無料Officeへ移行できるか、検討してみた
無料Officeだけで十分なのかを、自分の利用環境を前提に検討してみました。
互換性やフォント、ライセンスまで考えると、意外な結論になりました。
もしライセンスが使えなくなったら
私は来年度で定年を迎えます。
その後どうなるかは、まだ決まっていません。
再雇用される可能性もありますし、資金面などを考えて退職を選ぶ可能性もあります。
現時点では何も決まっていませんが、「もし大学のMicrosoft 365が使えなくなったらどうするか」を一度シミュレーションしておくことにしました。
転ばぬ先の杖です。
ライセンスが使えなくなることを考えると、意外と見落としがちなのが「Officeソフトをどうするか」という問題です。
在職中は大学のライセンスでMicrosoft 365を使っています。
しかし、そのライセンスが使えなくなれば、自分で環境を用意しなければなりません。
一方で、今後も文章を書いたり講演をしたりする機会はあるでしょうし、研究をまったくしなくなるとも思えません。
今回は、そのあたりの落とし所を整理してみました。
大学のMicrosoft 365は在籍中だけ
大学経由のMicrosoft 365は、在籍中だけ利用できる契約です。
ライセンスが失効すると、Word・Excel・PowerPointは編集できなくなります。
そこで、いくつかの候補を考えてみました。
私は現在、基本的にMacで仕事をしています。
とはいえ、写真整理など、一部の作業はWindowsで行っています。
そのため、Mac版とWindows版の両方があることが望ましいと考えました。
今のところWindowsでは写真整理くらいしかしていませんが、パソコンを切り替えるのが面倒になり、そのまま文書作成もする可能性を残しておきたいと思ったからです。
代替になるOffice
候補として挙がったのは、LibreOffice、ONLYOffice、そしてMac標準のiWork(Pages・Numbers・Keynote)でした。
これらはいずれも無料で利用できます(iWorkは基本機能のみ)。
LibreOfficeは完全無料のオープンソースで、広告も一切なく、機能の幅広さも申し分ありません。
ONLYOfficeも広告がなく、Word文書を開いたときの体裁崩れが比較的少ないという評判でした。
文書作成・表計算・プレゼンテーションという基本機能はしっかり備えています。
ただし、現時点ではLibreOffice、ONLYOfficeともにプレゼンテーションを動画として書き出す機能には対応していませんでした。
一方、iWorkは他社ファイルとの互換性ではLibreOfficeやONLYOfficeに一歩譲るようです。
ただし、Keynoteはプレゼンテーションを動画として書き出すことができます。
ここまで検討した結果、日常の文書作成はLibreOfficeかONLYOffice、プレゼンテーションの動画化はKeynoteという組み合わせが良さそうだと考えました。
フォントについても、ライセンスを気にせず使えるNoto Sans JPやNoto Serif JPで代用する方針を考えました。
それでも残るフォントの問題
ここまでの検討で一通り解決したように思えたのですが、実際に運用を考えると、一番の問題として残ったのがフォントでした。
学内で指定される文書フォーマットは、たいていMS明朝(Pあり・なし)です。
これに加えて私は、MSゴシック(Pあり・なし)やMeiryo UIも利用しています。
おそらく、互換性の問題から大学教員でなくなっても使うのは、これらのフォントと游明朝、游ゴシックだと思います。
これらのフォントは、LibreOfficeやONLYOfficeでも技術的には利用できます。
しかし、MSゴシック(Pあり・なし)やMeiryo UIはライセンスの範囲から外れる可能性があります。
フォントは見た目が似ていればよいというものではありません。
権利関係が曖昧なまま使い続けるのは避けたいところです。
もう一つ気になったのは互換性です。
LibreOfficeやONLYOfficeで作成した文書を、共同研究先や企業にWordやPowerPoint形式で提出する場合には、最終的にMicrosoft Officeで見た目を確認したくなる場面があるでしょう。
互換ソフトでは問題なく見えていても、本家のWordやPowerPointでレイアウトが崩れていては困ります。
レイアウトの崩れはアプリの違いだけでなく、フォントの違いも影響します。
完全に防ぐことは難しそうです。
結局、Microsoft 365 Apps for businessが現実的
こう考えていくと、LibreOfficeやONLYOfficeにKeynoteを組み合わせるだけでは、私の使い方では少し不安が残ります。
調べてみると、一番安い契約はMicrosoft 365 Apps for businessの年払いでした。
年間料金は、税込で渋沢さん2枚ほどです。
無料環境への完全移行を目指して検討してみましたが、実際の運用を考えると、このくらいの出費は仕方ないのかもしれません。
Microsoft Officeが今も事実上の標準である以上、安心して仕事を続けるための必要経費として考えるのが現実的だという結論になりました。
まとめ
・無料Officeでも日常的な文書作成の多くは対応できる
・プレゼンの動画化はKeynoteが有力な選択肢になる
・フォントのライセンスと互換性は見落としやすい課題である
・Microsoft Office形式でやり取りするなら最終確認環境があると安心である
・将来の変化に備え、一度シミュレーションしておくことが転ばぬ先の杖になる
