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Amtrak アメリカ鉄道旅 15 シティ・オブ・ニューオリンズ

今回は、シティ・オブ・ニューオリンズを紹介します。この列車はシカゴとニューオリンズを結びます。アメリカの大河・ミシシッピ川と並行して走り、アメリカ音楽の歴史をめぐる旅ではよく使われています。

運行間隔:毎日運行 
運行主要都市:シカゴ - メンフィス - ニューオリンズ
距離:1,503km
時間:19時間30分

アメリカ中心部を南北に走り抜けます

ハイライト

シカゴ発の南行きは夕方出発します。ニューオリンズ出発の北行きは午後の出発です。両列車ともにケンタッキー州とテネシー州は夜行となります。
以下の時刻表は、同じ路線をシカゴからカーボンデールを結ぶSaluki号とIllini号も記載しています。この2つの列車は長距離列車というよりはイリノイ州内を走る近郊列車として機能しています。

シティ・オブ・ニューオリンズの時刻表

座席について

シティ・オブ・ニューオリンズはスーパーライナーでの運行となります。
以下、選べるシートクラスです。
・ロウワー/アッパー・レベル・コーチクラス
・スーパーライナー・ルーメット
・スーパーライナーベッドルーム
・スーパーライナー・ベッドルーム・スイート
・スーパーライナーファミリールーム
・アクセスブル・ベッドルーム

食事について

個室利用者には、以下のような食事のサービスがついています。
シカゴ発南行きは夕食と朝食が提供されます。
ニューオリンズ発北行きは、夕食、朝食、昼食が提供されます。

シティ・オブ・ニューオリンズの食事メニュー

コーチクラスの乗客はカフェ・カーで食事を購入できます。もちろん個室利用者も利用できます。メニューはこのような感じです。

カフェ・カーのメニュー

注意点

・WiFiはありません。
・昼間運行するのはミシシッピ州だけです。
・個室利用者は酒類の持ち込みが可能です。
・スーパーライナー車両での運行です。

秋の紅葉の中を走るシティ・オブ・ニューオリンズ

乗車記 シカゴへ

ニューオリンズ New Orleans, LA – Union Passenger Terminal (NOL)
南北戦争前は、綿花の栽培が行われていて、労働力としてアフリカからたくさんの奴隷が連れられてきました。ここで奴隷文化が芽生えます。比較的奴隷に寛容だったフランス移民たちは、奴隷たちに週末、音楽の楽しみを許可しました。ここで生まれたのがジャズやブルースの原型です。
今ではニューオリンズは世界的な観光地となっていて、バーボン・ストリートと呼ばれる中心街はいつも賑わっています。そして当時のジャズや現代的なジャズが毎晩ライブハウスで演奏されています。
列車はアメリカの中でもちょっと異質な街を起点にシカゴに向かいます。
アムトラックのニューオリンズ駅は古く、アメリカ南部の雰囲気をとどめています。出発は13時45分です。ホテルで朝食を摂り、チェックアウトして駅に向かうのが良いでしょう。ランチは駅で食べるか、列車が出発したらカフェカーで購入しても良いでしょう。個室利用者にはマグノリア・ルームというラウンジが用意されていました。
今回、私はベッドルームという個室での旅なのでラウンジが利用できました。ラウンジは快適ですが食事などはなくスナックと飲み物がある程度でした。

ニューオリンズを出発すると、右手に空港を見ながら通り過ぎ、いきなりこの列車の最大の見どころを通過します。ニューオリンズの北には大きな湖が広がっています。アメリカで汽水湖としては2番目の大きさを誇るポンチャートレーン湖。アムトラックは、この湖の真ん中を突っ切って走ります。湖の中に長い橋を作り、そこを走るのですが、車窓からの景色は高速船に乗って水の上を進んでいるように感じます。この不思議な感覚はこの列車に乗る醍醐味です。ここではじっくりと時間をとって景色を楽しみました。

ハモンド Hammond, LA (HMD)
ポンチャントレーン湖を過ぎるとハモンドという駅に止まります。周りには特に何もなくアメリカ南部の小さな町です。この辺りではイチゴの生産をしているそうで、全米にイチゴを出荷しています。車窓からはいちご畑は見えず、沼地のようなところを進みミシシッピ州に入ります。

マッコンブ McComb, MS (MCB)
昔のアメリカ南部は、こんな感じだったんだろうなあと思えるほど貧しい南部の景色が広がっています。治安が悪そうですが人口も多くないので犯罪すらないのでしょう。車窓から見る景色はちょっと悲しくなるくらいです。

ラウンジカーに移りました。窓が天井に繋がっていて景色がよく見えます。時間によっては満席のこともありますが、乗客同士が譲り合って利用していました。ミシシッピ州は、それほど景色が変わらず、南部の寂しい街を通り過ぎていきます。

ジャクソン Jackson, MS (JAN)
ミシシッピ州ジャクソンに到着します。ここはミシシッピ州の州都であり、大きな都市です。ここでスモークストップとなります。通常は15分程度の停車となるので、列車から降りて駅舎やプラットホームで深呼吸できます。私の乗ったシティ・オブ・ニューオリンズは10分早くついたので、この駅では25分停車していました。

この辺りで夕食となります。食事は、ダイニングカーで食べても部屋で食べても良いです。私はダイニングカーで食べました。アメリカ人のご夫婦と相席になり、会話を楽しみました。食事は無難にチーズバーガーにしましたが、他の料理も美味しそうでした。他のアムトラックとでは見かけないメニューが多く、せっかくならこれらをトライすべきでした。

グリーンウッド Greenwood, MS (GWD)
この辺りはミシシッピデルタの北限だそうで、優良な綿花が採れることで有名だそうです。この駅で乗務員の交代があります。その間停車するのでプラットホームに出られます。サービススタッフは全線同じ人だったようです。

ベッドルームについて記します。部屋はルーメットよりも広く快適です。ただ列車自体が古く、軋み音がします。軋む箇所を探してタオルなどで押さえれば音がしなくなります。部屋にはシャワー付きトイレがついています。ただシャワーを浴びるとトイレ自体が濡れてしまいます。そして水が部屋に漏れてきたりします。私は、シャワーは部屋のものを使わず、共有シャワーを使いました。部屋の電気は変な色(青)でした。これはむしろ眠れないので私は使いませんでした。そのほかは概ね快適でした。

メンフィス Memphis, TN – Central Station (MEM)
テネシー州メンフィスに夜10時40分に到着しました。大きな駅で、駅には人も車もたくさん来ていました。警察も複数人警官を配置しているので駅の中は安全のようでした。メンフィスはプレスリーで有名な街ですが、治安が良いとは言えないので、ここで降りる場合は、タクシーなどを利用した方が良いでしょう。

この駅でディーゼルの給油を行うのでしばらく止まります。

アテンダントがベッドメイクをしてくれました。
多くの乗客がこの辺りから就寝となります。

チャンペーン Champaign-Urbana, IL (CHM)
朝、起きるとイリノイ州に入っていました。シカゴまであと3時間を切っていました。朝食を摂りにダイニングカーに向かいました。朝食はフレンチトーストです。ニューヨークの美味しいレストランで食べるフレンチトーストとは別物ですが、これはこれで美味しいです。

夜が明けていく車窓からの景色が美しかったです。朝霧に霞むイリノイ州は、広大な畑や綺麗な森林、そして裕福な農村の風景が入れ替わり見えてくるのです。昨夜のミシシッピ州とはかなり異なる景色に感動しました。

ホームウッド Homewood, IL (HMW)
駅に立つ給水塔に「Home Sweet HOMEWOOD」と記されていました。シカゴの前の最後の駅です。この辺りはシカゴの郊外です。畑と住宅が半々くらいですが、近くに大都市があることを予感させてくれます。

シカゴの駅手前でシティ・オブ・ニューオリンズはデルタ線に入り、バックしてシカゴ駅を目指します。これは直接駅に入る線形ではないためで、今後改修が行われるそうです。

シカゴ Chicago, IL – Union Station (CHI)
19時間30分も乗っていたのですが、ほぼ夜だったのであっという間の到着です。もしかしたらベッドルームという快適な部屋とベッドのおかげで疲れなかったのかもしれません。そしてアテンダントの方々の親切さに感動しました。彼らのおもてなしの心も、この路線を思い出深い旅にしてくれたのだと思います。

停車駅について

  • Chicago, IL – Union Station (CHI)

  • Homewood, IL (HMW)

  • Kankakee, IL (KKI)

  • Champaign-Urbana, IL (CHM)

  • Mattoon, IL (MAT)

  • Effingham, IL (EFG)

  • Centralia, IL (CEN)

  • Carbondale, IL (CDL)

  • Fulton, KY (FTN)

  • Newbern-Dyersburg, TN (NBN)

  • Memphis, TN – Central Station (MEM)

  • Greenwood, MS (GWD)

  • Yazoo City, MS (YAZ)

  • Jackson, MS (JAN)

  • Hazlehurst, MS (HAZ)

  • Brookhaven, MS (BRH)

  • McComb, MS (MCB)

  • Hammond, LA (HMD)

  • New Orleans, LA – Union Passenger Terminal (NOL)

最後に

雄大な河川・ミシシッピ川と並行して走るアムトラック、シティ・オブ・ニューオリンズ。ミシシッピ川は、かつて物流の柱であったことから、アメリカ建国時より重要なルートとして確立されていました。物流が船から鉄道に変わった時に使われていた線路を通るのがこの列車です。現在は、物流がトラックに変わってしまったので、鉄道と並行して走る州間高速道路が賑わっていますが、まだまだ鉄道による輸送も行われていることが、列車に乗ってみると実感できます。

私はあえてニュー・オリンズからシカゴに向けて列車に乗ってみました。これには理由があります。アメリカで産声を上げたJAZZが、この列車と同じルートを北上し、カントリー、ブルースが生まれ、ロックが派生し、シカゴに伝わっていったからです。そして奴隷が解放された時もニュー・オリンズから逃げ出した奴隷たちは、このルートを辿ってシカゴを目指したからです。アメリカの歴史に残る北へのルートを辿ることで、今まで読んできた歴史小説やアメリカ映画を追体験できました。

みなさんもニュー・オリンズから途中下車しながらシカゴまでの旅を楽しんでみてはいかがでしょう。

各回テーマ:
01 アムトラックの旅
02 アムトラックの路線
03 アムトラックのチケット購入・座席の種類
04 アムトラックの駅
05 エンパイア・ビルダー号
06 カリフォルニア・ゼファー号
07 サウスウエスト・チーフ号
08 コースト・スターライト号
09 アセラ号
10 エンパイア・サービス号
11 レイク・ショア・リミテッド号
12 メープル・リーフ号
13 シルバー・サービス号(シルバー・メテオ号 / シルバー・スター号)
14 キャピタル・リミテッド号 / フロリディアン号
15 シティ・オブ・ニューオリンズ号
16 サンセット・リミテッド号
17 テキサス・イーグル号
18 クレセント号
19 カージナル号
20 ノースイースト・リージョナル号

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