプルな心理学の考え方です。
そしてこの理論の良いところは、ただ“知る”だけで終わらず、実際に書き出して使えることです。
今回は、ABC理論を使って心を少し軽くするための、具体的なワークを紹介します。
難しい知識はほとんどいりません。
むしろ大切なのは、今の自分の考え方に気づくことです。
なぜ心はこんなに重くなるのか
同じ出来事でも、深く落ち込む人もいれば、そこまで気にしない人もいます。
たとえば、
・LINEの返信が遅い
・職場で意見を否定された
・思ったような反応が返ってこなかった
・ちょっと冷たい言い方をされた
こうした出来事は、どれも日常にありふれています。
でも、そこで
「嫌われたかもしれない」
「私には価値がないのかもしれない」
「どうせまた否定される」
「ちゃんとしないとダメだ」
こんな受け取り方が入ると、一気に心が重くなります。
つまり私たちは、出来事で苦しんでいるようでいて、実は自分の頭の中でつくった意味にも苦しんでいるのです。
ここに気づけると、人生は少しずつ軽くなっていきます。
ABC理論を超シンプルに説明すると
ABC理論では、心の動きを3つに分けて考えます。
A(Activating Event)出来事
B(Belief)その出来事に対する受け取り方、思い込み、信念
C(Consequence)その結果として起こる感情や行動
たとえば、
A:同僚に意見を否定された
B:「自分の考えはいつもズレている」「私は軽く見られている」
C:落ち込む、恥ずかしくなる、もう発言したくなくなる
こういう流れです。
ここで大事なのは、Aが起きたから自動的にCになるわけではない、ということです。
AとCの間には、必ずBがあります。
つまり、出来事が同じでも、Bが変われば、Cも変わる可能性があるのです。
この視点が、人生を軽くする入口になります。
人生を軽やかにするワークのやり方
では、実際にやってみましょう。
紙でもスマホのメモでも大丈夫です。
【ステップ1 Aを書く】
まず、最近ちょっと心が重くなった出来事を書きます。
例
「職場で同僚に意見を否定された」
ここでは、できるだけ事実だけを書くのがコツです。
「バカにされた」ではなく、「自分の意見に対して反対意見を言われた」くらいにしておくと、見え方が変わってきます。
【ステップ2 Bを書く】
次に、その出来事を自分がどう受け取ったかを書きます。
例
「自分の意見はいつも的外れだと思われている」
「他人は私を軽く見ている」
「やっぱり私はダメなんだ」
ここがいちばん大事です。
多くの人は、Aは見えてもBに気づいていません。
でも実際には、心を重くしている正体は、このBにあることが多いです。
【ステップ3 Cを書く】
その受け取り方の結果、どんな感情や行動が出たかを書きます。
例
「自己嫌悪になった」
「恥ずかしくなった」
「もう意見を言いたくなくなった」
こうしてA・B・Cを並べるだけでも、かなり整理されます。
なぜなら、「現実そのもの」と「自分の解釈」が分かれて見えるからです。
ワークの核心。信念を書き換える問い
ここからが核心です。
書き出したBに対して、こう問いかけてみてください。
その考え、本当に100%事実だろうか?
そして、次の3つの質問を使います。
❶その信念は事実か?証拠はあるか?
❷他にどんな解釈ができるか?
❸大切な友人が同じことで悩んでいたら、何と言うか?
たとえば、
元のB「自分の意見はいつも的外れだ」
これに対して問い直すと、
・本当に“いつも”なのか?
・相手は意見を否定したのか、それとも別の視点を出しただけなのか?
・一回反対されたことと、自分の価値は同じなのか?
すると、こんな新しいBが見えてくるかもしれません。
新しいB
「同僚は別の見方を示しただけかもしれない」
「意見が違うことと、自分の価値は別の話だ」
「否定されたのではなく、議論が起きただけかもしれない」
この新しいBに変わると、Cも変わります。
C
「少し冷静になれる」
「そこまで自分を責めなくて済む」
「また意見を言ってもいいかもしれないと思える」
この作業は、無理やり前向きになることではありません。
苦しさを生む“決めつけ”を少し緩めることです。
小さな出来事で試すのがコツ
このワークは、最初から大きな悩みでやるより、
小さなモヤモヤで試した方が続きます。
たとえば、
A:友達からLINEの返信が遅い
B:「嫌われたかもしれない」
C:不安になる、何度もスマホを見る
このとき、新しいBとして
「忙しいだけかもしれない」
「すぐ返信できない事情もあるかもしれない」
「返信の速さだけで関係は決まらない」
と考えられると、心は少し軽くなります。
あるいは、
A:挨拶したのに反応が薄かった
B:「無視された」「嫌われている」
C:傷つく、気まずくなる
でも、
「たまたま気づかなかったのかもしれない」
「相手も余裕がなかったのかもしれない」
というBが見つかれば、感じ方はかなり変わります。
ABC理論のワークは、劇的に人生を変える魔法ではありません。
でも、こうした小さな見直しを繰り返すことで、心の重さは確実に減っていきます。
まとめ:心は少しずつ軽くできる
私たちを苦しめているのは、出来事そのものだけではありません。
その出来事に対して、自分がどんな意味づけをしたか。
そこに、心の重さの正体があります。
ABC理論のワークは、とてもシンプルです。
・出来事を書く
・受け取り方を書く
・感情や行動を書く
その考え方を問い直してみる
これだけです。
でも、この「これだけ」が、とても強い。
なぜなら、自分でも気づかなかった思い込みに光が当たるからです。
心が重いとき、私たちはつい
「現実が悪い」
「相手が悪い」
「自分がダメだ」
のどれかにハマりやすくなります。
でもABC理論は、その真ん中にある“受け取り方”を見せてくれます。
そこが少し変わるだけで、人生は少し軽やかになります。
まずは今日、ちょっと引っかかった出来事をひとつだけ書いてみてください。
そこから、心を軽くする練習が始まります。
あとがき
この第四弾は、シリーズの中でもかなり実践的な回です。
理論を知るだけではなく、実際に自分の心で試してみると、ABC理論の価値は一気に実感しやすくなります。
「こんなふうに考えていたのか」
「だから苦しかったのか」
そう気づくだけでも、大きな一歩です。
まず基本から読みたい方へ
【第一弾】ABC理論:介護のストレスはなぜ苦しい?ABC理論でわかる心のしくみ
→【https://note.com/39kaigo/n/ndec641e52fbb】
介護の現場での使い方を知りたい方へ
【第二弾】ABC理論:介護の現場でどう使う?ストレスを軽くする実践ステップ
→【https://note.com/39kaigo/n/nbf68e6e724d2】
利用者さんの怒り・不安・寂しさを理解したい方へ
【第三弾】ABC理論:怒り・不安・寂しさをどう理解する?情動と感情をケアに活かす方法
→【https://note.com/39kaigo/n/n02a0432f8f7b】
ワークの“その先”を知りたい方へ
この記事のワークは、ABC理論を自分の感情整理に使うための、とても大事な入り口です。
でも、書き出してみると気づくはずです。
「自分はいつも、似たような受け取り方をしている」
「結局、同じところで何度も苦しくなっている」
その“いつもの苦しみ方”の正体を、もっと深く知りたい方へ。
有料記事では、ABC理論を単なるワークではなく、世界の見え方そのものを書き換える理論として掘り下げています。
▶︎ 有料記事 https://note.com/39kaigo/n/n1ed5160c5da1
ABC理論の真髄 世界は簡単に変えられる
――感情に振り回されない人が、心の中でやっていること
