何が専門ですかと聞かれるとどう答えるか
「何が専門ですか」と聞かれると、少し答えに迷います。
薬局、病院、大学、そして再び薬局と、さまざまな立場で仕事をしてきたからです。
振り返ってみると、自分で専門を選んできたというより、そのとき必要とされた仕事に取り組む中で、少しずつ今の自分が形作られてきたように思います。
今回は、そんな私の歩みを紹介したいと思います。
今までやってきたこと
最近、いろいろな方にフォローしていただくようになり、「どんな仕事をしてきたのですか」と聞かれることもあります。
私は薬局、病院、大学、そして再び薬局と勤務してきました。
薬剤師として日常業務を行う一方で、その時々に必要とされた仕事にも取り組んできました。
振り返ってみると、それらは大きく「研究」と「研究以外の業務」に分けられるように思います。
今回は、その中でも研究以外の仕事について紹介します。
研究以外の業務
薬剤師には、幅広く患者さんに対応するジェネラリストとしての役割と、特定の分野を深く担当するスペシャリストとしての役割があります。
もちろん、その境界ははっきりしているわけではありません。
今回は、私が担当してきた研究以外の専門的な業務について振り返ります。
漢方
若い頃は、漢方薬局を開業することが夢でした。
そのため、30歳頃までは漢方を中心に勉強していました。
しかし、自分で事業を始めるだけの度胸も経験もなく、その夢は実現しませんでした。
その後、ご縁があって病院へ就職することになりました。
今振り返ると、この選択がその後の人生を大きく変えたように思います。
糖尿病
病院では、糖尿病療養指導チームに参加しました。
ちょうどチームが立ち上がる時期と私の入職時期が重なり、担当することになったのです。
実は、それまで私は糖尿病について十分理解していたわけではありません。
「血糖値が高くなる病気」程度の知識しかありませんでした。
しかし、このチームで学び、患者さんと関わる中で、糖尿病という病気を深く理解できるようになりました。
現在の私の健康情報の発信は、この経験が土台になっていると思います。
また、リーダーであった医師のご指導もあり、日本糖尿病療養指導士認定試験の第1回試験に合格することができました。
薬剤の投与・使用方法
糖尿病では栄養過多が問題になりますが、一方で栄養不足に悩む患者さんも少なくありません。
高齢になると低栄養によって褥瘡ができやすくなり、食事が難しくなると胃ろうや中心静脈栄養が必要になることもあります。
こうした患者さんを支えるのは、多職種によるチーム医療です。
私は、その中で胃ろうから薬を安全に投与する方法について取り組みました。
この経験をきっかけに、薬剤の投与方法や使用方法について研究や情報発信を行うようになりました。
医療安全
病院勤務時代から携わってきたのが医療安全です。
薬剤部から委員を出す必要があり、私が担当することになりました。
医療安全は、知識だけではなく、考え方を病院全体に広げていくことが大切です。
私は強く押し切るタイプではありません。
だからこそ、少しずつ考え方を伝え、理解を広げる役割だったのではないかと思っています。
大学へ移ってからは、この経験が思いがけない形で役に立ちました。
医療安全の講義を担当することになり、委員会で学んだことを学生に伝えることができたからです。
薬剤師のキャリア支援
大学では、学生の就職支援も担当しました。
薬局や病院との連携を進め、学生が安心して就職活動に取り組める環境づくりを行いました。
また、登録販売者試験の受験支援も担当しました。
研究とは違う仕事でしたが、学生と一緒に将来を考える貴重な経験になりました。
アンチエイジング
現在、特に興味を持って取り組んでいるのがアンチエイジングです。
現時点では研究テーマというより、自分自身で実践しながら学んでいる分野です。
ただ、高齢者を対象としたコホート研究には以前から参加しており、その経験も現在につながっています。
私は、アンチエイジングの情報をうのみにすることはありません。
「根拠がある」と言われていても、それはその時点で得られている根拠だからです。
だからこそ、実践しながら最新の知見を確認し、自分なりに考え続けたいと思っています。
そして、その過程も含めて情報発信していきたいと思っています。
まとめ
・専門は、自分で決めたというより、経験の積み重ねの中で形作られてきた
・担当することになった仕事が、その後の自分の土台になることは少なくなかった
・病院、大学、薬局での経験は、それぞれ違う形で今の活動につながっている
・研究だけでなく、現場での実務経験も大きな財産になっている
・これからも経験と研究の両方を生かし、健康寿命を延ばすための情報を発信していきたい
