「おめさん、はつめらねぇ」90歳おばあちゃんのあたたかい言葉を残したい【新潟方言】
我が家の裏の畑が
今年から耕作放棄地に変わりました。
2軒隣の家に90歳を超える
おばあちゃんが住んでいます。
(親戚ではなく単なるご近所さん)
そのおばあちゃんの畑だった場所が
今は雑草が生い茂る野原に
変わってしまいました。
とても元気なおばあちゃんで
昨年まではよく畑でその姿を見かけていました。
ですが、90歳を超えさすがに
一人で畑をするのが大変になったらしく
今年から畑の面積を大幅に減らしたそうです。
その結果が、耕作放棄地となった裏の原っぱです。

畑が野原になったせいで
以前ほど会えなくなったおばあちゃん。
そんなおばあちゃん家のお庭には
立派な柿の木が生えていました。
秋の深まりとともに
柿の実もオレンジ色に色づき
とても輝いて見えました。

ちょうどこの頃
私がたまたま見かけた本の中で
「柿で酢が作れる」という話を知りました。
「作ってみたい!
けど、あれだけ近所に柿があるのに
買うのも気が引けるな・・・」
そんなときは私の義母の出番です。
私「どなたか柿譲ってくれる人はいませんかね?」
義母「う~んどうかな~」
一旦はそっけなく答える義母。
ですが、義母は私のちょっとした思い付きに対し
いつだってものすごい人間力を発揮してくれます。
思い付きで粟を種から育てた時も
一緒に脱穀まで手伝ってくれたり
とても頼りになる人なんです。
粟の話はこちら↓
さらに
これまで築いてきた地元の人脈を生かし
見事にモノをゲットしてくれる”技”を持っています。
今年の春は義母の人脈のおかげで
大量の梅をゲットしました。
その時の様子はこちら↓
そして今回の柿の件。
やっぱり義母は魅せてくれました。
「おばあちゃんが柿もぎするって。
分けてもらえるから入れ物持ってきなさい」
柿が欲しいとつぶやいた2日後の出来事でした。
やり手の義母のおかげで
あのおばあちゃんの柿を
分けてもらえることになりました。
***
90歳を超えているのにとても元気で
優しい雰囲気が駄々洩れしている
2軒隣のおばあちゃん。
私もこっそり大好きなおばあちゃんです。
そんなおばあちゃんに見守られる中
高枝切バサミを使いながら
木から柿をもいでいきます。

初めての高枝切バサミにてんやわんやしながら
私「これだけあれば足りますかね?」
義母「3キロくらいならこれくらいで大丈夫じゃない?」
という私たちの会話を聞いて
「おめさん、何をするんだい?」
とおばあちゃん。
「柿酢が作れるらしいんで作ってみようと思って」
私がそう答えると
おばあちゃんは言いました。
「おめさん、はつめらね~」

え?はつめ!?
説明しよう。
「はつめ」とは・・・
まめ・手先が器用・器用な(人)の意。
新潟県の方言なのである。
訳すと「あなた、まめな人ですね~」
という意味になります。
私、新潟育ちですが、この言葉は知りませんでした。
でも、大好きなおばあちゃんが言ってくれた
とってもあたたかい言葉。
たった一言だけど
心がじんわりあたたかくなった気がしました。
毎日のように畑でずっと頑張ってきた
おばあちゃんのその姿こそが
本物の”はつめ”だと思います。

それなのにそんなおばあちゃんが
私に言ってくれた言葉
はつめ
言葉としての意味だけでなく
おばあちゃんとの思い出がこの言葉に含まれています。
たまに畑で見かけて
時折言葉を交わすだけの関係だけど
とても優しくて
私も年を重ねたら
あんなおばあちゃんになりたいなと
思わせてくれる
素敵なおばあちゃん。
きっとこの先いつかは
おばあちゃんがいなくなる日が来るけれど
この言葉はきっと忘れないと思います。
そして忘れたくないからこそ
今日ここでこの話をすることにしました。
私は方言を残したい
今や、その町にまつわる方言は
どんどん失われていっています。
テレビでも学校でもどこでも使われるのは「標準語」
時を重ねるほど方言を使う人が減っていくのは
仕方がないことかもしれない。
でも
その町に住んでいた人の記憶は消えないし
それぞれの町には
これまで生きてきた人たちの”何か”が残っている。

目に見えないけれど
昔から続く”バトン”みたいなものは
ずっと受け継がれていくものだと私は思います。
方言も一種の”バトン”だと思うんです。
その人から発せられる”何か”が込められています。
標準語では伝わらない
人の”あたたかみ”が込められています。
その町の人にしか分からない
微妙なニュアンスが込められています。
その町だけの”色合い”が感じられる
特別な言葉が方言だと思うんです。
だから方言は失われて欲しくないんです。
もちろん方言に限らず
町に残る大切な宝を次世代にも残したいと思っています。

そんな思いを持つ地元の方々と
とある活動を始めています。
始まりは
「新潟市秋葉区目指せインフルエンサー」
というワークショップ。
今年はいよいよ何かしらの形になりそうです。
地元の方言もそうですし
文化財に、今も残る町のレトロ
おじいちゃんおばあちゃんなどの「人」
他にもたくさんの
「このままでは失われてしまうかもしれないもの」
を残していく場を作りたいと考えています。
地方だからこそ色濃く残る
その地の”味わい”のようなもの。
このnoteでもたまにはこちらのお話も
お伝えしていければと思っています。
・・・って、ちょっと活動報告みたいな感じに
なってしまいましたね。
それでは
せっかくここまでお読みいただいたので
最後に質問です。
あなたが残したい言葉は何ですか?
方言でも日本語の中から選んでも大丈夫です。
30秒だけ考えてみてください。
よろしければ私にも教えてくださいね。
それでは今後とも
新潟の綺麗道をよろしくお願いいたします。
火曜金曜更新中
綺麗道こと古川綾子でした。
あなたのスキ&フォローが励みになっています。
追伸
おばあちゃんの柿で作った柿酢の進捗状況


固い柿はまだ残っていますね
柿酢記事はまた別で書きたいなと思っています。
はつめの原点手作り系記事↓
🔶見つけたら即買い。塩分控えめ安心な無添加タラコが手に入る一番簡単な方法。
🔶「野草」が食べたくなる秘密。アク抜きいらず手軽にできる食育&家族時間のススメ【初心者向け】
🔶これであなたもデキる嫁。漬物初心者が挑む大根の漬物4選【保存版】ずぼらでも美味しくできて家族も驚いたオススメのお漬物とは?
🔶【保存版】初心者さん向け3ステップ干し野菜。家にあるもので今日から干しちゃおう
🔶備蓄リストの新提案。1年間常温保存可能な玉ねぎ~芽が伸びた去年の玉ねぎを食べたレシピとは?
🔶自家製びん詰でとりあえず冷凍から卒業。備蓄の選択肢に入れとこか。常温保存は魅力的
🔶【醸し部】3年越しに長期熟成されていた手作り醤油を絞ってみた。絞り方と搾りかすの実践編。
◆【実録】ずぼらが挑戦。手作り味噌キット実践レポ|大豆を早くつぶす方法を徹底比較。より手軽に作るには?
新潟記事をいくつか抜粋してみました↓
新潟ってこんなところ
◆【新基準を提案します】1ニイガタ大きさ実験
🔶【世界に誇るものづくり】燕三条工場の祭典2021~日本の伝統を守るためにできることは?
🔶田舎を選んだ理由を考えたら人生の質が上がった話【新潟人いなか論】
◆新潟・菊水酒造の蔵見学で知った心豊かな暮らしのためにできることとは
🔶【新潟ぽんしゅ】なぜ新潟は日本酒のメッカなのか?気候が生み出すその魅力を語る
◆素人が梅エキスを作ってみたら自分を呪うことになった件[やっちまって後悔](7月)
新潟市秋葉区の取り組み↓
①【まちづくり】「目指せインフルエンサー」ですか?新潟市秋葉区の取り組みがおもしろい
②【まちづくり】新潟市秋葉区から始まる人とまちのつながり~第2回目指せインフルエンサー
③まちづくりから学ぶ【伝わる情報発信】のコツ披露。伝えたいだけじゃダメなの?~新潟市秋葉区の取り組みから
④【まちづくり】まちらしさは残すべき文化遺産。これいいねからはじめる新潟市秋葉区の取り組み
⑤スキがわからないから書けない?noteのおかげで私の町を好きになった話。新章スタート
いいなと思ったら応援しよう!
サポートしてくれなんて滅相もありません。
もしそんな奇特な殿方・ご婦人がいらっしゃった場合は、感謝しすぎて鼻血が出ることでしょう。(出なかったらすみません)
そして大切なお気持ちは ”恩送り” に使わせていただきます。愉しくて温かい ”和” が広がりますように。