【第六弾】ABC理論:「あるがままABCワーク」目の前の状況をあるがまま受け入れる具体的な方法!
「なんでこんなことになったんやろう」
「こんなはずじゃなかった」
「この現実だけは認めたくない」
私たちは、しんどい出来事に出会うと、つい現実そのものと戦ってしまいます。
相手の言葉に腹が立つ。
うまくいかない自分を責める。
思い通りにならない状況に抵抗する。
そして、その抵抗が長く続くほど、心はどんどん苦しくなっていきます。
そんな時に大切になるのが、「あるがままに受け入れる」という姿勢です。
ただ、この言葉は誤解されやすいです。
「受け入れるなんて、あきらめることでは?」
「理不尽なことまで我慢しろということ?」
「無理に前向きになれという話?」
そう感じる方もいると思います。
でも、ここで言う「あるがままに受け入れる」とは、嫌なことを好きになることでも、我慢して飲み込むことでも、何もせずに諦めることでもありません。
まずは、今起きていることを“そのまま認める”こと。
そこから、余計な苦しみを減らしていくことです。
今回はABC理論を使って、目の前の状況や感情を“あるがまま”に受け止める方法を、具体的なワークとして整理していきます。
あるがままを受け入れるとはどういうことか
「あるがままを受け入れる」と聞くと、全部を肯定しなければいけないように感じることがあります。
でも本当はそうではありません。
あるがままを受け入れるとは、今起きている出来事や、自分の感情を、まず事実として認めることです。
たとえば、
・自分はいま傷ついている
・悔しいと感じている
・この状況を受け入れたくないと思っている
・相手にわかってほしいと思っている
こうしたものを、「こんなふうに感じる自分はダメだ」と否定せずに、“そう感じているんだな”と認めること。
これが出発点です。
つまり、「あるがまま」は好きになることではなく、まず認めることです。
ここを飛ばして無理に前向きになろうとすると、心はかえって苦しくなります。
なぜ受け入れると心が少しラクになるのか
私たちがしんどくなる時、苦しみはひとつではありません。
たとえば、仕事でミスをしたとします。
この時の一次的な苦しみは、「ミスをしてしまった」という現実そのものです。
でもそこで、
「こんなミスをするなんて最悪だ」
「ちゃんとできない自分には価値がない」
「こんな現実は認めたくない」
と考え始めると、苦しみがもう一段増えます。
つまり、出来事による苦しみに加えて、それを否定し続ける苦しみ
が乗ってくるのです。
あるがままを受け入れると、この“二重の苦しみ”が少し減ります。
たとえば、
「ミスした。それは事実」
「落ち込んでいる。それも自然」
「今はしんどい。でも、それを認めたうえで次を考えればいい」
こう整理できると、必要以上に自分を追い詰めにくくなります。
受け入れるとは、問題をなくすことではなく、問題に余計な苦しみを上乗せしないこととも言えます。
あるがままに近づくためのコツ
では、どうすれば「あるがまま」に近づけるのでしょうか。
ここでは、日常で使いやすいコツを紹介します。
【1 まず感情を観察する】
最初にやることは、感情を消すことではなく、観察することです。
「いま自分は何を感じているのか?」
「怒っているのか、悔しいのか、不安なのか」
「本当は何をわかってほしいのか」
これを見ていくと、感情に飲み込まれにくくなります。
ポイントは、良い悪いをつけずに見ることです。
「焦っているな」
「かなり傷ついているな」
「認めたくない気持ちがあるな」
これだけでも、心は少し整理されます。
【2 書き出してみる】
頭の中だけで考えていると、感情と事実が混ざりやすいです。
だから、紙やスマホに書き出すのはかなり有効です。
書く内容はシンプルでかまいません。
・何があったか
・自分はどう受け取ったか
・何を感じたか
・別の見方はあるか
この流れで書くだけでも、心のモヤモヤがかなり見えやすくなります。
【3 完璧主義を少しゆるめる】
「こうでなければならない」
「ちゃんとしていなければならない」
という思いが強いほど、現実を受け入れにくくなります。
でも実際には、人生も人間関係も、そんなにきれいには進みません。
だからこそ、
「今日はうまくいかない日もある」
「完璧じゃなくてもいい」
「今はそう感じているだけでもいい」
こうした言葉を持っておくと、受け入れやすくなります。
【4 今この瞬間に戻る】
過去の後悔や未来の不安が強い時は、呼吸や身体感覚に意識を戻すのも役立ちます。
深く息を吸って、ゆっくり吐く。
足の裏が床についている感覚を感じる。
肩や顔の力を少し抜いてみる。
こういう小さなことでも、頭の中のぐるぐるから一度離れやすくなります。
ABC理論で整理する「あるがままABCワーク」
ここでABC理論を使って、あるがままを受け入れるためのワークをしてみます。
ABC理論では、
A:出来事
B:その出来事に対する受け止め方、思い込み
C:その結果として起こる感情や行動
で考えます。
あるがままABCワークでは、ここに
「新しいB」=少し現実的で、少しやさしい受け止め方
を入れます。
ワークの流れはこうです。
A 何が起きたか
B 自分はどう受け取ったか
新しいB 別の見方はないか
C その結果、気持ちや行動はどう変わるか
【ケース1 仕事でミスをした】
A:大事な書類でミスをした
B:
「もう信用されない」
「自分は本当にダメだ」
新しいB:
「ミスは事実。でも、一回のミスで自分の価値が全部決まるわけではない」
「必要なのは自己否定ではなく、確認と改善かもしれない」
C:
落ち込みが少しやわらぐ
次に何をすればいいか考えられる
【ケース2 人間関係でぶつかった】
A:友人と喧嘩した
B:
「もう仲直りできない」
「わかってもらえない自分はダメだ」
新しいB:
「意見が合わないことはある」
「今は感情が強いだけで、関係そのものが終わったとは限らない」
C:
少し冷静になる
今すぐ結論を出さなくてもいいと思える
【ケース3 会議でうまく話せなかった】
A:会議で意見がうまく伝わらなかった
B:
「自分の意見は無価値だ」
「やっぱり自分は人前で話すのに向いていない」
新しいB:
「今日はうまく伝わらなかっただけかもしれない」
「意見がうまく伝わらない日と、自分の価値は別の話だ」
C:
必要以上に自分を責めずに済む
次はどう伝えるかに意識を向けられる
このワークの大事なところは、無理やりポジティブになることではありません。
「大丈夫大丈夫」と気分で押し切るのではなく、今の現実を認めたうえで、自分を追い込みすぎる考え方を少しゆるめることです。
それが、「あるがまま」に近づくということやと思います。
まとめ
あるがままを受け入れるとは、しんどい現実を好きになることではありません。
あきらめることでも、我慢することでもありません。
まずは、
「こういうことが起きた」
「自分はいまこう感じている」
「こう受け取って苦しくなっていた」
と、今の自分と現実を事実として認めることです。
そのうえでABC理論を使うと、
A:何が起きたか
B:どう受け取ったか
新しいB:別の見方はないか
C:その結果どう変わるか
この流れで、自分の苦しみを整理しやすくなります。
現実がすぐ変わらなくても、受け止め方が少し変わるだけで、心の重さはかなり違ってきます。
“あるがまま”とは、完璧に穏やかになることではなく、抵抗や否定を少しずつ手放していくことなのかもしれません。
あとがき
この第六弾は、第五弾の自己受容ともつながる大事な回やと思います。
比べて苦しくなる心を見つめた後は、今度は「目の前の現実そのもの」とどう付き合うかがテーマになるからです。
あるがままを受け入れる、という言葉はきれいですが、実際にはなかなか難しい。
だからこそ、理屈だけではなく、こうしてワークの形にしていくことに意味があると思います。
できれば、しんどい日にこそ、このワークを使ってみてほしいです。
「今、何が起きていて、自分は何を足して苦しくなっているのか」
そこが見えてくるだけでも、かなり違います。
まず基本から読みたい方へ
【第一弾】ABC理論:介護のストレスはなぜ苦しい?ABC理論でわかる心のしくみ
→【https://note.com/39kaigo/n/ndec641e52fbb】
実際にABCワークをやってみたい方へ
【第四弾】ABC理論:人生を軽やかにする、具体的なワーク!
→【https://note.com/39kaigo/n/n21eb7ea9c3e9】
他人と比べて苦しくなる心を整理したい方へ
【第五弾】ABC理論:他人と比べて苦しくなる時、ありのままの自分を受け入れるまで
→【https://note.com/39kaigo/n/n74e0982a5b89】
“あるがまま”を、もっと本質から知りたい方へ
あるがままを受け入れる。
この言葉はやさしいけれど、実際にはとても難しいものです。
なぜ人は現実を否定し続けてしまうのか。
なぜ真面目な人ほど、自分を許せないのか。
なぜ受け止め方が変わるだけで、世界の重さはここまで変わるのか。
有料記事では、“あるがまま”を単なる受容ではなく、
意味づけを書き換えることで世界を変える視点として整理しています。
▶︎ 有料記事 https://note.com/39kaigo/n/n1ed5160c5da1
ABC理論の真髄 世界は簡単に変えられる
――感情に振り回されない人が、心の中でやっていること
