占い師天童美沙のDV対策
K市のある高級マンションの一室。
「日美香、今日のお客様はどなたかしら?」
占い師天童美沙がコーヒーを飲んで言った。
「はい、鈴木圭子さんからのご紹介の方です」
日美香がそう言うと二人の女性が現れた。
鈴木圭子と中年の女性であった。
「ようこそ、天童美沙万相談所へ」
鈴木圭子は以前と違い凛々しくなっていた。
ストーカーに怯えていた時とは、別人のようであった。
以前美沙が彼女をストーカーから救ったことがあったのだ。
「美沙さんの紹介で、今くノ一教室へ通っていますが、大分鍛えられて強くなりました」
「くノ一の基本を身につければ、男なんかには負けませんわ」
美沙がそう言うと、中年の女性が頭を下げた。
「私杉田春子と申します。今日は主人の暴力にどう対応すればよいのかご相談に参りました」
よく見ると、春子の顔には殴られたような傷があった。
「知り合いの春子さんからDVの相談をされた時に、美沙さんなら解決できると思ったのです」
圭子は春子の顔を見ながら言った。
「水晶玉であなたの生活を少し見させてもらいましたが、激しい暴力を受けていますわね。許せませんわ。あなたのお悩み解決してみせますわ」
日美香が料金を示すと、
「こんなにお安くてよろしいんですか」
「大丈夫。裕福なお客様がたくさんおりますから、ご心配ご無用ですわ」
「こんな時間までどこをうろついていたんだ。飯はまだか」
杉田次郎が女房の春子を殴りつけようとした時、目の前に見知らぬ美女が二人突然現れた。
美沙と日美香であった。
「なんだ、お前ら人の家に黙って入ってきて」
次郎が美沙に殴りかかろうとしたが、体が動かない。
美沙が宙に向かって右手人差し指をピンと弾くと、次郎が春子を見て叫んだ。
「鬼だ、鬼女がいる。助けてくれ~!」
次郎はそのまま転げるように家から出て行った。
春子は何が起こったのかわからずポカンとしていた。
「あなたのご主人に鬼見の術をかけたのですわ」
「オニミの術?」
「あなたの顔が角の生えた鬼女に見える術ですのよ」
「言っている意味がよくわかりません」
「あなたのご主人は二度とあなたの前には現れませんわ。怖くてあなたに近寄れないと思いますわ」
「よくわかりませんけれど、助かりました。でも主人は一生その術から解放されないのですか?」
「あなたへの負の感情がなくなったら解けますわ。よろしいかしら」
美沙はそれだけ言うと、日美香とともに消えるようにしていなくなった。
【終わり】
占い師天童美沙対火吹き男爵・雨降れ祭り|萩武
占い師天童美沙対狼男|萩武
占い師天童美沙の微笑み返し|萩武
妖精壁野魔子とハッピーラブストーリー|萩武
昭和世界からこんにちは|萩武
いいなと思ったら応援しよう!
応援よろしくお願いいたします。これからもよろしくお願いします。