「底値で買えない」1億を超えた効率厨サラリーマン流「敗者の投資術」【新NISA・長期投資】
一生懸命考えた自分が負けて、何も考えなかった自分が勝った。
こんな経験、したことありますか。
私はあります。しかも投資で。
しかも同じ銘柄ファミリーで、同時期に。
順番に話します。
私、効率厨なんです。
自覚があります。
仕事でも、プライベートでも、
「どうせやるなら最善の方法で」
と考えてしまうタイプ。
最短ルートを探したい。
無駄を省きたい。
最適解を出したい。
これ、日常生活では別に困らないんですよ。
むしろ役に立つことのほうが多い。
ただ、投資においては、
この性格が、盛大に裏目に出ました。
コロナ暴落のとき、現金を持っていた。持っていたのに、動けなかった。
2020年春。相場は急落していました。
当時、定期預金にそれなりの現金がありました。
「暴落は買いのチャンス」という話は知っていたし、頭では「今だ」とわかっていた。
でも、体が動かなかった。
理由は単純で、
「どこが底かわからなかった」からです。
効率厨としては、
「どうせ買うなら底値に近いところで入りたい」
わけです。
でも見通しが立たない。
まだ下がるかもしれない。
もう少し待てばもっと安く買えるかもしれない。
この思考ループが止まらなくて、
暴落の最中は結局何もできないまま、
相場は回復していきました。
効率厨にとって、これが一番きつい。
「あのとき動いていれば」が頭から離れない。
結果論だとわかってる。
でも効率厨はどうしても計算してしまう。
あのタイミングで10万入れていたら。
20万だったら。
数字が出るたびに、じわじわ後悔が積み上がる。
チャンスを前にして動けなかった。
効率を追い求めるくせに、
一番非効率なことをしていた。
……考えるのやめました(笑)。
しかも同時期、もっと恥ずかしい話があります。
FANG+のレバレッジ商品を
20万円分持っていました。
コロナ暴落で10万円台まで沈んだとき、
私はちゃんと考えました。
チャートを見て、ニュースを読んで、
「このまま持ち続けるのはリスクが高い」
と判断して、損切りしました。
一方、同じFANG+のレバレッジなしも20万円分持っていました。
……あれ、なんで同じようなもの2つ持ってるの?という声が聞こえてきそうですが、これは迷走していた時期の話なので、ツッコミは野暮ということで(笑)。
話を戻します。
レバレッジなしのほうも当然下がっていた。
でも、なんか……めんどくさくなって、
放置しました。根拠はゼロです。
結果。
【効率厨の惨敗記録】
・考え抜いて損切りしたFANG+(レバレッジ有): 10万円の損失。
・面倒で放置したFANG+(レバレッジ無): 30万円の利益。
→ 「考えない自分」が
「考えた自分」に圧勝した。
笑っていいのか泣いていいのかわからないんですが(笑)、この経験が「タイミングを図ろうとすること自体、意味がないのかもしれない」と気づいたきっかけの一つです。
考えれば考えるほど、正解から遠ざかる。
それが私という人間でした。
トランプ関税のとき、また同じことが起きた。
以前の記事でも少し触れましたが、
2025年春のトランプ関税ショックでも、
私はまた動けませんでした。
コロナのときの教訓もある。
「次こそちゃんと動けたら」と思っていた。
でも、含み益への課税、NISAの枠、
底値の読めなさ……考えれば考えるほど、
全ての選択肢に「でも」がついてくる。
効率厨が顔を覗かせて、
結果、また何もしませんでした。
下落そのものに対する狼狽はありませんでしたが、買うという行動はできませんでした。
コロナから5年。何も成長していない(笑)。
2回目で、腹をくくった。
1回目のあと
「次は動けるようにしよう」と思っていた。
でも2回目も全く同じことが起きた。
そこで初めて、腹をくくりました。
「これ、性格だわ。」
意志が弱いわけじゃない。
メンタルが足りないわけでもない。
効率を求めすぎるあまり、不確実な局面では最善を選べずフリーズしてしまう——これが自分という人間の特性なんだ、と。
で、開き直りました。
克服するんじゃなくて、前提にしよう。
この特性を織り込んだ仕組みを作ればいい、と。
弱さは欠点じゃない。設計の材料だ。
この考え方に切り替えた瞬間、
投資がぐっと楽になりました。
そこから生まれた仕組みが、3つあります。
この記事で
ポートフォリオの「結果」は公開しました。
今日はその「理由」の話です。
① リバランスはしない、と決めた。
「偏っても死なない比率」で最初から設計して、あとは基本動かさない。
コロナ暴落のとき、
私は「売らずに耐える」ことはできた。
でも「下落局面で買い増す」という行動は、
最後までとれなかった。
2回試みて、2回できなかった。
だったら、
そもそもリバランスが必要ない設計にすればいい。
動けない自分を毎回責めるより、動かなくていい仕組みを一度作るほうがずっと早い。
② 現金比率を低く保つ、と決めた。
現金があると「底値で使いたい」と思ってしまう。
でも底値はわからない。
わからないから、
手元に現金があるたびにフリーズする。
だったら、誘惑ごと消してしまえ。
生活防衛資金は別途確保したうえで、
投資に回せるお金は市場に入れ続ける。
「いつか底値で動こう」
という選択肢を最初からなくした、
という感じです。
③ 趣味枠を作った。
効率厨って、
メインエンジンもいじりたくなるんですよ。
「もう少し最適化できるんじゃないか」
「この比率、変えたほうがよくないか」と、
触らなくていいところに手を伸ばしたくなる。
自分なりに考えた理由はちゃんとある。
でもその理由が正しいかは別で(笑)。
「最適化したい」という衝動が先にあって、
理由が後からついてくるパターンが、
私には多い。
だから逃がし場所を作りました。
それが趣味枠です。
感情で動いていい枠を意図的に用意することで、メインを守る設計です。
個別株は3銘柄持っていて、
うち2銘柄が趣味枠です。
どちらも買った理由は「好きだから」。
合理性は薄い。でもそれでいい。
1銘柄は6年ほど前に買いました。
気づいたら趣味と呼ぶには少し気が引ける金額になっていて、今は将来のリバランス原資として役割を更新しました。
買った理由と今持っている理由が違う。
この役割更新は、趣味枠だったものが、含み益が大きくでて戦略的に使う枠に昇格した状態というイメージが近いです。
ただ、下落局面では絶対に役割を更新しません。
後付けで理由を作る罠にはまるだけなので。
もう1銘柄は1年ほど前に買いました。
今は含み損が出ています。
でも特に何も感じていません(笑)。
趣味と割り切っているから「まあそういうこともある」で終わり。
趣味枠があるから、メインを触らずにいられる。
ガス抜きがあるから、仕組みが守られる。
効率厨の私には
地味に重要な設計だと思っています。
「続かないのは意志が弱いんじゃなく、仕組みが合っていないだけ」
ここまで読んで、
「自分も似たような失敗をしたことがある」
と感じた人はいますか?
もしいたなら、それはあなたの意志が弱いわけじゃないと思います。
タイミングを図れない。暴落で動けない。
利確の判断ができない。
これ全部、仕組みが自分の特性に合っていないから起きることで、性格の問題じゃない。
教科書通りの投資法に自分を無理やり合わせようとするから、うまくいかない。
やることはシンプルです。
試す
↓
自分の行動を観察する
↓
仕組みに変える。
最初はいろいろ試してみていい。
でも結果だけ見るんじゃなくて、
そのとき自分がどう動いたかを観察しておく。
暴落で動けなかったのか。
逆に衝動的に売ってしまったのか。
ニュースに反応してそわそわしたのか。
その観察が積み重なると、
「自分はこういう場面でこう動く」
という傾向が見えてくる。
それが、自分専用の設計図になります。
弱さを認めたら、楽になった。
リバランスできない。
底値で買えない。
タイミングが図れない。
投資家としてのスペック、かなり低いです(笑)。
でも7年続いて、1億円になっています。
弱さを克服したからじゃない。
弱さを前提に設計したから、続いた。
続いたから、増えた。
あなたにも、きっと「こういう場面で自分はこう動く」という傾向があるはずです。
まだ見えていないなら、これから見つければいい。
それは欠点じゃないし、
恥ずかしいことでもない。設計の材料です。
まず1年、自分の行動を観察してみてください。
そこに、あなた専用の正解が眠っています。
次回は、出口戦略の話。
私のゴールは1億円ではなく、65歳まで資産運用するということだけを考えていました。
ただ、65歳のゴールを考えたら、
その当時のポートフォリオでは、
暴落や為替変動に耐える構成ではなかった。
では、ゴールをどう設定するか。
私のポートフォリオから、
何を、いつ、どうするかを説明しています。
資産を増やす記事はよくありますが、
出口の具体的な手法までを全部書いているものはあまりないのではないかと思います。
凡人太郎
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